
カンボジア不動産の税金を徹底比較|どの選択肢が資産分散に最適か?
カンボジア不動産投資を検討する富裕層・経営者の方にとって、税制の理解は出口戦略とリスク管理の要です。固定資産税や譲渡税は物件タイプやエリアによって負担が変わり、他のASEAN諸国と比較してもカンボジアならではの特徴があります。
この記事では、カンボジア不動産にかかる主要な税金を複数の比較軸で整理し、どのタイプの投資が自分に合うかを判断できる情報を提供します。プノンペンのコンドミニアム投資、他国との税制比較、保有・売却時の税負担、そして資産分散を重視する方向けの選択基準まで網羅的に解説します。
カンボジア不動産の主要な税金一覧
カンボジア不動産投資では、購入・保有・売却の各段階でそれぞれ異なる税金が発生します。まず全体像を把握しましょう。
購入時にかかる税金
譲渡税(登録税)は、不動産の所有権移転時に発生します。税率は税務当局が査定した評価額(市場価格より低い場合が多い)の4%です。慣習的に買主が負担することが多いですが、交渉次第では売主が負担する場合もあります。
カンボジア政府は不動産購入者を支援するため、一定条件(物件価格や用途等)を満たす場合に印紙税の減免措置を設けており、これらの措置は年度ごとに延長・変更されることがあります。最新の優遇措置の詳細は購入時に専門家へご確認ください。
保有期間中にかかる税金
固定資産税(Annual Property Tax)は、農地などを除く評価額1億リエル以上の不動産が対象で、(評価額×80%−1億リエル)×0.1%で計算されます。
政府の不動産評価委員会が決定する評価額は、物件の立地・面積・築年数などを基に決定され、市場価格とは異なる場合があります。
例えば、評価額10万米ドル(約1,600万円※1米ドル≒160円換算)のコンドミニアムの場合、固定資産税は年間約55米ドル(約8,800円)程度です。評価額が1億リエル(約2.5万米ドル、約400万円)以下の物件は非課税となります。
アンナアドバイザーズでは、固定資産税の納付代行サービスも提供しており、海外在住のオーナー様でも安心して保有を続けられる体制を整えています。
売却時にかかる税金
2026年1月2日付の税務総局(GDT)通達第041号により、不動産の売却または譲渡に対するキャピタルゲイン税は2027年1月1日から施行されることが公表されました。この決定は2025年12月24日付のカンボジア政府の承認に基づいています。税率は20%で、当初は2024年や2025年の施行が予定されていましたが、複数回延期されています。
キャピタルゲイン税の施行はこれまで複数回延期されており、今後さらに変更される可能性があります。断定的に「◯年から確実に課税される」とは言い切れない状況です。2026年中に売却を完了すれば個人投資家はキャピタルゲイン税を回避できる可能性が高いものの、最新の省令と専門家の助言を常に確認することが不可欠です。
比較の観点:どこを見るべきか?
カンボジア不動産投資で税負担を比較する際、以下の4つの観点が重要です。
- 物件タイプ:コンドミニアム区分所有権か、ボレイ内の長期リース物件か
- エリア:プノンペン中心部(ボンケンコン・トンレバサック)か郊外・地方か
- 保有期間:短期売却を狙うか、長期保有でインカムゲインを重視するか
- 他国との比較:タイ・ベトナムなど他のASEAN諸国との税制差
これらの軸で比較することで、自分の投資方針とリスク許容度に合った選択肢が見えてきます。
【比較表】物件タイプ別の税負担とリスク
まず、カンボジア不動産投資で主流となる物件タイプごとの税負担を比較します。
| 項目 | コンドミニアム(区分所有権) | ボレイ内長期リース(土地付き) |
|---|---|---|
| 外国人取得可否 | ○(2階以上のみ、総専有面積の70%以内) | △(リース契約による) |
| 購入時譲渡税 | 査定評価額の4% | 査定評価額の4% |
| 固定資産税(年間) | (評価額×80%−1億リエル)×0.1% | (評価額×80%−1億リエル)×0.1% |
| 売却時CGT(2027年以降) | 利益の20%(延期の可能性あり) | 利益の20%(延期の可能性あり) |
| 権利の安定性 | 高い(区分所有権は売却・相続可能) | 中程度(リース期限・更新条件に依存) |
| 賃貸需要 | 高い(外国人駐在員・富裕層向け) | 中〜高(ファミリー層・長期滞在者向け) |
| 流動性 | 高い(転売市場が形成されている) | 低〜中程度(買い手が限定的) |
外国人が取得するコンドミニアムの区分所有権は「ストラタタイトル(strata title/区分所有権)」と呼ばれ、保有・売却・相続が可能な唯一のタイトルです。一方、土地付き物件は外国人が直接取得できず、長期リース契約(50年+更新)を結ぶ形が一般的です。
税制面では大きな違いはありませんが、権利の安定性と流動性でコンドミニアム区分所有権が有利です。資産分散と出口戦略を重視するなら、コンドミニアムが選択肢の中心になります。
