カンボジア投資のリスクとは?

執筆者:荒木 杏奈

アンナアドバイザーズ株式会社

2021/04/14

海外不動産投資の中でも、投資先としてはまだメジャーではない「カンボジア」で不動産投資をする場合の注意点についてご案内いたします。

▼カンボジア投資3つのリスクとは?

リスク1:仲介リスク

日本で不動産投資をする際にも、優秀なエージェントとの出会いが重要と言われているように、自分の知らない国で不動産を買うとなると、現地に詳しいエージェントや不動産仲介会社の協力が必要不可欠です。

さらに、日本人スタッフが常駐し対応している仲介会社を選ぶと、きめ細かな対応で日本流に相談ができるので安心でしょう。

リスク2:プレビルドに注意

プレビルドとは、完成前の物件のことです。
日本でも分譲マンションなどは完成前の物件を購入する「青田売り」がほとんどなのですが、支払いの発生時期が異なります。
日本では、完成後に支払いをするのに対し、カンボジアのプレビルドで物件を購入する場合、工事の進捗に応じて支払いが発生します。

プレビルドで物件を購入する際のメリットとして、価格が安く、値上がりの可能性が高い点が魅力ですが、一方で物件の建設が完了しない場合は、頭金や中間金が戻ってこないリスクがあります。
カンボジアの不動産市場は、まだ法整備がしっかりと整っておらず、中小規模の経験が少なく小さなディベロッパーの開発案件の場合、資金繰りの悪化などにより工事が中止される可能性が考えられます。

そのため、信頼できる大手ディベロッパーの開発物件を選ぶことが非常に重要なポイントになります。

リスク3:視察・物件チェック

外国の不動産を買うわけですから、現地を視察する手順はおろそかにできません。
海外不動産投資のミクロ分析として、一度は現地に足を運ぶべきというのは、リスク1で書いた「エージェントの問題」も大きく絡んできます。
視察ツアーでは、物件の良し悪しをチェックするのはもちろん大事ですが、信頼できる人たちかどうか、実際に会って自分の目で確かめましょう。

また、リスク2で書いたように、カンボジアの新築物件の多くがプレビルドです。
物件のチェックをしようと、プノンペンまで出かけても実際に目にできるのは完成模型程度ということもあり得ます。
むしろ、物件所在地を確認して立地上のメリットなどの情報を集めたり、街の発展状況を知ることに主眼を置くべきです。
不動産の価値は物件そのもの以上に立地に大きく左右されます。たとえ実物が見られなくても現地で周辺環境を肌で感じることで、日本で渡される厚い資料の何十倍もの情報が得られるのです。

もちろん、良心的な業者であれば、建築途中の工事現場の視察もセッティングし、完成後は見ることのできない骨組みや施工の様子を確認できるようにしますし、以前、同じディベロッパーが手がけた別の物件の見学などを手配するでしょう。
現在のコロナ禍では、渡航が難しい状況ですので、オンラインセミナー(ウェビナー)で現地の物件や様子を中継で見ることも可能です。
弊社では毎週開催していますので、チェックしてみてください。

▼まとめ

海外では、日本国内不動産を購入するときのように誰でもどんな物件でも購入が出来るというわけではありません。
海外不動産投資初心者の方は、現地の不動産投資事情について詳しい、日本と現地に拠点を置き、日本人駐在員のいる不動産業者に頼ることが大切です。

カンボジア不動産投資に興味がある方は、ぜひいくつかのエージェントに問合せて、比較検討をしてみてください。

執筆者:荒木 杏奈

アンナアドバイザーズ株式会社

日本とカンボジアを拠点に、国内・海外不動産業を展開。

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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

宅地建物取引士 / 1984年生まれ、東京都出身。
大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。
2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。

著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資