アンナアドバイザーズ株式会社
カンボジア王国は、経済成長著しい東南アジアの中でも特に勢いのある国であり、海外不動産の投資先として非常に注目を浴びています。
その将来性は非常に魅力的であり、今後も大きく発展していくことが予測されます。
カンボジア不動産への投資は非常にオススメです。ただ、政治的な背景や発展途上国ならではの把握しておきたい様々なリスクもあります。
そこで今回はカンボジアの不動産投資のメリットやリスクについて解説していきます。
1. カンボジア王国はどんな国?
(1) カンボジア王国の基本情報
・国名:カンボジア王国
・首都:プノンペン
・人口:15.3百万人(2019年カンボジア国勢調査)
・国土面積:181,035平方キロメートル
・言語:クメール語
・在留邦人:4,216人(2019年10月時点、在留邦人数調査)
・名目GDP:約260億ドル(2020年、IMF推定値)
・通貨:リエル
世界遺産のアンコールワットには世界中から観光客が集まることでも知られています。
カンボジアは、内戦が長らく続いたという歴史的背景もあり、周辺の東南アジア諸国と比較すると経済成長が遅れてしまいました。
しかし、近年外資系企業の誘致などで急速な経済成長をしています。人口・GDP共に増加傾向であり、この勢いはこの先数年以上続くであろうと見込まれています。
(2) 高度経済成長が継続
1991年の内戦終了後国家再建がスタートし、1998年から現在に至るまで長期政権下のもと社会情勢が安定してきています。また、経済も高い成長率を維持しています。
農業メインであった産業から外資系企業の積極的な誘致により産業構造も大きく変化してきています。なんと名目GDPは年平均7%台の急成長が続いています。
カンボジアの自国通貨は「リエル」ですがメインで流通しているのは「米国ドル」です。
この背景も経済が大きく発展している要因です。また、不動産投資においても注目を浴びているポイントにもなります。
人口に関しても増加の一途を辿っているため、2050年には2,200万人を突破するという予測もあります。
国民の平均年齢も若く、24歳前後です。これからの経済成長を担っていく若年人口が多くいることも将来性への期待へ繋がっています。
2. カンボジアの不動産市場
(1) 将来性
カンボジアは長期政権の中での積極的な外資誘致により高い経済成長を続けています。産業構造としては、人件費もまだまだ安い為、縫製産業を中心としています。また、世界遺産のアンコールワットなどをスポットとした、観光産業も盛んです。
今後もこの海外企業の誘致は進行する予測が立っているため、外国人を対象とした不動産市場も伸びる可能性があります。また、首都プノンペンには人口の流入が進み、建設ラッシュ中です。よって、高い将来性が期待できる不動産市場です。
(2) 投資の対象
カンボジアでの投資の対象は、コンドミニアムの2階以上に絞られます。なぜなら、外国人では土地の所有ができないからです。さらに、床面積の70%以下でなければ所有できないため、必然的に分譲コンドミニアムが投資の対象になります。
特に都市部では、外国人向けのコンドミニアムが増加傾向にあり、家賃も相場よりも高く設定されています。
(3) 購入方法
カンボジアでの不動産の購入は基本的にプレビルド方式となります。プレビルド方式とは、着工前に物件を購入し、建設段階から進捗に合わせて分割払いを行なっていく支払い方法です。
一般的に、完成に近づくにつれて着工前よりも物件価格が上昇していく為、完成前もしくは完成後に売却することでキャピタルゲインを得ることができます。
一方で、物件完成前の段階から支払いが始まってしまう為、建設中の段階で計画が頓挫してしまうと支払ったお金は返ってきません。
着工前の売上を建設費用に充てる不動産業者も多いので、客付きのない物件が完成に至らない事も珍しくはないのです。
よって、完成まで物件の売れ行きにも注意する必要があります。
3. カンボジア不動産投資のメリット
(1) 米国ドルの使用が可能
カンボジアの自国通貨はリエルですが、実際は市場の90%ほどアメリカドルが流通しています。買い物はもちろん、家賃の支払いにもドルが使われる場合がほとんどですので、アメリカドルでの家賃収入を得ることができます。基軸通貨で収入を得ることができるのは利点と言えます。
(2) 外国人でも銀行口座が開設可能
カンボジアでは外国人でも口座開設が可能な銀行が多くあります。特にカンボジアの銀行は定期預金でも高い金利がつくので、家賃収入をそのまま銀行で運用するという投資も検討できます。日本に住みながらも口座の開設ができるのは、利便性も高く大きなメリットです。
(3) 高い将来性
上述した高い経済成長率自体が大きなメリットと考えられます。今後もこの経済成長率は継続する見込みであり、海外不動産の投資先として重要なポイントを満たしています。
また、人口も増加傾向であり、不動産需要も拡大傾向にあることから、日本国内の市場よりもより大きな恩恵を得ることができる可能性を秘めています。
4. カンボジア不動産投資で覚えておきたいリスク
(1) 法令のリスク
1993年までの内戦後、カンボジアは各国の支援のもと法整備が行われてきましたが、まだまだ100%実運用できていないという声も見かけます。
特に、内戦時に法律に関する資料などがなくなっている事例も多く、権利書や登記書のない土地が依然として多い状況が続いています。
物件によっては土地の所有権があいまいなものも含まれている為、細心の注意が必要です。
(2) 不動産投資詐欺
カンボジアでは、日本人を対象とした不動産詐欺が発生しています。
都市部の建設ラッシュによって増加しているコンドミニアムは富裕層や外国人向けに建設されているものがほとんどであり、日本人も大口な投資元として考えられています。
日本国内では想像できないような事件もあるようです。
例えば、「売主が夜逃げし、送金後連絡がつかなくなってしまった」「サブリース契約を行なったにもかかわらず家賃の送金がない」など想定外の事件も実際に起きています。
不動産業者を入念に選定すること、契約内容などはいつも以上に細やかに目を通しておく必要があるでしょう。
(3) 発展途上国ならではのリスク
発展途上国ならではのリスクとして、高い成長率の反面、経済状況が一転する可能性も秘めているという点です。
特にカンボジアは長期にわたる独裁政権から内乱の末、近代国家化してきているという背景があります。よって東南アジアの中でも比較的新しく高度経済成長をした国です。
海外企業を数多く誘致しているという点からも、特に海外の経済情勢の影響を受けやすいため、外的要因で経済状況が一変するリスクも秘めています。
また、「賄賂社会」であるのも実情です。発展途上国に多く存在する問題ですが、法的手続きの際に賄賂を求めらるといった事例もあるようです。
このように先進国では考えられないようなリスクもありますので、注意は必要です。
5. リスクもあるが将来性が非常に魅力
今回はカンボジア不動産投資についてメリット・デメリットなどを解説しました。
発展途上国ならではのリスクや懸念点はありますが、その高い将来性は海外不動産の投資先として非常に魅力的です。
入念にリスクを回避しながら投資を行うことで、高いインカムゲイン・キャピタルゲインを狙うことができます。キャッシュを豊富にお持ちの方や、余剰資金がありある程度のリスクを許容できる方に非常にオススメです。
執筆者:荒木 杏奈
アンナアドバイザーズ株式会社
日本とカンボジアを拠点に、国内・海外不動産業を展開。
PickUP
荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資