
カンボジアのボレイとは?一戸建て投資の基礎知識
カンボジア不動産投資において「ボレイ(Borey)」という言葉を耳にすることがあるでしょう。ボレイとは、カンボジアで開発される土地付き戸建て住宅のゲーテッドコミュニティを指します。プノンペンをはじめとする都市部で、中間層のカンボジア人を主なターゲットとして数多くのボレイプロジェクトが開発されています。
ボレイは一般的に、セキュリティゲートで管理された敷地内に複数の戸建て住宅が立ち並び、共用の道路や庭園、時には公園やプールなどの共用施設を備えています。カンボジア人の多くは、土地付きのボレイを好む傾向があるとされており、家族向けの居住ニーズが高いエリアとして注目されています。
ボレイの種類と構成
ボレイプロジェクトは、デベロッパーによって管理方法や登記形態が異なるため、投資前に詳細を確認することが重要です。共用エリア(道路・庭園・エントリーゲートなど)の登記方法によって、居住者が負担する税金や管理費が変わることもあります。
- プライベートエリア:各戸建ての土地と建物
- 共用エリア:道路、庭園、フェンス、セキュリティゲートなど
- 付帯施設:プール、公園、コミュニティセンターなど(プロジェクトによる)
外国人はボレイを所有できるのか?法規制と制限
カンボジアのボレイ投資を考える際に、最も重要なのが外国人の土地所有に関する法規制です。
外国人の土地所有は原則禁止
カンボジアでは、憲法第44条および土地法第8条により、外国人(自然人・法人を問わず)が土地を所有することは禁止されています。2026年時点でも、外国人が個人名義でカンボジアの土地を所有することはできません。
ボレイは土地付き住宅であるため、外国人が個人名義でボレイを購入・所有することは原則として認められていません。この規制は、ボレイだけでなく、ヴィラ、タウンハウス、ショップハウスなど、すべての土地付き不動産に適用されます。
外国人がボレイを保有するための方法
とはいえ、完全に不可能というわけではありません。外国人がボレイなど土地付き不動産を利用・保有する方法として、以下のような選択肢があるとされています。
- 長期リース(リースホールド):カンボジア人またはカンボジア企業から、15年以上50年以下の長期賃借権(永借権)、または15年未満の短期賃借権を取得する方法があります。
- 現地法人の設立:カンボジア企業との合弁会社を設立し、出資比率をカンボジア企業側51%以上、外国企業側49%以内とすることで「内国法人」として登記し、土地を所有する方法も考えられます。
- カンボジア人配偶者名義:カンボジア国籍を持つ配偶者の名義で購入する方法もありますが、法的リスクや将来の権利関係について慎重な検討が必要です。
ただし、これらの方法にはそれぞれリスクや法的な複雑さが伴います。特に、名義貸しや不透明なスキームは避けるべきです。信頼できる現地パートナーや専門家のサポートなしに進めることは推奨されません。
外国人が安心して投資できるのはコンドミニアム
2026年時点で外国人が最も安全に所有できる不動産は、区分所有権(strata title)が登記された2階以上のコンドミニアムユニットです。2010年5月24日に公布された外国人所有法(区分所有建物の専有部分の所有権を外国人に付与する法律)により、外国人は2階以上のコンドミニアムユニット(地上階・地下階を除く)を所有でき、建物の総専有面積(全専有部分の合計床面積)の70%まで外国人所有が認められています。
ボレイなど土地付き不動産と比較して、コンドミニアムは法的にクリアで、登記や権利関係が明確です。そのため、海外不動産投資の初心者や、リスクを最小限に抑えたい投資家には、まずコンドミニアムからのスタートをお勧めします。
カンボジア不動産投資の魅力と市場環境
ボレイを含むカンボジア不動産投資には、どのような魅力があるのでしょうか。2026年の市場環境を踏まえて整理します。
高い経済成長率と若い人口構成
IMFの2025年11月のArticle IV協議によると、カンボジアのGDP成長率は2025年約4.8%、2026年約4.0%と予測されています。世界銀行は2025年12月時点で2025年4.8%・2026年4.3%・2027年5.1%と改定し、さらに2026年4月には2026年を3.9%に下方修正しました。IMF・世界銀行ともに当初見通しを下方修正しており、複数機関の最新予測をご参照ください。
ASEAN主要国の中でもトップクラスの成長率を誇り、製造業、建設業、観光業、不動産セクターがその成長を牽引しています。
