
カンボジアのコンドミニアム賃貸運用が注目される理由
カンボジアのコンドミニアム投資は、米ドル建て資産を保有できる数少ない投資先として、多くの日本人投資家から注目を集めています。不動産取引や賃料収入がすべて米ドルで行われるため、為替変動の影響を受けにくく、ドル資産としての分散効果を得られる点が大きな魅力です。
2025年上期の賃貸利回りは、プノンペンで概ね6〜8%のレンジ(表面利回り、物件により変動)とされており、日本国内の不動産投資と比較して高い水準が期待できます。さらに、IMFは2025年11月発表のArticle IV Consultation報告で2025年4.8%・2026年4.0%のGDP成長率と予測し、世界銀行は2026年1月時点の予測(Global Economic Prospects)で2025年4.8%・2026年4.3%・2027年5.1%としていましたが、2026年4月の改定(East Asia and Pacific Economic Update)では2026年3.9%・2027年4.9%へ下方修正されています。若年層が多く都市化が進む市場環境の中で、中長期的な資産価値の上昇も期待されています。
ただし、賃貸運用の成功にはエリアや物件選定、税制の正確な理解が欠かせません。本記事では、2026年時点の最新情報をもとに、カンボジアのコンドミニアム賃貸運用の仕組み・税金・エリア選び・注意点まで、専門家の視点から解説します。
プノンペンの賃貸市場と利回りの実態
2026年の賃貸市場概況
2025年の新規コンドミニアム供給は約3,800戸、高級帯の平均価格は2,700〜2,800USD/㎡台(CBRE等の市場調査による2025年時点の目安)という状況で、市場は高級帯から中低価格帯へのシフトが進んでいます。パンデミック前の海外投資家主導から、足元は国内実需とASEAN域内からの購入意向が増えているとされており、実際に住む人を中心とした健全な需要が戻ってきています。
物件価格は2026年時点の目安として、中心部でも1,000万円台から購入可能な物件が多いため、他の東南アジア主要都市と比べて参入ハードルが低いのが特徴です。
利回りとエリア別賃料相場
プノンペンでは、コンドミニアムの想定表面利回りは6〜8%程度とされています(物件・エリアにより変動)。ただし、エリアや物件のグレードによって賃料相場は大きく異なります。
例えば、BKK1エリアのスタジオは約600〜700USD、1ベッドルームは約700〜1,000USD、2ベッドルームは約1,100〜1,600USD程度(広さや階数、条件により変動)が目安とされており(2026年時点の市場相場、物件により変動)、外国人駐在員や富裕層向けの高級住宅地として安定した需要があります。一方で、トンレバサックエリアでは6〜8%台の表面利回りが期待でき(プノンペン中心部の平均的なレンジ)、新興エリアならではの手頃な価格帯と高利回りが魅力となっています。
実際の利回りは、管理費・空室期間・税金などで変動するため、表面利回りだけでなく実質利回りを考慮した収支シミュレーションが重要です。
賃貸運用にかかる税金と納税の仕組み
賃貸収入への源泉徴収税
カンボジアで賃貸運用を行う際に最も重要な税金が、賃貸収入に対する源泉徴収税です。カンボジアでの不動産賃貸収入にかかる源泉所得税率は、カンボジア居住者(年間183日以上滞在等の要件を満たす者)が10%、非居住者は14%と定められています。日本在住の投資家は通常、非居住者として14%の源泉徴収税が課され、この税金は賃貸管理会社やテナントが賃料支払い時に源泉徴収し、翌月20日までにカンボジア税務当局へ納付します。
賃貸運用の収支を試算する際は、源泉徴収税14%を必ず差し引いた税引後の実質利回りで計算することが重要です。アンナアドバイザーズでは、賃貸管理だけでなく固定資産税の納付代行にも対応しており、投資家の方が海外にいても安心して運用できる体制を整えています。
日本での確定申告と外国税額控除については、後述の「日本での確定申告と外国税額控除」セクションをご覧ください。
固定資産税(Annual Property Tax)
固定資産税の実効税率は非常に低く、他国と比較しても非常に低い水準です。評価額1億リエル(約2.5万米ドル)以上の不動産が対象で、(評価額×80% − 1億リエル)×0.1%の税率で課税されます。※1億リエル≈2.5万米ドル≈約375万円(1米ドル≒150円換算)
