アンナアドバイザーズ株式会社
「投資といってもいろいろありすぎてわからない…」
これから投資を始めようとする投資初心者が必ずぶつかる壁がこれです。
初心者向きとされている投資信託だけでも5000種類以上あり、個別株、不動産、金などの貴金属、海外通貨など無数の投資商品、さらに長期投資、デイトレードなどの投資手法も含めると、投資の選択肢は無数に存在するため、何を選んでいいのかわからなくなるのも無理はありません。とはいえ、わからないからと諦めてしまっては先には進めませんし、適当に選んでしまっては思わぬ損失を出してしまうかもしれません。
そこで今回は、投資を始めてみようという人が自分にはどういう投資方法が合うのかを考える上で知っておきたい3つのポイントを解説していきます。これら3つのポイントを学ぶことで、投資への視野を広げていきましょう。
1. 自分の性格に合った投資を選ぼう
投資を始めようとしたとき重要になるのが、自分に合った投資商品を選ぶことです。
基準になるのは、投資に回せる資金がいくらなのか、どれくらいのリターンを得たいのかというのも考えなければいけませんが、意外に見落としがちなのが、自分の性格です。
「え!? 投資商品を選ぶときに性格って関係あるの?」
と疑問に思う方もいると思いますが、投資は市場の動向によって値上がりしたり、値下がりしたりするため、そのときにどういう行動に出るかというパーソナリティは非常に常用な要素と言えるのです。
1-1. おおらかな性格であれば・・・
物事にあまり動じないおおらかな人は、長期的な投資に向いている傾向があります。自分でしっかりと考えて長期的に見て値上がりが期待できると判断した商品を長い期間にわたって保有しつづけることができ、結果としてきちんと利益が出ているというような投資のやり方です。結果が出るまでには時間がかかってしまうこともあるかもしれませんが、日々変わる市場の値動きを見て一喜一憂して市場に振り回されてしまい、大きな損失を出したり、大きな利益を逃すというようなことも少ないでしょう。
1-2. せっかちな性格であれば・・・
投資を始めたら早く結果を出したい、日々の値動きが気になって仕方がないというせっかちさんは、短期投資が向いています。中でもデイトレードのような、分単位で変わる値動きを見ながら売買を繰り返す投資は、せっかちさんにはピッタリと言えるでしょう。さまざまなものに興味を持ち、重要な場面で迷わず決断を下すことのできるせっかちな性格は短期投資にぴったりなのです。
1-3. 面倒くさがりな性格であれば・・・
投資を始めたいけど、情報を集めたり・投資の勉強をしたりするのは面倒くさいという人も中にはいるでしょう。そんなあなたにおすすめなのは、長期積立投資です。積立投資は、毎月決まった日に口座からお金が引かれて、株や投資信託、金などの貴金属を買い付けてくれるという仕組みです。口座にお金をいれておけば、自動的に投資を行ってくれるので、面倒くさがりさんにはピッタリの投資ではないでしょうか。
皆さんも1度自分の性格を考えてみましょう。落ち着いて投資に取り組める人と即断即決が得意な人とでは、向いている投資商品や投資手法が異なります。心配性の人が値動きの激しい投資商品に手を出したら、投資のことが頭から離れなくなり他のことが一切手に付かないという事態にもなりかねません。しっかりと自分の性格を把握して、自分に合った投資を実践しましょう。
ここでは、3つの性格タイプを例えに出しましたが、どんな性格であってもやってはいけないことがあります。それは、余剰資産以上のお金を投資に回してしまうこと。一発当てようなどど、生活に必要なお金まで投資に回してしまうようなやり方はもはやギャンブルと変わりません。そうなると、どんな性格であっても判断を見誤り身を滅ぼすことにつながりかねません。投資は必ず余剰資産の中でおこなうようにしましょう。
2. 国内投資と海外投資、どっちにする?
投資初心者の方の中には、日本は経済が安定しているから安全な投資先と考えている方もいるのではないでしょうか。たしかに、海外に投資すると為替などの知識も必要になってくるので、心理的ハードルが高くなります。しかし、実は資産を国内だけにまとめて持っておくのは、あまりおすすめしません。
2-1. 先の読めない国内投資
日本国内への投資だと海外の投資と違ってニュースや新聞などで簡単に情報収集をおこなうことができます。また、日本は先進国ということもあり、経済面で安定しているというのは大きなメリットでしょう。しかし、日本に投資をすることは本当にリスクが小さいのでしょうか。
日本は地震大国と言われるほど頻繁に地震が起こります。地震のリスクを考え、国内の不動産投資を躊躇してしまう人がいるほどです。また、少子高齢化が進んでいるため今後日本のGDPは低下していくのではないかとみている専門家の方も多くいます。そういう意味では日本へ投資することが必ずしもリスクが小さいとは言えないということはしっかり考えて運用していくようにしましょう。
日本にもカントリーリスクはあります。国内だけに資産を置いておくのではなく、「居住」「財産」を切り分けて、それぞれ最適な国に移していく、という戦略も必要です
▶︎国外の分散投資を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
2-2. 国ごとに異なる海外投資
これまで外国の企業への投資や外国通貨の保有にはさまざまな規制がありましたが近年、規制緩和が進んできているため、海外への投資がしやすくなってきています。海外投資をする上で考えないといけないのは、どこの国の商品に投資するかということです。投資先の国は大きく先進国と新興国に分けることができます。
安定した投資をしたいなら、先進国への投資を検討しましょう。先進国の多くは政治的に安定しており、金融システムや法務も整備されています。そのため、急激な経済成長は見込めないものの堅実な伸びは期待できるのです。
多少リスクを取ってでもリターンの大きな投資をしたいと考えている方は、新興国への投資を検討しましょう。新興国はこれからの経済発展が期待されています。インフラを整えるために積極的に投資がおこなわれたり、人口も若年層の比率が高い国が多いため、内需も増加していくでしょう。こうした強みを背景に新興国が成長を果たせば、投資した商品が大幅に値上がりすることも期待できます。ただし、一方で政治的な安定性が低かったり、法務などの整備が遅れていることは懸念点となります。万が一、クーデターや内戦などの政変が起これば、経済が成長するどころか急落してしまう可能性もあります。
このように、国ごとの特徴をつかんで自分の考え方に合った国に投資をすることが大切です。
3. 考えすぎずに始めてみよう
投資初心者の人の中には心配で、投資について完璧に理解しないと始められないという人もいます。ですが、その考え方は間違いというわけではありませんが、正しいとも言えません。例えば車を運転するのに車のシステムをすべて知らなくても運転できるように、投資も経済の見方や商品の特性、様々な投資手法など、すべてを学ぶ必要はありません。
とはいえ、運転のように「信号を見る」などの最低限のルールを知らないと事故を起こしてしまうので、まずどのような投資商品があるのか、そして株式を選ぶなら株式の、投資信託を選ぶなら投資信託の、不動産を選ぶなら不動産のといったように、選んだ投資商品の最低限必要な知識は備えておく必要はあります。
投資は、実際に運用をする中で多くの学びが得ることができます。なので、考えすぎずに始めてみるというのも早く投資で稼げるようになる重要な要素だと思います。投資商品に関する知識を完璧に身につけたからといって、投資に成功するとは限りません。「投資するために最低限必要な知識」を参考にして、小さくでも構いませんから始めてみてはいかがでしょうか。
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執筆者:荒木 杏奈
アンナアドバイザーズ株式会社
日本とカンボジアを拠点に、国内・海外不動産業を展開。
PickUP
荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資