執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

カンボジアは経済発展が目覚ましく、現地に進出する外国企業が増えているほか、移住先としても人気を集めています。
カンボジアに移住する際、物価や生活費の水準が気になるのではないでしょうか。
今回は、カンボジアでの1ヶ月あたりの生活費の目安について詳しく解説します。
生活費は個人のライフスタイルによっても異なりますが、目安額を知ることで、現地での暮らしがよりイメージしやすくなるでしょう。
カンボジアで生活する際の注意点なども解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
カンボジアでの生活費の目安を費用別にチェック
カンボジアでの生活費を詳しくみていきましょう。
全般的な費用の目安をご紹介するほか、各支出項目についても解説します。
なお、以下の記事でドルを円に換算する場合、1ドル150円で計算しています。
カンボジアと日本の生活費を比較
カンボジア(プノンペン)と東京の物価平均額を比較すると、以下の表のようになります。
品目 | 平均価格 (円換算) | 東京の 平均価格 | 東京との 比率 |
---|---|---|---|
安いレストランでの食事 | 774円 | 1,000円 | 77% |
一般的なレストランでの食事(2・3名コース) | 4,643円 | 7,000円 | 66% |
マクドナルドのバリューセット | 1,083円 | 800円 | 135% |
国産生ビール(500ml) | 155円 | 500円 | 31% |
カプチーノ(レギュラー) | 452円 | 490円 | 92% |
コーラ(330mlボトル) | 150円 | 173円 | 87% |
水(330mlボトル) | 141円 | 115円 | 122% |
ボトルワイン | 1,857円 | 1,100円 | 169% |
タバコ(マルボロ20箱) | 271円 | 600円 | 45% |
牛乳(1リットル) | 334円 | 233円 | 143% |
食パン(500g) | 306円 | 267円 | 115% |
白米(1kg) | 153円 | 494円 | 31% |
鶏ささみ(1kg) | 678円 | 1,079円 | 63% |
牛モモ肉(1kg) | 1,594円 | 3,072円 | 52% |
りんご(1kg) | 692円 | 813円 | 85% |
バナナ(1kg) | 300円 | 383円 | 78% |
トマト(1kg) | 231円 | 731円 | 32% |
じゃがいも(1kg) | 243円 | 424円 | 57% |
レタス(1個) | 280円 | 209円 | 134% |
片道チケット(現地交通機関) | 155円 | 200円 | 77% |
タクシー1km(通常料金) | 155円 | 420円 | 37% |
ガソリン(1リットル) | 183円 | 173円 | 106% |
85㎡アパートの光熱費・ゴミ処理 | 16,986円 | 27,429円 | 62% |
通話と10GBのデータ通信を含む携帯電話の月額プラン | 916円 | 3,822円 | 24% |
インターネット(60MPS以上、データ無制限) | 4,767円 | 4,853円 | 98% |
フィットネスクラブの大人1人月額料金 | 7,643円 | 9,043円 | 85% |
ジーンズ1本(リーバイス501など) | 3,715円 | 7,692円 | 48% |
サマードレス1着(ZARAなど) | 3,515円 | 5,355円 | 66% |
メンズビジネスシューズ | 9,199円 | 11,890円 | 77% |
幼稚園(終日、子ども1名) | 55,205円 | 75,650円 | 73% |
インターナショナル小学校(年間1名) | 2,107,040円 | 2,267,353円 | 93% |
シティセンターのアパートメント(1ベットルーム) | 77,063円 | 149,682円 | 51% |
市内中心部のアパート購入価格(1㎡あたり) | 353,827円 | 1,236,979円 | 29% |
住宅ローン金利(20年固定) | 年利11.0% | 年利1.69% | 651% |
ほぼすべての品目で、東京よりプノンペンのほうが物価が安くなっています。
カンボジアでも日本在住時と同じような生活を送れば、生活費を安く抑えられる可能性は高いといえます。