【比較表】プノンペン主要エリア別の税負担シミュレーション
次に、プノンペンの人気エリアごとに物件価格帯と税負担を比較します。
| エリア | ボンケンコン(BKK) | トンレバサック | チュロイチャンバー |
|---|---|---|---|
| 物件価格帯(1ベッド) | 約8万〜18万米ドル (約1,280万〜2,400万円) |
約7万〜17万米ドル (約1,120万〜1,920万円) |
約6万〜10万米ドル (約960万〜1,600万円) |
| 購入時譲渡税(10万ドル物件) | 約4,000米ドル (約64万円) |
約4,000米ドル (約64万円) |
約4,000米ドル (約64万円) |
| 年間固定資産税(10万ドル物件) | 約55米ドル (約8,800円) |
約55米ドル (約8,800円) |
約55米ドル (約8,800円) |
| 想定賃料(1ベッド/月) | 1ベッド700〜1,000米ドル、2ベッド1,100〜1,600米ドル | 1ベッド700〜1,000米ドル、2ベッド1,100〜1,600米ドル | 1ベッド600〜900米ドル、2ベッド1,000〜1,400米ドル |
| 想定表面利回り | 5〜12% | 5〜12% | 6〜10% |
| 賃貸需要 | 非常に高い(外国人・富裕層) | 高い(ビジネス層・大使館関係者) | 中〜高(ローカル富裕層・新興ファミリー) |
| 転売市場 | 活発 | 活発 | 発展途上 |
※1米ドル≒160円で換算。賃料・利回りは物件条件・管理費・空室率により変動します。
ボンケンコン(BKK)は国際学校、ショッピングセンター、飲食店が充実しており、特に外国人駐在員や投資家に人気です。不動産サービス大手の調査によると、2024年時点で平均販売価格は1㎡あたり約2,500ドル、表面利回りは約5〜8%程度とされています(管理費・空室・税金を考慮した実質利回りはこれより低くなります)。トンレバサックもビジネス中心地に近く、大使館や国際機関が集まるエリアです。
税負担はエリアによる差はほとんどなく、物件評価額で決まります。しかし、賃貸需要と転売市場の厚みで比較するとボンケンコンとトンレバサックが圧倒的に有利です。出口戦略を重視するなら、この2エリアに絞ることをお勧めします。
おすすめエリア別の取扱い物件
アンナアドバイザーズでは、ボンケンコンとトンレバサックの優良物件を厳選して取り扱っています。
<ボンケンコン>
- J-Tower 2(転売・賃貸)
- GATOタワー(プレビルド)
- De Castle Royal(転売・賃貸)
<トンレバサック>
- J-Tower 3(プレビルド)
- Skylar By Meridian(転売・賃貸)
- Embassy Residence(転売・賃貸)
これらの物件は、賃貸管理の実績があるエージェントから購入でき、完成後の管理シミュレーションを事前に確認できます。
【比較表】カンボジアと他のASEAN諸国の税制比較
カンボジアだけでなく、タイ・ベトナム・フィリピンなど他のASEAN諸国と税制を比較することも重要です。
| 項目 | カンボジア | タイ | ベトナム | フィリピン |
|---|---|---|---|---|
| 外国人の不動産取得 | ○(コンド2階以上のみ) | ○(コンド全体の49%まで) | △(制限あり) | ○(コンド全体の40%まで) |
| 通貨 | 米ドル流通 | バーツ | ドン | ペソ |
| 購入時の税金 | 譲渡税4%(査定評価額基準) | 登録費2%+特別事業税3.3%等 | 付加価値税10%等 | 譲渡税1.5%+登録費等 |
| 保有時の固定資産税 | 評価額×0.1% (控除後) |
評価額×0.02〜0.1% | 評価額×0.03〜0.15% | 評価額×最大2% |
| キャピタルゲイン税 | 20%(2027年予定、延期の可能性あり) | 所得税として課税(累進) | 譲渡価格の2% | 譲渡益の6% |
| 想定利回り | 5〜12% | 3〜6% | 5〜8% | 4〜7% |
| 市場の成熟度 | 発展途上 | 成熟 | 発展途上 | 成熟 |
※税率・制度は変更される可能性があります。最新情報は各国の専門家にご確認ください。
カンボジアの最大の特徴は米ドル建て資産を保有できることと、外国人でも区分所有権を持てることです。固定資産税も他国と比較して低率で、長期保有によるインカムゲイン戦略に向いています。
一方、タイは市場が成熟しており流動性が高い反面、税負担も複雑です。ベトナムは成長性が期待できますが、為替リスクと規制変更リスクに注意が必要です。フィリピンはリゾート需要が強い一方、キャピタルゲイン税率が比較的低めです。
資産分散を目的とするなら、各国の税制・流動性・成長性を比較し、ポートフォリオの中で役割を明確にすることが重要です。
タイプ別の向き不向き|どの投資家に合うか?
