資産運用を理解して投資への一歩を踏み出そう!

執筆者:荒木 杏奈

アンナアドバイザーズ株式会社

2021/04/26

「資産運用」や「投資」という言葉にどんなイメージを持っていますか?
将来のお金について不安を抱えつつも、実際に資産運用や投資をすることに踏み切れていない人にとっては、

「よくわからないし、難しそう…」
「損をしそうで怖い…」

など、マイナスのイメージをお持ちなのではないでしょうか。よくわからないもの、ましてやお金が関係するものですから警戒するのは当たり前です。

そこで今回は、将来に備えてなにか対策をしなければと思いつつも一歩踏み出せていない人に向けて、資産運用や投資についてわかりやすく解説していきます。誰でも最初は初心者です! 少しずつ資産運用に対する理解を深めてはじめの一歩を踏み出しましょう。

 

 1. 資産運用とはどんなもの? 

資産運用とは、持っている資産を管理・運用して、利益を得ることです。資産運用と聞くと、株式やFXなどの投資をイメージする方が多いかもしれませんが、実は定期預金も資産運用の1つです。定期預金も資産運用だとわかると、資産運用が身近なものに感じるのではないでしょうか。

 

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資産運用には様々なものがありますが、大きく分けると、貯蓄型資産運用と投資型資産運用の2つがあります。

 

 1-1. 貯蓄型資産運用 

貯蓄型資産運用とは、利率は低いが元本を確保しやすい商品に投資することです。銀行への普通預金や定期預金、貯蓄型の保険商品、外貨預金などが分類されます。リスクが低い代わりにリターンも少ないのが特徴です。名前からもわかる通り、資産を増やすというよりも貯蓄することを目的とした運用形態になります。リスクを最小限に抑えながら老後に備えたい方や子どもの将来の教育費を堅実に貯めたいという方におすすめです。

 

 1-2. 投資型資産運用 
投資型資産運用とは、リターンが見込めるものの、その分リスクもある商品に投資をすることです。株式や投資信託、債券、FX、不動産投資など、どの金融商品に投資するかでリスクやリターンの大きさは変わりますが、一番の特徴は元本保証されている金融商品が少ないことです。主に資産を増やすことを目的とした運用形態になります。多少のリスクを抱えてもリターンを狙いたいという方におすすめです。

貯蓄型資産運用である定期預金や保険なども銀行や保険会社が倒産してしまう可能性を考えるとリスクはゼロとは言えませんが、ここで重要なことは、大きなリターンを求めればその分リスクも高くなる、つまりリスクとリターンは正比例の関係にあるというのが資産運用の原則だということです。このことをしっかりと理解して、今の自分に必要な資産運用の方法を選ぶことが大切です。

 2. 資産について理解しよう! 

では、続いて資産運用の“資産”について見ていきましょう。運用できる資産は金融資産と実物資産に分けられます。それぞれまったく異なった特徴をもっています。

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 2-1. 金融資産とは? 
金融資産とは、「実体」を持たず目に見えない資産のことを指します。
お金や株式、債券などが金融資産に含まれます。

金融資産のメリット
・流動性が高い
金融資産は、資産を現金に換金しやすい(流動性が高い)という特徴があります。普通預金でしたら、当日引き出すことも可能ですし、投資信託も解約の注文を出してから数日程度で換金できます。また、株式も銘柄の取引量にもよりますが、基本的には取引が即日で成立します。

・少額から投資ができる
金融資産を使った投資は少額から始められます。株式は数万円、数十万円で購入できるものもあれば、なかには数百円から購入できるものもあります。債券や国債なども数万円から購入することが可能です。手軽にはじめることができるため金融資産への投資は投資の入り口として最適です。

・分散投資しやすい
資産運用をする場合、1つの資産に集中させるとリスクが高くなります。そのためさまざまな資産に分散して投資する「分散投資」という方法が資産運用の鉄則と言えます。金融資産は少額投資が可能なため、いくつかの資産に分散して投資をおこなうことができます。

分散投資について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
「資産運用の鉄則!分散投資で賢くリスクヘッジをしよう」

デメリット
・価格の変動が大きい
金融資産の中で、株式や投資信託は経済動向の影響を受けやすく、毎日のように価格が変動します。リーマンショックのような経済に大きなインパクトをもたらす出来事があると、短期間で暴落する可能性があり、リスクが高いことがデメリットとして挙げられます。購入したあとも企業や経済の動向などを注視しておく必要があります。