また、2026年時点でカンボジアの人口は約1,800万人(約1,805万人)で、中央年齢(median age)は約26〜27歳と非常に若い国です。若年層の人口比率が高く、今後20〜30年にわたって生産年齢人口が増加する人口ボーナス期にあります。
都市部への人口流入が住宅需要・賃貸需要を構造的に支えています。
米ドル建て経済と通貨リスクの低さ
カンボジアは実質的に米ドル経済圏であり、不動産取引や賃料の大部分が米ドル建てで行われています。日本円だけで資産を持つ投資家にとって、米ドル建て資産を保有することは為替分散のメリットにもなります。
インフラ整備と将来性
プノンペンでは、新テチョ国際空港の開業(2025年9月9日に開業済み)や高速道路の整備など、大型インフラプロジェクトが進行中です。これらのインフラ整備は、周辺エリアの不動産価値を押し上げる要因として期待されています。
ボレイ投資とコンドミニアム投資の比較
カンボジアで不動産投資を検討する際、ボレイとコンドミニアムのどちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。それぞれの特徴を比較します。
| 項目 | ボレイ(一戸建て) | コンドミニアム |
|---|---|---|
| 外国人の所有 | 原則不可(リースや法人設立が必要) | 区分所有権で直接所有可能 |
| ターゲット層 | カンボジア人の中間層・家族世帯 | 外国人駐在員・富裕層カンボジア人 |
| 賃貸需要 | 現地家族向けに安定 | 駐在員・短期滞在者向けに高単価 |
| 法的リスク | 権利関係が複雑・リスクやや高め | 登記が明確・リスク低め |
| 管理の手間 | 庭の手入れ・メンテナンス必要 | 共用部は管理会社が対応 |
外国人投資家にとっては、法的リスクが低く、賃貸管理もしやすいコンドミニアムが第一選択肢となるでしょう。ボレイは現地のニーズやパートナーを十分に理解した上で、慎重に検討すべき投資対象と言えます。
2026年のカンボジア不動産税制の最新動向
カンボジア不動産投資において、税制の理解は欠かせません。2026年時点での主要な税金を整理します。
固定資産税(Annual Property Tax)
農地などを除く、評価額1億リエル(約2.5万米ドル)以上の不動産が対象で、(不動産評価額×80% − 1億リエル)×0.1%が課税されます。1億リエル未満の不動産は非課税です。なお、建物が建っていない更地などには、未利用地税として評価額の2%が課されることにも注意が必要です。
登録税(不動産譲渡税)
不動産の所有権移転(売買)の際には、登録税(不動産譲渡税)として税務当局の査定評価額の4%がかかります。慣習的に買主が負担するケースが多いものの、交渉次第では売主負担となる場合もあるため、契約時に費用負担を明確にしておくことが重要です。
キャピタルゲイン税
カンボジアでは、不動産売却益(キャピタルゲイン)に対して一律20%の税金を課すキャピタルゲイン税(Capital Gains Tax, CGT)の導入が決定されています。当初は2024年や2025年の施行が予定されていましたが、数回の延期を経て、不動産のキャピタルゲイン税は2027年1月1日施行へと再延期されました(株式など非不動産資産は2026年1月1日から既に施行済み)。ただし、施行時期はこれまで複数回延期されており、今後さらに変更される可能性がありますので、最新の政府発表にご注意ください。
賃貸収入への源泉徴収税
賃貸事業を行う場合、賃貸収入には源泉徴収税が課されます。税率は居住者10%、非居住者14%です。日本在住の投資家は通常「非居住者」として14%が適用されます。利回り計算の際は、この税負担も考慮した実質利回りで判断することが大切です。
ボレイ投資のリスクと注意点
ボレイ投資には、コンドミニアムとは異なる特有のリスクがあります。
権利関係の複雑さ
ボレイは土地付き不動産であり、外国人が直接所有できないため、長期リースや現地法人を通じた保有スキームを利用することになります。これらのスキームには法的な複雑さが伴い、契約書の内容や登記形態を十分に理解しないまま進めると、将来的に権利を失うリスクがあります。
デベロッパーの信頼性
ボレイプロジェクトは開発規模が大きく、竣工までに時間がかかることも珍しくありません。デベロッパーの過去の実績、竣工率、引き渡し遅延の有無などを事前に確認することが重要です。実績のあるデベロッパーかどうかは、信頼できるパートナーエージェントを通じて確認しましょう。