税負担と投資特性を踏まえ、どのタイプの投資家にカンボジア不動産が向いているかを整理します。
短期売却(キャピタルゲイン)重視型
向いている人:2026年中に売却を完了できる方、プレビルド物件で完成前後の値上がりを狙う方
税負担の特徴:購入時譲渡税4%は避けられませんが、2026年中に売却すればキャピタルゲイン税20%を回避できる可能性が高いです(ただし延期が繰り返されているため最新情報の確認が必須)。
注意点:2027年以降にキャピタルゲイン税が施行されると、利益の20%が課税されるため出口戦略が大きく変わります。市場の流動性とタイミングを見極める目利きが必要です。
長期保有(インカムゲイン)重視型
向いている人:米ドル建て資産で安定したインカムを得たい方、資産分散目的で10年以上保有する方
税負担の特徴:固定資産税は年間数千円〜数万円程度と非常に低く、長期保有のコスト負担は軽微です。賃料は米ドル建てで受け取れるため、為替リスクを分散できます。
注意点:賃貸管理の品質が収益に直結します。空室リスク・管理費・修繕費を考慮し、実質利回りをシミュレーションすることが重要です。アンナアドバイザーズでは賃貸付け・室内清掃・賃料回収など、一貫した不動産管理サービスを提供しています。
資産分散・リスクヘッジ型
向いている人:日本円・日本国内資産への集中リスクを分散したい経営者・富裕層
税負担の特徴:カンボジアは米ドル建て資産として保有でき、日本の円安リスクや地政学リスクをヘッジできます。税負担は他国と比較しても低めで、長期保有に適しています。
注意点:カンボジア単独ではなく、タイ・ドバイ・欧米など複数国への分散投資の一部として位置づけることが望ましいです。また、出口戦略として転売だけでなく相続や長期賃貸も視野に入れるべきです。
選び方の判断軸|税負担を踏まえた投資戦略
カンボジア不動産投資で税負担を最小化し、リターンを最大化するための判断軸をまとめます。
1. エリアは賃貸需要と流動性で選ぶ
税負担はエリアによる差がほとんどないため、ボンケンコンとトンレバサックの2大エリアを中心に検討することをお勧めします。賃貸需要が高く、転売市場も活発なため、出口戦略の選択肢が広がります。
2. 物件タイプは区分所有権(ストラタタイトル)を優先
外国人が安定的に保有・売却・相続できるのはコンドミニアムの区分所有権のみです。長期リース物件は期限や更新条件に不確実性があるため、資産分散目的なら区分所有権を選ぶべきです。
3. 専門家と連携して最新の税制変更に対応する
カンボジアの税制は整備途上であり、キャピタルゲイン税の延期や新たな優遇措置の導入など、変更が頻繁に起こります。自己判断せず、現地の法律・税務に精通した専門家と連携することが、リスク管理の鍵です。
アンナアドバイザーズでは、登記手続きのサポート、固定資産税の納付代行、売却時の出口戦略まで一貫してサポートしています。
まとめ|税負担を踏まえた賢い投資戦略を
カンボジア不動産の税制は、購入時の譲渡税4%(査定評価額基準)、保有時の固定資産税(評価額×80%−1億リエル)×0.1%、そして2027年以降に予定されるキャピタルゲイン税20%という構造です。他のASEAN諸国と比較しても、保有コストは低く、米ドル建て資産として資産分散に適しています。
特にボンケンコンやトンレバサックの区分所有権物件は、賃貸需要と転売市場の厚みで優れており、出口戦略の選択肢が豊富です。短期売却を狙うなら2026年中の売却を視野に、長期保有を目指すなら米ドル建てインカムゲインを活かす戦略が有効です。
ただし、カンボジアの税制は整備途上であり、制度変更のリスクもあります。専門家と連携し、最新情報を常に確認しながら、柔軟な投資戦略を持つことが成功の鍵です。
アンナアドバイザーズでは、物件選定から登記、固定資産税の納付代行、賃貸管理、そして売却時の出口サポートまで、一貫したサービスを提供しています。カンボジア不動産投資を通じた資産分散をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。


まずはお気軽にご相談ください。アンナアドバイザーズに無料相談する
「自分に合う銀行が分からない」「資産運用としてどう活用すべきか相談したい」「まずは話だけ聞いてみたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。カンボジアでの資産運用を、安心してスタートできるようお手伝いします。



荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資