 2-2. 実物資産とは? 
実物資産とは、形があって、それ自体に価値のある資産のことを指します。マンションなどの不動産、金やプラチナ、絵画などが実物資産に含まれます。

実物資産のメリット
・長期運用がしやすい
実物資産は普遍的な価値を持っているため、価格の変動が少ないです。そのため、長期的な運用が実施しやすいという特徴があります。

・急落するリスクが金融資産と比べて少ない
実物資産は希少性と世界共通の価値があるため、一定の需要があります。そのため、経済状況が悪くなったり、信用不安が起こったりした場合でも価格へ大きく影響することはなく、価格下落のリスクは、金融資産と比べて限定的であると言えます。資産がまるごとなくならない限り、価値もゼロになることはないため、実物資産は「安定資産」という名称で呼ばれることもあります。

・インフレに強い
インフレとは、世の中にあるモノの価値が上がる状態を指します。物の価値が上がれば、相対的に金融資産の価値は下がります。一方、実物資産は世の中の物価上昇とともに価格も上がっていくため、現物資産はインフレ対策としても活用できます。

実物資産のデメリット
・流動性が低い
実物資産は、金融資産と比較して売却まで時間がかかる傾向があります。特に不動産を売却する際には、不動産会社を通じて購入希望者を見つける必要があり、短期間で換金できない点に注意が必要です。また、実物資産は金融資産と比べて急落するリスクは少ないものの、地震・火事・豪雨・ハリケーン・戦争など予見できない天災により、実物資産が倒壊や破損されてしまうと、価値はゼロに近くリスクがあることは覚えておきましょう。

 3. さまざまな資産運用 

資産運用の方法は多様にあるため、ここでは有名なものをいくつか紹介します。

【株式投資】
企業が発行する株式を証券会社を通じて取引し、売買したときの価格差で利益を上げる資産運用方法を指します。基本的には、株式が安い時に購入し、高い時に売ることにより利益をあげます。他にも株式を保有することで得られる配当金や株主優待などによる利益もあります。証券会社への口座開設から取引まですべてインターネットでおこなえるため、初心者にも始めやすいと言えるでしょう。

投資信託
投資信託は、ファンドとも呼ばれ、投資家から集めたまとまったお金を運用のプロであるファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用し、投資家は、ファンドが得た利益から分配金を受け取る資産運用方法です。

一言で投資信託といっても、1万種類以上の商品があり、その中から自分にあった投資信託を選んでいくことになります。運用をプロに任せることができる点、また少額の資金で始められ、リスクの分散が比較的容易にできることから資産運用初心者にも人気です。株式と同じようにインターネットですべての手続きをおこなうことができます。

不動産投資
不動産を売買し、その売却益を得たり、購入した不動産を賃貸に出すことで家賃収入を得る資産運用方法です。賃貸に出すと、空室にならない限りずっと家賃収入が得られる上に、所有している不動産の価値が高まれば売却をして大きな利益を得ることも可能です。不動産の購入には一定の資金が必要ですが、金融機関からの借り入れを活用して、多くのサラリーマン大家が誕生しています。不動産は長い間、運用が子どもや孫の代まで「安定した収入」が得られる可能性があります。

外貨預金
利息の高い海外の金融機関に、日本円以外の通貨で預金を行い、利息で資産を増やす方法です。国内の銀行に預金をするよりも利息が高いため、着実に利息が積み上がり、外貨預金が増えていく資産運用になります。ただし、海外の通貨を円に両替するときの為替レートに注意が必要です。円を外貨に換えたときのレートよりも低いレートで外貨から円に戻すと、せっかく積み上げた利息分が為替差益によって吹っ飛んでしまう可能性があります。

 4. まとめ 

いかがでしたでしょうか。資産運用について知ることでイメージが変わったのではないでしょうか。人生100年時代と言われ、年金不安も叫ばれる昨今、資産運用を理解してお金にも働いてもらうことは将来の安心にもつながります。ぜひ、自分に適した運用方法を見つけ、資産形成をしていきましょう。

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執筆者:荒木 杏奈

アンナアドバイザーズ株式会社

日本とカンボジアを拠点に、国内・海外不動産業を展開。

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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資