カンボジアで「v-Pass(Visitor Pass)」を導入|入国スタンプがデジタル化へ

執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

2025年7月1日より、カンボジア政府は外国人旅行者を対象とした新たなデジタル入国管理システム「v-Pass(Visitor Pass)」の運用を開始しました。

これまで外国人がカンボジアへ入国した際には、パスポートへ入国スタンプが押印され、またはQRコード付きの入国記録が交付されていました。しかし、v-Passの導入により、これらの紙ベースの管理はデジタル化され、入国情報をオンラインで確認・管理できるようになっています。

カンボジアへの出張や旅行を予定している方はもちろん、長期滞在者や不動産投資を検討している方にとっても知っておきたい制度です。


v-Pass(Visitor Pass)とは?

v-Passとは、カンボジア内務省・入国管理総局(General Department of Immigration:GDI)が導入した外国人向けのデジタル入国記録システムです。

従来のようにパスポートへ入国スタンプを押す代わりに、入国情報を電子データとして管理します。

なお、v-Passはビザそのものではありません。

あくまで「カンボジアへいつ入国し、どのような滞在資格で滞在しているか」を証明するデジタル記録となります。ビザ制度や滞在資格が変更されたわけではありません。


導入の背景

カンボジア政府は近年、行政手続きのデジタル化を積極的に進めています。

入国管理についても、

  • 入国審査の効率化
  • ペーパーレス化
  • セキュリティ強化
  • デジタル政府の推進

を目的として、v-Passの導入が開始されました。


何が変わったのか

v-Passの導入により、外国人旅行者の入国手続きは次のように変わりました。

従来v-Pass導入後
パスポートへ入国スタンプデジタル記録へ移行
QRコード付き紙・ステッカー電子的に発行
紙の記録を携帯スマートフォンで管理可能

入国後は、登録したメールアドレスへv-Passが送信されるほか、「Cambodia e-Arrival」アプリや公式サイトからも確認できます。


v-Passの受け取り方法

v-Passは以下の方法で取得できます。

  • 登録したメールアドレス
  • Cambodia e-Arrivalアプリ
  • Cambodia e-Arrival公式サイト

紙のスタンプがなくなったため、滞在中はスマートフォンへ保存しておくことが推奨されています。必要に応じて印刷して携帯すると安心です。


e-Arrivalとの違い

v-Passと混同されやすいのが「Cambodia e-Arrival」です。

両者の役割は異なります。

Cambodia e-Arrival

=入国前にオンラインで提出する入国情報。

v-Pass

=入国審査が完了した後に発行されるデジタル入国記録。

つまり、

e-Arrivalは「事前申告」、v-Passは「入国後の記録」

という違いがあります。


不動産投資家や長期滞在者への影響

現時点で公表されている情報では、v-Passの導入によって以下の制度が変更されたわけではありません。

  • 外国人向けビザ制度
  • 就労許可制度
  • 長期滞在制度
  • 外国人によるコンドミニアム所有制度
  • 不動産購入に関する法律

つまり、v-Passは入国管理方法のデジタル化であり、不動産投資や外国人所有制度そのものに影響を与える制度ではありません。


利用時の注意点

カンボジア滞在中には、ホテルへのチェックインや行政手続きなどで滞在資格の提示を求められる場合があります。

そのため、

  • スマートフォンへ保存する
  • PDFをダウンロードしておく
  • 必要に応じて印刷して携帯する

といった準備をしておくと安心です。


まとめ

v-Passは、カンボジア政府が進める行政デジタル化の一環として導入された新しい入国管理システムです。

2025年7月から外国人旅行者を対象に運用が始まり、従来のパスポートへの入国スタンプやQRコード付きステッカーに代わり、デジタルで入国記録を管理する仕組みへ移行しています。

カンボジアへ渡航する際は、従来のようにパスポートのスタンプだけを確認するのではなく、v-Passの受領・保存も忘れずに行いましょう。


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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資