執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

カンボジアはGDP成長率が上昇し続けており、投資家からの関心が高まっているとともに、外国企業の進出先としても注目を集めています。
日系企業も1,200社以上がカンボジアに進出しているほか、世界各地からの企業参入が相次いでいます。
事業を展開するうえで、拠点となるオフィス物件の選定は非常に重要です。
今回は、カンボジアで契約できるオフィスの種類や、価格相場などについて詳しく解説します。
おすすめのオフィス物件もご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
- カンボジアは外国企業の進出先としても人気
- 外国企業がカンボジアでビジネスを展開しやすい5つの理由
- 外国企業がカンボジアでビジネスを展開する際の注意点3つ
- 外国企業のカンボジアでの会社形態は非公開有限責任会社がおすすめ
- 外国企業はカンボジアで現地法人を設立するのが一般的
- 外国企業のカンボジア会社設立に必要な初期費用の目安
- 外国企業がカンボジアで会社を設立するための手順
- カンボジアの会社設立には場合によりライセンスが必要
- カンボジアのオフィス物件は大きく分けて3通り
- 目的別にみるカンボジアのオフィス物件相場
- カンボジアのオフィス用物件はプノンペンがおすすめ
- プノンペンのおすすめ事業用物件5選
- カンボジア進出時には法人口座・個人口座の両方を開設するのがベスト
- アンナアドバイザーズは企業の現地進出をトータルコーディネート
- まとめ
カンボジアは外国企業の進出先としても人気
カンボジアは経済成長が著しく、国内のビジネスが活性化しています。
カンボジアの好調な経済状況に魅力を感じる外国企業は多く、海外拠点としてカンボジアを選ぶ企業も増えています。
JETROの調査によると、2022年時点でカンボジアに進出した日系企業は1,290社で、業種の内訳は以下の通りです。
- サービス業614社(47.6%)
- 貿易業250社(19.4%)
- 建設・不動産業152社(11.8%)
- 製造業90社(7.0%)
出典:JETROビジネス短信「約1,300社の日系企業が事業を継続、サービス業が最多(カンボジア) 2022年5月11日
イオン・トヨタなどの著名な企業もカンボジアに進出しており、資本力の高い海外企業の参入によってビジネス環境はより活発になっています。
また、カンボジアで起業する事業家も増えており、起業家を育成するための環境が整っているのも特待です。
カンボジアでの起業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
外国企業がカンボジアでビジネスを展開しやすい5つの理由
外国企業がカンボジアでビジネスを展開しやすいのには、いくつかの理由があります。
ここでは、カンボジアがビジネスに適している理由を5つご紹介します。
若年層が多く長期間にわたる豊富な労働力が期待できるため
以下のグラフが示すように、カンボジアの人口構成は生産年齢人口(15〜64歳)が多くを占めています。

特に若年層の割合が多く、将来にわたって豊富な労働力を確保しやすい状況です。
人件費についても、近年は上昇傾向であるものの、周辺国よりも安い水準である点も大きな魅力といえます。
政府が外資を積極的に誘致しているため
カンボジア政府はフン・マネット首相のもと、外資を積極的に誘致するための政策を執っています。
カンボジアには複数の経済特区があり、区域内の企業には税金を減免するなどの優遇措置が設けられています。
周辺国と各国専用の経済特区構想が進んでおり、日本とも2023年末から2024年初頭にかけて、岸田文雄元首相との間で経済特区構想が発表されました。
カンボジア政府の活発な対外政策や税制上の優遇措置は、外国企業の進出を後押しする大きな要因になっています。
