
著者:荒木 杏奈(アンナアドバイザーズ株式会社)
こんにちは!アンナアドバイザーズの荒木杏奈です。
「カンボジアの銀行金利って、今でも高いんですか?」
「米ドルで預けても年5〜6%以上の利息がつくって本当ですか?」
投資家様や現地に口座を開設したい方から、このようなご質問をいただく機会が非常に増えています。
結論から申し上げますと、カンボジアの銀行金利はかつてのピーク期(年6〜7%台)に比べて低下傾向にあり、銀行によって金利設定に大きな差が出ています。
今回は、2026年8月時点におけるカンボジア主要銀行7行の米ドル定期預金金利を徹底比較し、後悔しない銀行の選び方や注意点について詳しく解説します。
1. カンボジア銀行金利の最新トレンド(2026年現在の傾向)
まず押さえておきたいのが、「カンボジア=いつでも7%超の高金利」という時代は過ぎたということです。
2022年〜2023年頃にかけては、各行のキャンペーンなどで年6〜7%台の米ドル定期預金が提示された時期もありました。しかし、現在は市場環境の変化とともに全体的に利回りが低下(調整)しています。
とはいえ、世界基軸通貨である「米ドル建て」で年2%〜4%台後半の利息が得られる環境は、日本の超低金利と比べてもなお非常に魅力的と言えます。
2. カンボジア主要銀行7行の米ドル定期預金金利一覧(12ヶ月比較)
以下は、2026年8月時点で確認できる主要7行の「米ドル・12ヶ月定期預金(満期時利息受取)」の金利比較表です。
| 銀行名 | 12ヶ月定期金利(米ドル) | 主な資本背景・特徴 |
| ABA Bank | 2.25% | カンボジア最大手。アプリやQR決済など利便性が圧倒的 |
| ACLEDA Bank | 3.40%前後(※) | カンボジア最大級の商業銀行。長期預金で金利優遇あり |
| Canadia Bank | 3.70% | 歴史ある現地大手。定期預金の金利水準は高め |
| J Trust Royal Bank | 3.25% | 日本のJ Trustグループ(上場企業)資本が入る安心感 |
| Sathapana Bank | 4.00% | 旧マイクロファイナンスから発展。高い金利設定が魅力 |
| Phillip Bank | 4.00% | シンガポール系大手金融グループを背景に持つ安定感 |
| SBI Bank (Cambodia) | 4.75% | 日本のSBI Holdings 100%子会社。最高水準の金利。 |
(※ACLEDA Bankは預入期間によって異なり、6年以上の超長期で最大3.75%等の商品もあります)
3. 各銀行の特徴と強み・資本背景
① ABA銀行(利便性重視)

カンボジアでの生活やビジネスに欠かせないインフラ銀行です。定期金利は年2.25%と低めですが、スマホアプリの操作性やQRコード決済(Bakong)の利便性が圧倒的なため、日常的に使う資金の保管先として最適です。
② アクレダ銀行 / カナディア銀行(歴史・規模重視)

どちらもカンボジア国内で根強い信頼を誇る大手銀行です。
アクレダ銀行の場合、預入期間を長くすると金利が上がる商品もあります。
ですので、「1年間だけ置いておく」というより、
「数年間使う予定のない資金を置く」という選択肢として見ることもできます。
Canadia Bankは年3.70%と高水準であり、10万ドルを1年間預けた場合、ABA Bank($2,250)と比べて年間約$1,450(約$3,700)の利息差が生まれます。
③ SBI Bank (Cambodia)(金利・日本系資本重視)

2026年5月に「SBI LY HOUR Bank」から改称し、日本のSBIホールディングス100%子会社となりました。12ヶ月定期(満期受取)で年4.75%という業界トップクラスの高金利を提示しており、日本人投資家にとって大きな注目株です。カンボジア現地にて口座開設サポートが可能です。詳しくはお問い合わせください。
④ J Trust Royal Bank / Phillip Bank(外資・株主の安心感)


日本の上場企業グループであるJ Trustが入る「J Trust Royal(年3.25%)」や、シンガポール系金融資本の「Phillip Bank(年4.00%)」など、自国以外の強固な株主基盤を持つ銀行も有力な選択肢となります。
4. 現地プロが教える「失敗しない銀行の選び方・使い分け」
「一番金利が高いSBI Bankだけに全額を預ければいいのか?」というと、私はそのような選び方はおすすめしません。
資産管理において最も重要なのは、「目的別に銀行を使い分ける(分散する)」ことです。
- 日常使い・決済用資金 ➔ ABA Bank(アプリと決済機能の利便性を優先)
- 中長期の定期預金・運用資金 ➔ SBI Bank / Canadia Bank / Sathapana Bank等(金利と資本背景を優先)
金利の高さだけで判断せず、「信用力・資本背景・利便性・金利」の4つの指標を総合的に評価して資金を振り分けることが、海外における手堅いリスク管理となります。
5. カンボジアの銀行口座を開設・運用する際の3つの注意点
① 表面金利の条件(受取り方・途中解約)を事前に確認する
同じ年利表示であっても、「満期一括受取り」と「毎月利息受取り」で金利設定が変わります。また、満期前に中途解約すると定期預金金利ではなく普通預金金利に大幅値下げされるケースが一般的です。
② 利息にかかる源泉徴収税(税金)を考慮する
カンボジアの預金利息には源泉税(非居住者の場合は14%、居住者の場合は6%)が課税されます。手元に残る純利益は税引き後の数字になる点に注意が必要です。
③ 過去の情報(5年前の数字)で判断しない
カンボジアの金融市場は急速に変化しています。「以前7%だったから」という古い情報で判断せず、常に最新の金利動向をチェックしておくことが大切です。
まとめ:金利だけでなく「4つの指標」で総合判断を
2026年最新のカンボジア銀行金利は、同じ米ドル建ての12ヶ月定期であっても年2.25%〜4.75%と2倍以上の開きが存在します。
表面上の金利だけで一括保有するのではなく、ご自身の運用期間やリスク許容度に合わせて「利便性の高い銀行」と「高金利・資本基盤の強い銀行」を賢く組み合わせることが海外資産運用の成功法則です。
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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資