なお、カンボジアでは国内の大半の地域で米ドルが流通しており、日常的な買い物にもドルを用います。
食費 | ほぼ全般的な食品が日本より安価
上の表が示すように、プノンペンでは多くの食品を日本よりも安価に購入できます。
現地での食品や生活用品の購入は、スーパーマーケットを利用するのが一般的です。
市場の利用も可能ですが、温度管理が徹底されておらず食品の鮮度や衛生面に不安があるので注意が必要です。
イオンなどの大型ショッピングモールでは日本製品も購入可能ですが、輸入コストがかかるため日本での販売価格よりも割高になります。
外食 | 一般的なレストランでの食事は1人10~50ドルが目安
食費は個人のライフスタイルや好みによって、大きく変動しやすい支出項目です。
外食をメインに生活を送る場合、自炊中心の生活よりも食費は高くなるでしょう。
プノンペン市内の一般的なレストランの価格は、ランチで約10ドル、ディナーで約30〜50ドルが相場です。
屋台や現地住民向けのローカル食堂の価格は数ドル程度とレストランより大幅に安いですが、衛生面に日本ほどの配慮が行き届いていない可能性があります。
屋台やローカル食堂を利用する際は、お店の清潔感を重点的にチェックするとよいでしょう。
嗜好品類 | お酒やタバコは日本よりも安価
カンボジアでは、お酒やタバコといった嗜好品類を日本の半額以下で購入可能です。
カンボジアは日本よりも税金が安く、お酒やタバコにかかる税金も少ないため、店頭でも安く提供されます。
飲酒や喫煙の習慣がある方は、日本よりも生活費を抑えられる可能性が高くなります。
仮に1日1缶国産缶ビールを購入し、タバコを1ヶ月に20箱分吸った場合の目安額は以下の通りです。
- 国産缶ビール(330ml):0.6ドル×30缶=18ドル(2,700円)
- タバコ(20箱):1ドル×20箱=20ドル(3,000円)
- 合計:38ドル(5,700円)
カンボジアではビールのほかに焼酎類の種類も豊富なので、お酒が好きな方は大いに満足できるでしょう。
家賃 | 賃貸物件の相場は日本の半分
カンボジアは不動産価格が全般的に安価で、賃貸物件は日本の半額以下の相場で出回っています。
プノンペンと東京で2ベッドルームの月額賃料を比較した場合、各都市の目安額は以下の通りです。
- プノンペン:450ドル~2,500ドル(6万7,500円~37万5,000円)
- 新宿:13万円~153万円
家賃は毎月固定で発生する費用なので、家賃が安くなることで余裕のある暮らしが期待しやすくなるでしょう。
ただし、住宅ローンの金利は日本よりも極端に高いため、住宅ローンの利用は避けたほうがよいでしょう。
交通費 | トゥクトゥクやバイク利用で50〜100ドル前後
カンボジアでは四輪の乗用車よりも、バイクや電動三輪車のトゥクトゥクの利用者が多いです。
トゥクトゥクは観光用途にも多用されており、アンコールワットが位置するシェムリアップなどでも観光客から人気のある移動手段です。
バイクやトゥクトゥクは乗用車よりも小回りが利きやすく車体価格も安いため、カンボジアに広く普及しています。
カンボジア現地に在住する日本人のブログなどを拝見していても、バイクやトゥクトゥクを愛用されているケースが珍しくありません。
カンボジアのガソリン代が2025年4月現在で約1.17ドル(1ドル150円=約176円)で、使用頻度にもよりますが、本体維持費+ガソリン代で月額50〜100ドルが目安です。
光熱費 | 電気代は東南アジア諸国で突出して高額
カンボジアで生活するうえで大きなデメリットとなるのが、電気代の高さです。
カンボジアは国内で必要となる電力を自国だけでは供給できないため、電力の多くを周辺国からの輸入に頼っており、輸入コストの加算によって電気代が高額になりやすいです。
JICAの調査によれば、2022年時点でのカンボジアの家庭用電力の使用料金は1wあたり約0.2ドル(30円)で、近隣国よりも顕著に高い水準にあります。
概ね日本と同額の価格相場であり、日本の家庭での電力の平均使用量から1ヶ月の電気代を算出すると以下の表のようになります。
世帯人数 | 中間期(5月)の電気代 | 冷房期(8月)の電気代 | 暖房期(1月)の電気代 |
---|---|---|---|
1人世帯 | 3,911円 | 5,850円 | 7,187円 |
2人世帯 | 6,153円 | 9,274円 | 1万1,939円 |
3人世帯 | 7,500円 | 1万1,643円 | 1万4,929円 |