南部経済回廊に位置しており地理的に優位なため
カンボジアは南部経済回廊に位置しているという地理的要因から、ビジネスを展開しやすい環境にあります。
南部経済回廊とは、国境をまたいでインドシナ半島南部を結ぶ巨大な幹線道路で、タイやベトナムといった隣国ともスムーズに行き来が可能です。
タイやベトナムも経済状況が好調でビジネスの拠点としてのニーズが高く、両国の中間点に位置するカンボジアは地理的要因からも重要視されています。
会社設立手続きにかかる費用が比較的安価なため
後述するように、カンボジアでの会社設立にかかる費用は約17〜22万円(1USD=150円で計算)と比較的安価なのが特徴です。
会社設立時の費用が安いため、小資本で会社を設立できたり、会社設立後の資金を温存しやすくなったりします。
また、外国企業がカンボジアで会社を設立するための資本金の出資比率は、外国企業100%に設定することが可能です。
カンボジア国内の資本を必要とせずに会社を設立できるため、資本金の構成を気にせずスムーズに会社を設立しやすいというメリットもあります。
税金が安く事業への負担が少ないため
カンボジア国内の企業に対する法人税は原則として20%で、日本の23.2%よりも低い税率です。
個人の所得税は日本が5〜45%であるのに対し、カンボジアは0〜20%と、法人税と同様に低く設定されています。
特に売り上げの高い企業や高所得者ほど低税率の恩恵を受けやすいのが特徴です。
日本と比較した際の税金の安さは海外移住や海外進出の原因になることがあり、同様の理由からカンボジアは有力な選択肢のひとつとなっています。
外国企業がカンボジアでビジネスを展開する際の注意点3つ
外国企業がカンボジアでビジネスを展開する際、注意すべき点がいくつかあります。
ここでは外国企業がカンボジアで事業展開するうえで注意すべき点を3つご紹介します。
周辺国よりも電力の供給力に不安がある
カンボジアは周辺国と比較してインフラの整備が十分とはいえず、特に電力供給の脆弱性が指摘されています。
カンボジアは自国の発電量だけでは国内の電力需要に対応できないため、電力の多くをタイやベトナムからの輸入に頼っています。
電気代に輸入コストが加算されるうえ、特に発電所から離れた都市部ほど電気代が高くなりがちです。
また、送電網の整備も不十分なため、停電が起こりやすいというデメリットもあります。
外国企業が購入できる物件に制限がある
カンボジアでは外国人の経済活動を促進する一方で、外国人が購入できる不動産には以下のように制限を設けています。
- 外国人は2010年以降に竣工した建物しか購入できない
- 外国人アパート・コンドミニアムの区分または事業用物件しか購入できない
- 外国人は建物の2階以上の部分しか購入できない
- 1棟の建物で外国人が購入できる割合は全面積の70%以下(ほかの外国人・外国法人との合算)
- 外国人は国境から30km以上離れた建物しか購入できない
希望に見合った物件でも、制限に該当する場合は購入できないので注意しましょう。
入居したい物件が外国人でも購入できるかどうかは、不動産仲介業者を経由して確認するのが確実です。
多くのカンボジア人に独特の特性がある
カンボジア人はフレンドリーで親切な一方で、以下のように、ビジネス面ではルーズに感じやすい特性を持っています。
- 遅刻:1時間程度の遅刻は常習的で、特に悪びれる様子もない
- 欠勤:さまざまな理由で仕事を休みがちで、同じ親族の葬儀を理由に挙げるなど容認しがたいものもある
- 転職:より良い条件に飛びつきやすい傾向があり、採用から約1か月での辞職を繰り返す人物もいる
もちろん個人差はありますが、荒木自身が複数のカンボジア人社員を雇用した際に見受けられた特性です。
日本人の一般的なビジネスリテラシーからは受け入れにくい側面があり、日本人社員との軋轢が生じる可能性があります。


