フィリピン不動産投資の魅力は?始め方や失敗しないための注意点も解説

執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

近年、海外不動産投資という言葉をよく耳にするようになりました。
なかでも、フィリピンやカンボジアなどの東南アジアの海外不動産が投資家の注目を集めています

しかし、フィリピンで不動産投資をしてみたいけど、よくわからないという方もいるでしょう。
そこで本記事では、フィリピン不動産投資の始め方や失敗しないための注意点を解説します。

フィリピンはどんな国?

フィリピンは、飛行機で東京から約4時間半の位置にある国です。
首都マニラがあるルソン島や、日本人から人気の高いビーチリゾートであるセブ島などがあります。

積極的な外国資本の誘致を実施しており、経済成長が加速しているのが特徴です。
若い労働力も豊富で高度経済成長期を迎えており、人口増加や所得の拡大により今後も新たな住宅需要の増加が期待されています。

結果、将来的な不動産価格の上昇も見込めます。
海外不動産投資に向いている新興国と言えるでしょう。

フィリピン不動産投資が注目される理由!投資するメリットは?

フィリピンでの不動産投資が注目される理由は、次の5つです。

  • 不動産の価格上昇が期待できる
  • 人口増加により不動産への需要が高まる見込みがある
  • 外国駐在員の増加により空室リスクが低い
  • 比較的に不動産の価格が高い
  • 空室リスクが低いことから高利回りの期待ができる

注目される理由は投資するメリットが関係しています。
それぞれ詳細を確認しましょう。

不動産の価格上昇が期待できる

フィリピンが注目されている理由の一つに、不動産価格の上昇を期待できることがあげられます。

フィリピンの実質経済成長率は、ここ10年間6%という世界的にも高い水準で推しています。
そのため、国民所得は向上し不動産の購買意欲も高まっており、今後も物件価格の上昇を期待できる状況です。

不動産投資をするときは、経済の安定と成長が重要なポイントです。
それらを見込めるからこそ、フィリピンは注目されているのです。

人口増加により不動産への需要が高まる見込みがある

人口増加により不動産への需要が高まる見込みがあることも、フィリピンが注目されている理由です。

フィリピンの人口ボーナスは、2050年頃までピークが続くと予測されています。
人口ボーナスは、総人口に対する15歳から64歳の割合のことです。

人口ボーナス期が長期に渡り続くことで、労働力が豊富になるだけではなく、住宅への需要も期待できます。

外国駐在員の増加により空室リスクが低い

外国駐在員の増加により、空室リスクが低いことも理由としてあげられます。

外国駐在員が増えれば、不動産を賃貸する人が増えます。
不動産投資で利益を出すためには、空室率を低く抑えることも大切です。

その点、今後入居者の増加が見込め空室率を低く抑えられるフィリピンは魅力的でしょう。

比較的に不動産の価格が低い

フィリピンは、アメリカや日本などの先進国に比べて不動産価格が低い傾向にあります。

高級物件が悪いわけではありませんが、購入する費用が安ければ安いほど売却する際に大きな利益を得やすくなります

また、売却せずに保有しているケースでも、建物や土地の価格が安ければローンの支払いが安くなるため家賃収入から利益を得やすくなるでしょう。

空室リスクが低いことから高利回りの期待ができる

空室リスクが低いため、高利回りを期待できます。

空室が続くと、家賃収入が入ってこないため利回りが悪くなります
予想していた利回りを下回ると、期待していたインカムゲインが入ってこないので損をすることもあるでしょう。

しかし、フィリピンは人口増加や外国人駐在員の増加が予測されています。
そのため、空室リスクが低く高い利回りを期待できるのです。

フィリピン不動産投資の注意点

海外不動産投資の中でもメリットの多いフィリピンですが、注意点も存在します。
大きな失敗を避けるためにも、注意点を徹底解説します。

詐欺が多い

フィリピン不動産投資をおこなう際は、詐欺に気をつけなければいけません。

購入時に気づけばよいですが、巧妙な詐欺も多く購入後に詐欺が発覚する場合も多いです。
お金が返ってこないケースもあるため、物件を売買する際は慎重に判断しましょう。

たとえ優良物件であっても、名前を聞いたことがない不動産仲介業者や、実績のない不動産会社から条件を提示された場合はよく検討するようにしましょう

プレビルド物件の販売状況を随時確認する

プレビルドの物件の販売状況を随時確認するようにしましょう。

プレビルドの物件には、キャピタルゲインや支払い面でメリットがあります。
高級コンドミニアムも買えるかもしれません。

しかし、同時にデメリットも存在するので注意が必要です。
たとえば、物件の工事が中止されて引き渡しを受けられなかったり、想定どおり値上がりしなかったりします。

いずれにしても投資家にはダメージが大きいので、販売状況を把握しておくのがおすすめです。

家賃相場のリサーチを慎重に行う

家賃相場のリサーチを慎重におこなうことも大切です。
建物の場所や治安も重要ですが、家賃相場のリサーチ結果が誤っていると見込んでいる収入が得られず失敗につながる可能性が高まります。

また、リサーチする際は家賃相場の高いエリアも調査しておくとよいでしょう。
たとえば高級住宅エリアで、家賃を高く設定できればそれだけ利益も大きくなります

信頼できる不動産会社を探すのが難しい

信頼できる不動産会社を探すのが難しいことにも注意しなければいけません。
日本企業のサービス業とは異なり、海外の業者は管理やサポート体制などが甘いことがあります。

たとえば、現地の管理会社に賃貸や建物の管理などをまかせていたら、管理がずさんで数年で建物がボロボロになったという失敗例もあります。

ディベロッパーの開発実績を確認する

ディベロッパーの開発実績を確認しましょう。

ディベロッパーの開発実績を確認するのは、プレビルド方式で建設が中断する竣工リスクを避けるためです。

基本的に大手デベロッパーであれば不安になる必要はありませんが、中小デベロッパーは竣工できない可能性があります。
竣工できなくても、支払った頭金は返ってきません
事前に大手企業なのかを確認し、竣工リスクを避けるようにしましょう。

