海外不動産投資でローンは利用できる?基礎知識や具体例をご紹介

執筆者:荒木 杏奈

アンナアドバイザーズ株式会社

2022/05/02

不動産投資を行なっている方で、海外の不動産投資に興味を持たれている方もいらっしゃるでしょう。

昨今の日本は、経済成長率の低迷や人口減少などの情勢など、複数の不安な要素が多く、投資先を海外へ検討される方々も増えてきています。

そこで今回は海外不動産投資を検討される方へ向けたローンの現状などをご紹介します。

 1. 海外不動産投資はなぜ人気? 

近年海外不動産投資の人気が高まってきています。ではなぜ今、国内から海外の不動産が投資先として注目を浴びているのでしょうか。理由を複数ご紹介します。

 (1) 安く物件を購入できるから 
昨今経済成長の低迷が続く日本ですが、まだまだ大きな先進国であり、世界第3位の経済大国です。

よって、為替の影響などもあり日本では考えられない程驚くべき価格で物件を取得できる国もあります。発展途上国などを投資先に選ぶことで、国内の不動産投資よりも自己資本比率を高めた形で投資ができる可能性があります。

 (2) 人口増加が見込めるから 
人口が増加するどころか、少子高齢化により人口が減少している日本と比べて、人口がどんどん伸びてきている元気のある国に投資したい考えを持たれる方も増えてきています。

不動産投資も、借り手や買い手が付かなければ投資の回収は困難になりますので、発展途上国の将来性に期待されている投資家もいらっしゃいます。

 (3) 経済成長が見込めるから 
繰り返しになりますが、日本は経済成長率がここ数十年横ばいであり、人口も減少してきています。そのほかの先進国においても同様の傾向の国も増えてきています。

一方で、東南アジアや中南米などは経済成長や人口増の勢いも良く、不動産市場も今後も拡大していくことが見込まれております。

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 2. 海外不動産投資のローン事情 

では実際に海外の不動産へ投資を検討する際に、資金調達はどのように行えば良いのでしょうか。

仮に国内で不動産投資を行う場合、良い物件を見つけたとして、ローンを組まれる方がほとんどかと思います。ローンを組んで、自己資本比率を下げた状態でレバレッジを効かせることができるのも不動産投資のメリットだからです。

海外の不動産に投資を検討する場合について解説します。

 (1) ローンを利用できる方法はあるが、きわめて難しい 
結論からお伝えしますと、ローンを組む方法はありますが、かなり困難です。
海外の方が日本で住宅ローンを組みにくいように、私たちが海外に投資する場合も非常に高い壁があります。

その中で、融資先として考えられるのは、海外不動産投資を対象としているローンを扱う日本の金融機関でローンを組むか、海外の現地の金融機関からローンを組む方法の2パターンがあります。

国内の金融機関においては、不動産担保が必要であったり、通常よりも大きい割合の自己資本を用意しなければならなかったりするローンが多いのが現状です。
現地の金融機関でローンを組む方法もありますが、まず大前提として言語の壁もあります。 国内の金融機関から融資を受けるよりも内容の理解や、コミュニケーションに時間を要するでしょう。
もちろん外国人ということで、融資のハードルも高い為融資を受けることができる確度もかなり低くなることが予想できます。

また、現在日本は超低金利状態が続いています。基本的に海外の金融機関でローンを受ける場合金利が高くなることが多く、所有物件の収益性にも影響が出てくるでしょう。

 (2) 税法が異なる場合がある 
日本に住みながら海外の物件へ投資を行う場合は、基本的に日本の税法が適応となります。
しかし、海外の不動産に投資を行うと、日本と物件の所在国の双方で確定申告が必要になります。

購入した国に納税が必要である場合は、二国間租税条約の締結があれば、所得税から一定額の控除があります。二重課税を防ぐために設定されている措置になります。

税率は各国によって異なりますので、収支予測を立てる際にも投資先の国税法を頭に入れておく必要もあります

 (3) 為替リスクがある 
海外に物件を所有することで念頭に入れておきたいのは、為替リスクです。

国内の不動産を所有する場合は、円で物件を取得し、円で回収するので為替のリスクはありませんが、海外の不動産に投資を行う場合には、通貨の価値が変動するリスクを含んでいます