外国企業のカンボジアでの会社形態は非公開有限責任会社がおすすめ
外国企業がカンボジアで会社を設立する際は、企業形態を非公開有限責任会社に選択するのがおすすめです。
非公開有限責任会社は株式を一般に公開せず、債務は出資資本の範囲内に留まるため、第三者が経営方針に介入しづらくリスクを低減しやすい形態です。
非公開有限責任会社の対になる公開有限責任会社は株式を証券市場に公開する形態で、資本金を募りやすい反面、株式保有比率の高い第三者の意向に経営方針を左右されがちです。
外国企業はカンボジアで現地法人を設立するのが一般的
外国企業がカンボジアで法人を設立する際、現地法人が最も多く選択されている形態です。
現地法人は幅広い業種や事業規模に対応しており、以下のような特徴があります。
商号 | 固有の商号を使用可能だが、既存企業の類似称号は認可されない可能性があるので注意が必要 |
資本金 | 最低1,000株で400万リエル(リエル1株が4,000リエル) ドル換算で約1,000ドル |
所在地 | カンボジア国内の住所を登記 |
取締役 | 私的有限会社は1名、公開有限会社は3名以上の自然人で国籍・居住地は不問 原則として取締役会議を3ヶ月に1回以上実施する必要あり |
責任範囲 | 有限(債務は各出資者の資本金の範囲内) |
納税 | 法人税・源泉徴収税・個人所得税・付加価値税が課税対象 |
表中の自然人とは権利や義務の主体となる個人のことで、法人の対義語として用いられます。
付加価値税とはモノやサービスにかかる税金で、日本の消費税と同様の性質を持ちます。
そのほかにも業種や事業目的に応じて、パートナーシップ構築・支店設立・外国人駐在所の設置が可能です。
カンボジアでの会社設立については、こちらでも詳しく解説しています。
外国企業のカンボジア会社設立に必要な初期費用の目安
外国企業がカンボジアで会社を設立する際は、カンボジアの各省庁で所定の手続きを行いますが、手続きにあたって費用が発生します。
カンボジアで会社を設立する際の費用は以下の通りです。
費用項目 | 金額(USD) | 管轄省庁・管轄機関 |
資本金 | 1,000~ | ー |
商号予約 | 6.25 | 商業省 |
商号登録 | 252.5 | 商業省 |
納税者登録 | 100 | 租税総局 |
パテント税登録 | 50~375 | 租税総局 |
事業所開設申告 | 30 | 労働職業訓練省 |
会社台帳登録 | 20 | 労働職業訓練省 |
従業員給与台帳登録 | 20 | 労働職業訓練省 |
銀行口座証明書 | 10 | 銀行・租税総局 |
合計 | 1,163.75~1,488.75 |
1USD=150円だと、カンボジアで会社を設立する初期費用の目安は約17〜22万円です。
会社設立にかかる費用に加えてオフィスや住宅の賃料・購入代や、オフィスで用いる什器・OA機器、場合によって内装工事費などが必要になると考えられます。
弊社では外国企業の現地進出をサポートしており、小規模な事業で約3,000〜5,000USD(1USD150円=約45万〜75万円)でオフィス用品の調達や弁護士・税理士の紹介などを承っております。
外国企業がカンボジアで会社を設立するための手順
外国企業がカンボジアで会社を設立する際は、複数の省庁に必要書類を提出しなくてはいけません。
そのほかに銀行口座の開設やオフィス所在地などを登録する必要があります。
ここでは、カンボジアでの会社設立の手順について、段階を踏まえて解説します。
現地で使用する商号を決める
カンボジアで会社を設立するにあたって、まずは会社の看板にもなる商号(企業名)を決めておきましょう。
既存企業と類似した商号は使用できない場合があるので、インターネットで検索するほか複数の候補を考えておくのも有効です。
考案した商号の使用可否は、商業省にてオンライン照会を行い、問題なければ予約が成立します。
申請にあたっては、以下のような情報の提供が求められます。