具体的な計算例を示すと、評価額10万米ドルの物件の場合、以下のように算出されます。
- 評価額:100,000米ドル
- 課税ベース:100,000米ドル×80%−25,000米ドル(1億リエル、約375万円)= 55,000米ドル
- 固定資産税:55,000米ドル×0.1% = 約55米ドル(1米ドル≒150円換算で約8,250円、年間)
このように、年間の固定資産税は数千円〜数万円程度で、保有コストは非常に抑えられます。ただし、税制は変更される可能性があるため、最新の情報は専門家に確認することをおすすめします。
日本での確定申告と外国税額控除
日本に居住しながらカンボジア不動産投資で収入を得た場合、カンボジア側で非居住者として源泉徴収税(14%)が課されますが、日本でも居住者として確定申告を行い、外国税額控除を適用することができます。この際、カンボジアで既に納税した源泉徴収税については、外国税額控除を適用可能であり、二重課税を防ぐことができます。
外国税額控除の申請は国税庁のホームページから行えますが、手続きに不安がある場合は税理士など専門家に相談することを推奨します。
将来の売却時に備える:キャピタルゲイン税の動向
カンボジアでは、不動産売却益(キャピタルゲイン)に対して一律20%の税金を課す制度(Capital Gains Tax)の導入が決定されています。当初は2024年や2025年の施行が予定されていましたが、数回の延期を経て、税務総局(GDT)の通達第041号(2026年1月2日付)により「2027年1月1日施行」へと再延期されました。
ただし、キャピタルゲイン税の施行はこれまで複数回延期されており、今後さらに変更される可能性があります。税制が頻繁に変更されるリスクを踏まえ、売却戦略は柔軟に見直していく必要があります。
長期的な賃貸運用を前提とする場合、キャピタルゲイン税の有無にかかわらず、安定したインカムゲイン(賃料収入)を重視した物件選びが重要です。
狙い目エリアと賃貸需要の見極め方
おすすめエリア:ボンケンコンとトンレバサック
プノンペンで賃貸運用を成功させるには、安定した需要が見込めるエリア選びが不可欠です。特におすすめなのが、ボンケンコン(BKK)とトンレバサックの2つのエリアです。
BKK1(Boeng Keng Kang 1)は、プノンペン中心部に位置する最も人気の高いエリアの一つで、外国人駐在員や富裕層向けの高級住宅地として知られています。高級コンドミニアム、国際的なレストラン、カフェ、インターナショナルスクール、クリニックなど生活に必要な施設が集まっており、外国人駐在員や富裕層に人気のエリアで、空室リスクが低く安定した賃貸運用が見込めます。
一方、トンレバサックは大使館エリアで、日本、タイ、マレーシア、ベトナムなど各国の大使館があり、権力者の邸宅などが立ち並ぶエリアです。両エリアは隣接しており、車やトゥクトゥクで10分圏内という利便性も魅力です。
おすすめ物件
アンナアドバイザーズでは、これらのエリアで実績のある物件を取り扱っています。
<ボンケンコン>
- J-Tower 2(転売・賃貸)
- GATOタワー(プレビルド)
- De Castle Royal(転売・賃貸)
<トンレバサック>
- J-Tower 3(プレビルド)
- Skylar By Meridian(転売・賃貸)
- Embassy Residence(転売・賃貸)
物件選びの際は、立地だけでなく、デベロッパーの信頼性・完成実績・管理体制も重要な判断材料です。個別のデベロッパー評価や物件の詳細については、お問い合わせいただいた際にご案内しております。お気軽にご相談ください。
賃貸運用の収支シミュレーション例
実際の賃貸運用でどの程度の収益が見込めるか、具体的なシミュレーションで確認してみましょう。以下は、ボンケンコンエリアの1ベッドルーム物件を想定した例です。
※このシミュレーションは好条件物件を想定した想定値であり、市場の平均的な表面利回り(6〜8%程度)とは異なります。想定賃料月900米ドルは物件グレード・立地により大きく変動します。
| 項目 | 金額(年間) |
|---|---|