4人世帯以上 | 8,561円 | 1万3,020円 | 1万6,431円 |
出典:東京都環境気候変動対策部家庭エネルギー対策課「家庭の省エネハンドブック」
表の数値はあくまでも目安であり、各家庭のライフスタイルによっても変動しますが、カンボジアでは日本と同じくらいの電気代がかかると考えておきましょう。
水道代は物件の賃料に含まれる場合があり価格相場も安いため、月に10ドル以内になるケースが多いです。
ガス代はオール電化の場合はほぼかかりませんが、月額5ドル程度が相場です。
通信費 | スマホ利用代が1人月額10~20ドル前後
カンボジアではスマートフォンが普及しており、保有台数は1人につき約1台といわれます。
カンボジアで電話を使用する際には、SIMカードを1〜3ドル(150円〜450円)で購入し、使用データ量に応じたプランを選択するのが一般的です。
カンボジアでスマートフォンを使用する際の月額料金は、個人差はあるものの10〜20ドルになる場合が多いでしょう。
インターネットの利用料金は、物件によっては家賃に含まれている場合があります。
空港やレストラン・ホテルなどではWi-Fiも使用できることが多いです。
教育費 | インターナショナルスクールは比較的高額
カンボジアでは外国人子弟はインターナショナルスクールに通うのが一般的です。
カンボジアには、幼稚園生から高校生まで幅広い年齢に対応し、高度な教育を行うインターナショナルスクールが複数あります。
カンボジアのインターナショナルスクールの平均的な年間授業料は、生徒1人あたり約5,000〜1万ドル(75万円〜150万円)ですが、なかには2万ドル(300万円)前後になるケースもあります。
学校によって授業料に差があるので、興味のある方は事前に調べておくとよいでしょう。
日本の公立学校は高校まで授業料が無償で、奨学金制度も充実していることを考えると、カンボジアの教育費は割高かもしれません。
カンボジアのインターナショナルスクールについては、こちらでも詳しく解説しています。
滞在費 | カンボジア在住には1人ずつビザ費用が必要
カンボジアでは外国人が現地に滞在する場合、対応するビザの取得が必須です。
例えばカンボジアに長期滞在する場合、現地での就労や個人事業主など幅広い対象にビジネスビザが発給されますが、ビザの有効期間は1年です。
ビジネスビザは申請により1年ごとの延長が可能ですが、更新には1人につき300ドル(4万5,000円)が必要になります。
家族でカンボジアに滞在する場合、家族の人数×300ドルが必要な点に注意しましょう。


カンボジアでの生活費を家族構成ごとにシミュレーション
それでは、実際にカンボジアでの生活費をシミュレーションしてみましょう。
ここでは、子どもが2人いる世帯・夫婦のみの2人暮らし・単身者に分けて試算しています。
あくまでも目安で、個人のライフスタイルによっても変動する点にご注意ください。
子どものいる4人家族 | 教育費が高くなりがち
子どもが2人と両親という家族Aさんの、カンボジアでの生活費1ヶ月の目安は以下の表のようになります。
支出項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
家賃 | 1,000ドル | 2ベッドルームで100㎡(プノンペン市内) |
食費 | 1,000ドル | 月に2回程度外食 両親は飲酒習慣あり |
光熱費 | 165ドル | 電気代150ドル 水道代10ドル ガス代5ドル |
交通費 | 100ドル | トゥクトゥクがメインの移動手段 |
通信費 | 20ドル | ファミリープランを利用 |
教育費 | 1,500ドル | 子ども1人につき750ドルの授業料 |
交際費 | 200ドル | 友人との食事代など |
その他 | 300ドル | 美容院や衣服代など |
合計 | 4,285ドル |
家族が住宅で快適に生活するためには1人あたり約25㎡が必要といわれており、Aさんのように4人家族で暮らすには100㎡以上の面積が望ましいかもしれません。
Aさん一家の外食は月2回ほどで、1回の食事代が家族4人で100ドルですが、それほど贅沢な支出とはいえないでしょう。
4人暮らしでは電化製品を使用する頻度が高いため、電気代は割高になりやすいです。
子ども2人がインターナショナルスクールに通っており、子どもへの教育費が支出の大きな割合を占めています。
教育熱心で子どもに多くの支出を割いているAさんですが、カンボジアでの1ヶ月の生活費は4,285ドル(64万2,750円)となりました。