- 事業目的・事業活動 (5つを上限とする)
- 登録住所(カンボジア国内の会社住所)
- オフィスの月額賃料(賃借の場合)
- 連絡先情報(会社のemailアドレス・電話番号)
- 株式の種類・資本金額の情報
- 取締役または代表者の情報(氏名・カンボジア国内の住所・email・電話番号およびパスポートなど)
- 株主および登録株主代表者についての情報
出典: 日本貿易振興機構プノンペン事務所「カンボジア会社設立マニュアル 2021年2月(改訂版)」
商業省への照会から回答までの目安は約3〜7営業日で、予約が成立した商号は約3ヶ月有効です。
商号予約費用として、6.25USDが発生します。
オフィス・住居などの物件を検討する
カンボジアで会社を設立する際、オフィスや住居など活動の基盤となる物件を選定しておくことが重要です。
登記書類にはカンボジアの住所を記載する必要があるため、早い段階でオフィスや住居を確保しておくのも効率的です。
オフィス所在地が未定の場合、現地ホテルなどに滞在しつつ物件を探すほか、便宜的にバーチャルオフィスの住所を利用した登記もできます。
バーチャルオフィスは、自宅をオフィスとして兼用する個人事業主・フリーランスが、住所を公開したくない場合にも有力な選択肢です。
事業規模によっては、コワーキングスペースを利用することでオフィス関連の費用を抑えられます。
ただし、社員を複数人雇用する事業規模であれば、一般的なオフィスを使用するのが最も効率がよいでしょう。
会社設立手続きに必要な書類を揃える
外国企業がカンボジアで会社を設立する際は、以下のように所定の書類が必要です。
- 登録住所地の登記または賃貸借契約書
- 英語表記の定款(支店・駐在員事務所は親会社のもの)
- 取締役と株主全員のパスポートまたはクメールIDカード
- 取締役と株主全員の顔写真 (4×6cmサイズ、3ヶ月以内に撮影したもので背景は白)
- 取締役と株主代表者の就任承諾書
- 法人または親会社の登録証書(英語表記の履歴事項全部証明書)
- 法人または親会社設立の決議書(通常は取締役会議事録)
出典: 日本貿易振興機構プノンペン事務所「カンボジア会社設立マニュアル 2021年2月(改訂版)」
定款など一部の書類は英語で作成する必要があるため、語学力や法知識の面で苦労するかもしれません。
弊社ではカンボジア会社設立サポートの一環として、語学力に長けた弁護士を紹介しております。
商業省で商号を取得する
必要書類がそろった段階で商業省に必要書類をデータで送付し、書類に不備がなければ申請した商号を取得できます。
商業省から商号の取得が完了した旨がメールで送付されるほか、関連省庁にも通達がなされます。
書類受理から商号の取得までの目安期間は約2週間〜1ヶ月です。
商号の取得が成立すると、手数料の252.5USDが発生します。
租税総局で税務登録をする
商業省で商号を取得したのち、租税総局で納税に関する手続きを行います。
租税総局では以下のような情報を提示し、税務登録費用100USDが発生します。
- 会計年度
- 従業員情報(想定採用人数・想定総報酬額)
- 事業所の看板(既に設置している場合は画像を提出)
- 想定する売上金額
- パテント登録上の名義人
- 所在地不動産の固定資産情報
出典: 日本貿易振興機構プノンペン事務所「カンボジア会社設立マニュアル 2021年2月(改訂版)」
パテント税とは事業税ともいわれるもので、事業規模によって次のように税額が異なります。
- 小規模事業:約50ドル
- 中規模事業:約150ドル
- 大規模事業:約375ドル
租税総局での手続きは代表者自身が行う必要があり、顔写真の撮影や指紋の提出のほかにサインや拇印も求められます。
また、商号の取得から15日以内に手続きを完了させなくてはならないので要注意です。
登記証書や納税書が交付される
租税総局で納税に関する手続きを完了させたのちに、各省庁から以下の書類が交付されます。