賃貸需要と管理の手間
ボレイは主にカンボジア人の中間層家族をターゲットとしているため、賃貸需要の見極めが重要です。また、一戸建ては庭の手入れや建物のメンテナンスなど、コンドミニアムよりも管理の手間がかかります。現地に常駐できない海外投資家にとっては、賃貸管理の実績があるエージェントから購入し、完成後の管理シミュレーションを事前に確認することが不可欠です。
インフラ・周辺環境の変化
カンボジアでは急速に都市開発が進む一方で、一部エリアでは雨季に道路が冠水することもあります。ただし、インフラ整備は年々改善されており、中心地での深刻な被害は少なくなっています。インフラ整備が進むエリアを選ぶことが、長期的な資産価値維持のポイントです。
おすすめエリア:ボンケンコンとトンレバサック
カンボジア・プノンペンで不動産投資を検討する際、特におすすめのエリアはボンケンコン(BKK)とトンレバサックです。これらのエリアは、外国人駐在員や富裕層の居住ニーズが高く、賃貸需要が安定しています。
ボンケンコン(BKK)のおすすめ物件
ボンケンコンはプノンペンの中心エリアで、ショッピングモールやオフィス、飲食店が集積しています。外国人駐在員にも人気のエリアです。
- J-Tower 2(転売・賃貸)
- GATOタワー(プレビルド)
- De Castle Royal(転売・賃貸)
トンレバサックのおすすめ物件
トンレバサックは大使館や高級レストランが立ち並ぶ閑静なエリアで、富裕層の居住ニーズが高いエリアです。
- J-Tower 3(プレビルド)
- Skylar By Meridian(転売・賃貸)
- Embassy Residence(転売・賃貸)
これらのエリアは、賃貸利回りが高く、将来的な資産価値の上昇も期待できるエリアです。
アンナアドバイザーズのサポート体制
カンボジア不動産投資は、法規制や税制、現地の商習慣など、日本とは異なる点が多くあります。特に、ボレイのような土地付き不動産は権利関係が複雑で、専門知識なしに進めることはリスクが高いと言えます。
アンナアドバイザーズでは、カンボジア不動産の売買、賃貸管理(賃貸付け・室内清掃・賃料回収・入居者トラブル対応など)、固定資産税の納付代行、登記手続きのサポート、物件の引渡し、転売(売却)サポート、銀行口座開設サポートなど、幅広いサービスに対応しています。現地に精通したスタッフが、お客様の投資戦略に合わせた物件選びから、購入後の管理、将来的な出口戦略まで一貫してサポートいたします。
また、日本からカンボジアへの海外送金については、アンナアドバイザーズ経由でSMBC信託銀行プレスティアの口座を開設すると、海外送金手数料などの優遇が受けられる特典もあります。コスト面でもメリットがありますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:ボレイ投資は専門家と一緒に進めよう
カンボジアのボレイ(一戸建て)投資は、現地中間層の居住需要が高く、将来性のある市場です。しかし、外国人の土地所有が原則禁止されているため、法的スキームや権利関係の理解が不可欠です。初心者や法的リスクを抑えたい投資家には、まず区分所有権が明確なコンドミニアムからのスタートをお勧めします。
2026年の税制では、キャピタルゲイン税の施行が2027年へ延期されたものの、今後の動向には注意が必要です。固定資産税や登録税、賃貸収入への源泉徴収税など、各種税金を正しく理解した上で投資判断を行いましょう。
カンボジア不動産投資は、経済成長と米ドル建て資産の魅力がある一方で、現地の法規制やデベロッパーの信頼性、賃貸管理の体制など、専門的な知識とサポートが欠かせません。アンナアドバイザーズのような専門家と一緒に進めれば、リスクを最小限に抑えながら、安心して投資を実現できます。カンボジア不動産投資にご興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
まずはお気軽にご相談ください。アンナアドバイザーズに無料相談する
「自分に合う銀行が分からない」「資産運用としてどう活用すべきか相談したい」「まずは話だけ聞いてみたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。カンボジアでの資産運用を、安心してスタートできるようお手伝いします。



荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資