夫婦のみの2人家族 | ライフスタイルにもよるが1,500~2,000ドル前後
夫婦2人で暮らすBさんの、カンボジアでの生活費1ヶ月の目安は以下の表のようになります。
支出項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
家賃 | 600ドル | 2ベッドルームで50㎡(プノンペン市内) |
食費 | 350ドル | 外食に250ドル 自炊に100ドル |
光熱費 | 45ドル | 電気代40ドル 水道代・ガス代合わせて5ドル |
交通費 | 50ドル | トゥクトゥクがメインの移動手段 |
通信費 | 15ドル | ファミリープランを利用 |
交際費 | 100ドル | 友人との食事代など |
その他 | 250ドル | 美容院や衣服代・生活雑貨など |
合計 | 1,410ドル |
Bさん夫婦は住居に関してはそれほどこだわりがなく、設備やグレードよりも価格の安さを重視しました。
夫婦でプノンペンの色々なレストランを巡るのが趣味で、外食には週1回ペースで出かけています。
水道代は物件の賃料に含まれておりほとんどかかりませんが、水質が気になるため、自宅での調理にはミネラルウォーターを用いています。
Bさんは日本のブランドに愛着があり、シャンプーなどはイオンで日本製品を購入しているため、そのぶんの費用が割高です。
Bさん夫婦はバランスのよい支出を心がけており、カンボジアでの1ヶ月の生活費は1,410ドル(21万1,500円)となりました。
単身者 | 1,000〜2,000ドルで余裕のある生活が可能
会社の海外出張に伴って1人暮らしをするCさんの、カンボジアでの生活費1ヶ月の目安は以下の表のようになります。
支出項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
家賃 | 250ドル | 1ベッドルームで35㎡(プノンペン市内) |
食費 | 600ドル | 外食に550ドル 自炊に50ドル |
光熱費 | 25ドル | 電気代20ドル 水道代・ガス代合わせて5ドル |
交通費 | 25ドル | トゥクトゥクがメインの移動手段 |
通信費 | 10ドル | 定額プランを利用 |
交際費 | 200ドル | 同僚との飲み会など |
その他 | 50ドル | 美容院や衣服代など |
合計 | 1,160ドル |
Cさんは1人暮らしであり、それほど広い面積は必要ないと考え、家賃の安い1ベッドルームタイプの物件を選びました。
仕事が忙しいCさんはほぼ毎食を外食で済ませており、自炊は月数回程度です。
現地で勤務するうちに親しい同僚が増えており、カンボジア人社員と連れ立って飲みに行くこともしばしばで、交際費も支出の割合を多く占めています。
Cさんは外食メインで飲み会にも積極的に参加するため、食費や交際費の多い生活ですが、カンボジアでの1ヶ月の生活費は1,160ドル(17万4,000円)となりました。
「カンボジアの生活費は日本の10分の1」はウソ?
「カンボジアの生活費は日本の10分の1」といった通説がありますが、これはあくまでもカンボジア人の所得が日本よりも大幅に低いことの裏返しと捉えたほうがよさそうです。
日本とカンボジアではそもそもの経済水準が異なっており、日本人が所得の少ないカンボジア人と同等の費用で生活を送るには、かなり切り詰めた生活を覚悟しなくてはなりません。
所得の少ないカンボジア人の1ヶ月の生活費の目安は以下の通りで、日本人が同水準の生活を送るのはかなり難しいのではないでしょうか。
- 家賃:40ドル(複数人でルームシェア)
- 食費:60ドル
- 交通費:10ドル
- 通信費:5ドル
- 合計:115ドル
日本人がカンボジアで生活する際、日本よりも支出の少ない生活を送りやすいのは事実ですが、極端に安い生活費を期待するのは難しいでしょう。
経済成長の活発なカンボジアでは物価水準が上昇する可能性があり、反対に日本は円安で海外での支出が増えやすい状況です。
カンボジアを含めた海外移住をする際は、円資産を移住先に直接持ち込むのではなく、外資による資産形成で為替リスクを緩和しておくのが理想的です。


カンボジアで節約しやすい支出品目3選
カンボジアで余裕のある生活を送るためには、ある程度の節約を意識するのが効果的です。
ここでは、カンボジアでの生活で節約しやすい費用を3つご紹介します。
個人のライフスタイルに合わせて、実践しやすいものを取り入れるとよいでしょう。
食費 | 自炊の積極的な活用が効果的
日本と同様、カンボジアでの食費は個人の食習慣や自炊の度合いなどで変動しやすい費用です。