- 商業省:設立証明書・社印・定款
- 租税総局:税務申告書・税務登録IDカード・パテント証明書・VAT登録証明書
VATは付加価値税を指しており、日本の消費税に該当するものです。
事業用の口座を租税総局に登録する
租税総局で納税に関する手続きを行ったのちに、カンボジア公認銀行の口座残高証明書を提出し、事業用口座を登録する必要があります。
手続きの期限は税務登録から2週間以内で、期限内に手続きをしなかった場合は税務登録が無効になるので要注意です。
カンボジアの銀行は非居住者による口座開設が可能なため、現地に渡航する前に口座を開設しておくのも効率的です。
弊社ではカンボジア現地での口座開設ツアーのほか、弊社ホームページからのお問い合わせを経由してオンラインでの口座開設も可能です。
労働職業訓練省で雇用に関する手続きをする
労働職業訓練省では、事業所の開設や従業員の雇用に関する手続きを行います。
- 事業所開設申告:事業所の開設や従業員雇用に関する申告
- 会社台帳登録:労働職業訓練省からの監査を受ける際の台帳を登録
- 従業員給与台帳登録:従業員の給与額を記載するための台帳を登録
事業所開設申告に30USD、会社台帳登録・従業員給与台帳登録にはそれぞれ20USDが発生します。
カンボジアではシステムの整備により各省庁である程度の連携がなされましたが、会社台帳登録と従業員給与登録は別個に行わなくてはならないので注意が必要です。
必要に応じて従業員を雇用する
労働職業訓練省での手続きが完了すると、従業員の雇用が可能になります。
カンボジアにも労働基準法が制定されており、雇用にあたっては以下の条件を遵守することが必要です。
- 労働時間:1日8時間以内(週48時間以内)
- 休日:原則として日曜日(週6日を超える労働は不可)
- 有給休暇:年18日(3年ごとに1日追加)
- 最低賃金:1ヶ月208ドル(製造業など、2025年より改定)
- 社会保険:会社側が全額負担し、給与額に応じた保険料を社会保険基金に納入
従業員の国籍の比率は外国人とカンボジア人を1:9以内にする必要がありますが、労働職業訓練省への申請によって例外が認められる場合があります。
外国人従業員を雇用する際は、ワークパミット(労働許可証)の取得が必要です。
カンボジアの会社設立には場合によりライセンスが必要
カンボジアで会社を設立する際は、業種によって以下のような条件を満たすライセンスの取得が求められます。
業種 | 監督省庁 | 備考 |
---|---|---|
飲食店 | 観光省 | 衛生証明書、消防・消火証明書が必要 |
ホテル・ゲストハウス | 観光省 | 消防・消火証明書が必要 |
旅行代理店 | 観光省 | 保証金の支払いが必要 |
不動産サービス業 | 経済財政省 | 無犯罪証明書の提出が必要 |
保険代理店 ブローカー業 | 経済財政省 | 無犯罪証明書の提出が必要 |
通関業 | 関税・消費税総局 | 通関に関する専門家が必要 |
運送業 | 公共事業運輸省 | トラックについても登録が必要 |
診療所・病院 | 保健省 | 代表者は要カンボジア国籍 |
実習生の海外送出事業 | 労働省 | 51%以上の株主兼代表者は要カンボジア国籍 保証金の支払いが必要 |
教育機関 | 教育・青少年・スポーツ省 | 審査あり |
出典:日本貿易振興機構プノンペン事務所「カンボジア会社設立マニュアル 2021年2月(改訂版)」
例えば不動産サービス業では、事業者の過去に犯罪行為がないことの証明がライセンス取得条件に設定されています。
ライセンスを取得しないまま事業を行うと処罰の対象になる可能性があるので、ライセンス取得の対象となる業種や条件はしっかりと確認しておきましょう。


カンボジアのオフィス物件は大きく分けて3通り
カンボジアでオフィス物件を探す場合、一般的な物件のほかにコワーキングスペースやバーチャルオフィスも選択できます。