| 物件価格 | 10万米ドル(約1,500万円) |
| 想定賃料 | 月900米ドル |
| 年間賃料収入(満室想定) | 10,800米ドル |
| 表面利回り | 10,800÷100,000 = 10.8% |
| 管理費・修繕積立金 | 約900米ドル(月75米ドル想定) |
| 固定資産税 | 約55米ドル |
| 源泉徴収税(非居住者14%) | 1,512米ドル |
| 税引後手取り収入 | 約8,333米ドル |
| 実質利回り | 約8.3% |
このシミュレーションは想定値であり、実際の利回りは物件・管理費・空室・税金で変動します。投資成果を保証するものではありませんので、個別の物件ごとに詳細なシミュレーションを行うことが重要です。
また、空室期間が発生した場合や、賃料相場が変動した場合の影響も考慮する必要があります。アンナアドバイザーズでは、購入前に、物件完成後を想定した賃貸管理シミュレーションをご確認いただけますので、安心して投資計画を立てることができます。
賃貸運用を成功させるための注意点
外国人が取得できる権利を正しく理解する
外国人が購入できる居住用物件は、「2階以上」「総専有面積(建物内の全専有部分の床面積合計)の70%以内」という条件を満たす区分所有建物(ストラタタイトル)のみです。外国人が取得するコンドミニアムの区分所有権は、ストラタタイトル(strata title/区分所有権)と呼ばれ、保有・売却・相続が可能な正式な権利です。ストラタタイトルは区分所有建物の専有部分の権利であり、土地の完全所有権(ハードタイトル)とは異なります。
土地付き戸建てや土地の完全所有権(ハードタイトル)は、外国人は直接取得できません。購入前に権利の種類を必ず確認しましょう。
賃貸管理の実績があるエージェントを選ぶ
賃貸運用の成否は、信頼できる賃貸管理会社の存在にかかっています。入居者の募集、賃料の回収、室内清掃、トラブル対応など、すべてを現地で対応できる体制が整っているかを事前に確認することが重要です。
賃貸管理の実績があるエージェントから購入し、完成後の管理シミュレーションを事前に確認することで、安心して運用をスタートできます。アンナアドバイザーズでは、物件の引渡しから賃貸付け、室内清掃、賃料回収、入居者トラブル対応まで一貫してサポートしておりますので、海外にいながらでも安心して賃貸運用を行えます。
インフラ整備が進むエリアを選ぶ
プノンペンでは一部エリアで雨季に道路が冠水することがありますが、インフラは年々改善されつつあり、中心地では状況は改善傾向にあるとされています。インフラ整備が進むエリアを選ぶことが重要であり、将来的な資産価値や賃貸需要にも影響します。
特にボンケンコンやトンレバサックといった中心エリアは、道路整備や公共交通機関の拡充が進んでおり、長期的な賃貸需要が見込めます。
まとめ:専門家と一緒に進めれば安心して賃貸運用できる
カンボジアのコンドミニアム賃貸運用は、米ドル建て資産の保有と高利回りを両立できる魅力的な投資先です。2026年時点では、市場は国内実需とASEAN域内の投資家を中心に回復しており、健全な需要が戻ってきています。
賃貸運用を成功させるには、税金・エリア選び・物件選定・賃貸管理体制の正確な理解が欠かせません。特に、源泉徴収税14%を含む税引後の実質利回りを考慮した収支計画、そして信頼できる現地パートナーとの連携が重要です。
アンナアドバイザーズでは、物件選定から購入手続き、登記、賃貸管理、将来的な売却サポートまで一貫してお手伝いしております。カンボジア不動産の賃貸運用に興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。専門家と一緒に進めれば、安心して投資をスタートできます。


まずはお気軽にご相談ください。アンナアドバイザーズに無料相談する
「自分に合う銀行が分からない」「資産運用としてどう活用すべきか相談したい」「まずは話だけ聞いてみたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。カンボジアでの資産運用を、安心してスタートできるようお手伝いします。



荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資