カンボジアの食料品は日本よりも安く入手しやすいため、自炊を積極的に活用することで食費を節約しやすくなります。
毎食調理する時間を確保しづらい方は、休日に作り置きをしたり、レトルト食品を活用したりするのもよいでしょう。
外食メインの生活であれば、屋台やローカル食堂の利用頻度を高くすることで食費を抑えやすくなります。
ただし、屋台やローカル食堂には衛生管理が充分でない店舗もあるため、お店選びは慎重に行いましょう。
家賃 | 物件によっては大幅に削減可能
毎月の支出のうち固定費となり金額も大きい家賃は、物件によって大きく変動します。
物件次第では大幅に削減可能なので、カンボジアでの生活費を安く抑えたい方は、仲介業者に相談するとよいでしょう。
ただし、家賃が極端に安い物件は設備が充分でなかったり、老朽化が進んでいたりと住むうえでストレスを感じやすいかもしれません。
住環境は生活の質に大きく影響するため、節約を意識しすぎるのも逆効果です。
交通費 | 乗用車よりもバイク・トゥクトゥクが便利
カンボジアでは四輪乗用車よりもバイクやトゥクトゥクが好まれており、特にトゥクトゥクは市民生活のシンボルとしてもイメージされやすい乗り物といえます。
車体価格も中古車が約600ドル(約9万円)と四輪自動車(中古車で約3,000ドル=約45万円)より安いため、トゥクトゥクなどを活用することで、交通費を削減できる可能性があります。
乗用車よりも小型なので、駐車スペースが少なくて済むのも特徴です。
カンボジアの生活での注意点5つ
カンボジアで生活を送る際に、いくつか注意しておきたいことがあります。
ここでは、カンボジアでの生活での注意点を5つご説明します。
医療 | カンボジアの病院診療は基本的に全額自己負担
カンボジアには日本のように国民皆保険制度が導入されておらず、病院の診察代などの医療費は原則として全額自己負担になります。
また、ケガや病気の度合いによっては国外の医療機関の診察が必要になり、さらに移送費などが加算されるケースもあります。
ケガや病気で多くの財産を失う可能性があるため、健康に気を配るほか保険の加入なども検討しておきましょう。
アクセス | 2025年現在は直行便が運休
カンボジアでは、2025年現在、日本からの直行便が運行されていません。
以前はプノンペンへの直行便がありましたが、コロナ禍を機に全便が運休となり、現在も運行は再開されていない状態です。
日本からカンボジアへのアクセスは近隣空港を乗り継ぐしかないのが現状で、乗り継ぎ便の待ち時間が発生します。
格安航空券はリーズナブルな価格でカンボジアに渡航できる反面、価格の安いチケットほど乗り継ぎ待ちの時間が長くなりやすいです。
虫 | カンボジアの虫は種類が多くサイズも大きめ
カンボジアは日本よりも平均気温が高く冬がないため、虫や動物にとっても生息・繁殖しやすい環境で、サイズも大きくなりやすいです。
カンボジアは通気性のよい構造の住宅が多く、建物の隙間から虫などが侵入しやすくなっています。
カンボジアの住宅に発生する頻度の高い生物には、以下のようなものが挙げられます。
- ゴキブリ:カンボジアの気候は活動に適しており、日本よりも大型の個体が多い。配管などを登って建物の高層階に発生することがある。
- アリ:大量に繁殖しやすく、攻撃性の高い種も存在する。建物によっては躯体に生息しており、大量に発生することがある。
- ヤモリ:温暖な気候を好み、日本よりも個体数が多い。ゴキブリなどを捕食するため利益もあるが、姿や素早い動きが不快になることがある。
カンボジアで生活するうえで虫の存在を完全に遮断するのは難しく、ある程度の慣れや妥協は必要かもしれません。
住居に生物が発生するのが特に気になる方は、築年数の新しい高級コンドミニアムがおすすめです。
「J-Tower」シリーズなど日系業者が開発した物件は、日本の技術が使われており密閉性が高い物件が多いので、虫などの侵入を防ぎやすくなります。
電化製品 | 日本の電化製品は基本的に直接の使用は不可
日本とカンボジアは電圧が異なっており、日本が100Vなのに対してカンボジアは220Vです。
電圧が異なるため、日本の電化製品をそのまま使用できないことが多く、基本的には変圧器が必要になります。
コンセントプラグの形状はAタイプ・Cタイプと日本と同じ場合が多く、パソコンなど一部の電化製品は直接使用できる可能性があります。
消費電力の大きいドライヤーやアイロンなどは、変圧器を使用したほうが安全です。
治安 | 日本人をターゲットにした軽犯罪が多発傾向