例えば、円の価値が高い「円高」時には、海外の物件を安く取得できるというメリットがあります。ただし、購入時より円高が進んでしまった場合は、仮に現地の物件価格が上がっていたとしても、売却益が見込めなくなる場合も出てきます。
よって、海外の不動産に投資を行う場合は、その国の経済動向を加味した上で投資を検討する必要があります。

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 3. 実際に融資を受ける場合の具体例 

では、実際に融資を受ける場合の具体例をご紹介していきます。
上述した通り、海外不動産投資でローンを組む場合、「国内の銀行で融資を受ける」「現地の銀行で融資を受ける」2パターンがあります。

 (1) 国内の銀行で融資を受ける場合 
日本で融資を行なっている金融機関をご紹介します。

 ① オリックス銀行「不動産担保ローン」 
国内に所有している不動産を担保にしたローンです。所有物件の所在地に縛りはありますが、投資先の国の制限がありません。

【借入金額】
1,000万円以上、2億円以下

【借入期間】
1年以上35年以下

【借入金利】
3年固定特約型:3.300%/年
5年固定特約型:3.500%/年
変動金利型:年固定特約型:3.675%/年

※出典元:オリックス銀行ホームページ

 ② SBJ銀行「海外不動産(ハワイ州ホノルル)購入ローン」 
ハワイ・ホノルル南部での物件購入に使用できるローンです。購入する不動産を担保としたローンを組むことができます。支払い金利が比較的低いです。

【借入金額】
1,000万円以上、2億円以内(10万円単位)(お借入通貨円建て)

【借入期間】
1年以上35年以内(保証会社の保証期間内)

【借入金利】
年2.80%(変動金利・保証料含む)

※出典元:SBJ銀行ホームページ

 ③ 香川銀行「有担保フリーローン 海外投資用不動産」 
カリフォルニアの物件を対象とした海外不動産投資ローンになります。購入物件を担保に融資を受けることができます。最長5年の元金据え置きにも対応しています。

【借入金額】
1案件あたり100万円以上、3億円以内(10万円単位、円建て)

【借入期間】
1年以上35年以内(5年元金据え置き期間含める)

【借入金利】
変動金利 年2.80%(当初5年固定金利特約条件付)
※保証料を含みます。
※基準金利は、毎年4月1日は10月1日に見直されます。

※出典元:株式会社日本保証ホームページ

 ④ 日本政策金融公庫「海外展開・事業用再編資金」 
政府系の日本政策金融公庫も海外不動産投資のローンがあります。ただし、事業投資に対するローンですので、物件購入目的での融資は受けることができません。融資が実現すれば低金利のローンを組むことができます。

【借入金額】
7,200万円以内(うち運転資金4,800万円)

【借入期間】
設備資金 20年以内(うち据置期間2年以内)
運転資金 7年以内(うち据置期間2年以内)

ただし、海外企業への転貸資金であって、進出国の資本規制により事業者が転貸資金を長期間にわたり回収できない場合その他真にやむを得ない事情がある場合に限り、以下のご返済期間が適用されます。

−設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内)
−運転資金 10年以内(うち据置期間5年以内)

【借入金利】
0.46〜2.9%(担保の有無、状況、条件などにより異なります)

※出典元:日本政策金融公庫ホームページ

 (2) 現地の銀行で融資を受ける場合 
現地でも日本人向けに住宅ローンという形の金融商品はあります。
しかし、国や金融機関によって基準が異なり必ずしも融資を受けられるわけではないです。

また、融資申込の際に現地でのクレヒスを照会される可能性もあります。
必要書類も多く、現地での収入証明が必要な場合もあるなど、かなり利用のハードルは高いのが現状です。

 4. まとめ 

今回は、海外不動産ローンにおける実情について解説しました。

利用のハードルは高いですが、必ずしも融資を諦めなければないことはありません。

経済の成長率や人口の将来性など、うまくいけば大きな利益を得る可能性のある投資ですので、検討するのも一つです。

執筆者:荒木 杏奈

アンナアドバイザーズ株式会社

日本とカンボジアを拠点に、国内・海外不動産業を展開。

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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資