言葉の壁など現地情報収集が難しい

言葉の壁などがあり、現地の情報収集が難しいことにも注意する必要があります。

投資をする際、最新の情報は成功を収めるためにとても重要になります。

しかし、英語で情報を集めたりするのは容易ではなく、市場価格や立地などを自分だけで詳しく把握するのは簡単ではありません
自信のない方は、フィリピン不動産投資に精通している国内の企業に問い合わせてみるのもよいでしょう。

外国人がフィリピン不動産を購入する時の制限

魅力的なフィリピン不動産投資ですが、購入する際の制限があるため気軽に購入することはできません。
事前に制限の内容をチェックしましょう。

土地の所有は認められていない

フィリピンでは、外国人の土地所有は認められていません
土地の所有が認められているのは、フィリピン国籍を持った方か、全体の60%以上がフィリピン資本である企業のみです。

また、日本人がフィリピン人の名義を借りて実態のない法人を作るのは処罰の対象です。

建物の所有と賃貸はできる

土地の所有はできませんが、建物の所有と賃貸は可能です。

たとえば、コンドミニアムは土地の保有権を登記しないので外国人でも問題なく所有や賃貸できます
そのため、日本人や海外の個人でフィリピンの不動産へ投資したい人は、コンドミニアムに投資することになります

ちなみに、集合住宅の場合でも、外国人が所有できるのは1棟ごとに全体の40%未満です。
注意しましょう。

フィリピン不動産投資を始める時のステップ

フィリピン不動産投資を始める時の方法、やり方を紹介します。
将来的にフィリピン不動産投資をしたい人や収益を発生させたい人は、ぜひ参考にしてください。

投資目的、予算を決める

まずは、投資目的と予算を決めましょう。

目的は、家賃収入、売却益、相続税対策、最終的な移住願望などさまざまです。
自分の目的をしっかりとイメージしてください。

また、目的が決まったら予算を決定しましょう。
無理のない範囲で予算を決めるのがポイントです。

不動産会社に問合せする

投資目的と予算を決めたら、不動産会社に問い合わせください。
フィリピンをはじめとした東南アジアに強みのある会社を選ぶのがポイントです。

また、無料セミナーなどに参加して決めるのも一つの手です。

悩む場合は、複数社問い合わせてみるのもよいでしょう。
比較することで、自分に適切な会社を見つけやすくなります。

投資するエリアを選ぶ

投資するエリアを選びましょう。

具体的な候補としては、マカティ、BGCと並ぶマニラ首都圏のビジネス中心地オルティガスはおすすめです。
ローカル企業の本社が多く集まるエリアで、金融機関であるアジア開発銀行の本部があることでも有名です。
エリア内には大型ショッピングモールや高級ホテルなどが立地し、BPO産業の集積地としても知られています。

そのため、オフィスや居住者の住宅需要は拡大傾向にあり、投資対象としては十分条件を満たしているでしょう。

不動産売買契約を締結する

投資先として投資エリアが決まったら、不動産売買契約を締結します。

一般的には、全て英語で書かれています。
必要に応じて日本人スタッフのいるエージェントを選ぶと安心して取引を進められるでしょう。

不動産の購入資金をフィリピンへ送金

不動産の購入資金をフィリピンへ送金します。

着金までは最低でも1日かかるうえ、現地の管理会社へ支払いなどをその都度おこなうのは手数料もかかるためおすすめできません。
現地の金融機関で口座開設しておくとよいでしょう。

不動産管理会社を決める

最後に、不動産管理会社を決定します。

不動産の斡旋から管理までおこなう会社や、管理業務のみを専門におこなう会社など対応の違いがありますが、自分に適した管理会社を選びましょう。

フィリピン不動産投資におすすめしたい人

フィリピン不動産投資は、今後成長していく国で不動産投資をしたい人におすすめです。

フィリピンは1億人以上の人口を抱える大きな国ですが、今後もまだまだ成長していくと予想されています。
そのため、賃貸需要の拡大から家賃収入が安定的に見込めることや、不動産価格の上昇によるキャピタルゲインも狙えます。

また、セブなど海外移住先として人気の土地もあるため、老後海外移住を希望している人にも向いています

東南アジアのカンボジア不動産投資との違いは?

人口増加や国民所得の増加などが期待できる事情がある点では、フィリピンもカンボジアも両方同じです。
さらに、それらの事情を背景としてキャピタルゲインが狙える点も同様です。

大きく異なる点は、カンボジアでは国内で外貨である米ドルが流通しており、家賃収入の際に利用できることです。

また、フィリピンの不動産市場は中古物件の市場整備が進んでいないため、投資するのであれば新築コンドミニアムが主な選択肢になります。

まとめ

現在、東南アジアでの不動産投資が話題となっています。
なかでもフィリピン不動産は将来性に優れており、資産運用先として年々注目度を増しています

注意点はありますが、メリットも多く挑戦する価値はあるでしょう。
興味がある方は、関連記事や関連コラムなどに目を通してみるのもおすすめです。

フィリピン不動産で資産を運用することを考えている方は、本記事を参考に物件情報を集めてぜひ挑戦してみてください。

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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資