カンボジアでは凶悪犯罪は減少傾向にある反面、スリや引ったくり・置き引きといった窃盗は多発しやすい傾向です。
近年のカンボジアで発生した犯罪件数は、以下の通りです。

統計によると日本人が遭遇した犯罪は、ひったくりが5件・窃盗が2件・昏睡強盗が1件でした。
昏睡強盗は飲食物に睡眠薬を混入させてターゲットの意識を奪った後に、金品を持ち去るといった犯罪行為です。
カンボジア国内で日本人は裕福と広く認識されており、犯罪のターゲットに選ばれやすい傾向にあるので要注意です。
必要以上に親密な態度を示してくる人物や、誘惑的な態度を示す異性には特に注意しましょう。
日本人が犯行グループに加わるケースもあるため、「同じ日本人」と即座に安心するのも禁物です。


カンボジアの現地事情はブログなどの閲覧がおすすめ
現在は個人でもSNSなどで手軽に情報を発信でき、海外移住者によるブログが多く閲覧できます。
一般ユーザーによる情報発信には、現地のリアル事情に率直に触れたものもあり、現地事情を知るのに役立つケースも少なくありません。
カンボジア移住者関連のブログで、特におすすめしたいのが、谷俊二さんの「カンボジア不動産ブログ」です。
谷さんは先述した高級コンドミニアム「J-Tower」シリーズを開発・販売する経営者で、カンボジア不動産のパイオニア的な人物としても名高いです。
谷さんのブログはほぼ毎日更新されており、記事のジャンルは自社物件情報・街中視察やグルメ情報など多岐にわたります。
なかには、カンボジアで問題になる可能性がある事業者などを批判する記事もあり、率直な意見も谷さんの持ち味です。
カンボジア不動産関連のブログについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
カンボジア移住はアンナアドバイザーズにお任せ
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ここでは、弊社のサービスについて詳しく解説させていただきます。
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物件の契約はオンライン・オフラインの両方に対応しており、現地で直接ご契約いただくことも可能です。
銀行 | アフターフォロー付きの丁寧な開設サポート
カンボジアに移住する際は、カンボジア国内で銀行口座を開設することをおすすめします。
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東京オフィスのほか、オンラインでの口座開設サポートも承っております。
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既にカンボジアに在住されている方は、プノンペンオフィスにてご対応いたします。
ビジネス | 現地進出・現地起業をトータルコーディネート
弊社は日本企業のカンボジア進出や、現地での起業も積極的にサポートしております。
オフィス物件の仲介や法人口座の開設まで、弊社による一貫したサポートが可能です。
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荒木はカンボジアで起業しており、自身の経験によるサポートで、より多くの日本企業・日本人が外資を取り入れた資産形成を実現されることを願っております。
弊社の会社設立サポートは、小規模な事業者で約3,000〜5,000ドル(約45万円〜75万円)からご提供可能です。
まとめ
カンボジアは日本よりも全般的な物価が安く、移住しやすい国といえます。
特に賃貸物件の価格相場が日本の半額程度で、大きな支出となる家賃を節約しやすいのが特徴です。
生活費は個人のライフスタイルによっても大きく異なるため、一概にはいえませんが、食事などを工夫することで節約に繋がりやすくなります。
ただし、日本は円安が進行しておりカンボジアはインフレが加速しているため、今後はカンボジアでの生活費が現在より高くなるとも考えられます。
海外に移住する際には、外資を取り入れた資産形成をしておくことが理想といえるでしょう。
弊社では、不動産投資や海外の銀行口座開設を用いた資産形成をサポートしております。
カンボジア移住や資産形成に興味のある方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。


荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資