それぞれの物件の特徴について、詳しく解説します。
事業用オフィス ・店舗| 最もスタンダードなタイプの物件
カンボジアでオフィスや店舗を探す際、不動産仲介業者を経由して物件を契約するのが最も一般的です。
オフィスを契約すると建物内の一定の区画を専有できるため、自社の都合に合わせて物件を使用しやすいのが大きなメリットです。
カンボジア不動産の価格水準は比較的安価で、50㎡程度の一般的なオフィス物件は約10〜20万円で借りることができます。
コワーキングスペース | スタートアップなどに適した物件
コワーキングスペースはオフィススペースを共有するタイプの物件で、カンボジアではプノンペンを中心に物件数が増えています。
オフィススペースを共有するほか、専用個室・コピー機・ドリンクコーナーやカフェなどが併設された物件もあります。
一通りの設備が備えられており一般的なオフィスよりも利用料金が安いことから、特に個人事業主やスタートアップなど、比較的小規模な事業に適した物件といえるでしょう。
都度利用のドロップイン式のほか、月額プランが導入されている物件もあり、月額プランのほうが利用料金も安く抑えやすいです。
ただし、第三者と設備を共有するため、一般的なオフィスよりも利便性が低くなりやすい点には注意が必要です。
バーチャルオフィス | 実物件なしで会社を登記可能
バーチャルオフィスはインターネット上で利用できる物件で、物件そのものは物理的に存在しないのが特徴です。
バーチャルオフィスに設定されている住所を会社登記に使用可能で、サービスによってはメールアドレスの取得や郵便物の転送なども行ってくれます。
リアル物件よりも賃料が格段に安く、初期費用を抑えたい場合や、登記の段階で便宜的に住所を使用したい場合に便利です。
また、自宅をオフィスとして兼用する個人事業主が住所を公開したくない場合も効果的です。
ただし、会社登記手続き後にオフィスを設置すると、住所変更手続きが必要になります。
また、物理的にオフィスが存在しないため、複数人の業務などには向かないかもしれません。
目的別にみるカンボジアのオフィス物件相場
カンボジアでオフィスを利用する際は、物件を賃貸するか購入するかを選びます。
そのほか、費用や都合に合わせてコワーキングスペースやバーチャルオフィスの利用も採り入れるとよいでしょう。
ここではそれぞれの価格相場について解説します。
賃貸 | 一般的なオフィス物件の月額賃料は約10~20万円
プノンペンのオフィス物件は50㎡程度の面積にオフィススペースとトイレが併設された構造が一般的で、月額賃料は約10〜20万円です。
築年数や付帯設備などによって価格が変動します。
プノンペンのオフィスは官公庁・ショッピングモールなどに近い物件が多いのが特徴です。
店舗を借りる際の価格相場は、50㎡程度の物件で月額約15〜30万円です。
貸倉庫の物件もプノンペン市内に複数出回っており、月額賃料の目安は約30〜45万円と高額ですが、面積が600〜1,000㎡程度とかなり広い物件が多くあります。
購入 | プノンペン周辺部のオフィス物件は平均で1,000~2,000万円台
プノンペンでオフィス物件を購入する際の価格相場は1,000〜2,000万円台です。
エアコン・トイレのほかにシャワールームが付帯している物件もあり、店舗としても利用できる物件があります。
大型オフィスは賃料が高額になりやすいですが、付帯設備やシステム関連が充実しており、入居することで自社のブランドイメージ向上も期待できます。
コワーキングスペース | 月額料金で1万円前後
プノンペン周辺のコワーキングスペースは都度利用のほか、専用のデスクをレンタルすることもできます。
プノンペンのコワーキングスペースは都度利用であれば一日約1,000円、月額プランだと約1万円の利用料が相場です。
専用個室や5〜6人で利用できるプライベートスペース・カフェなどが併設されている場合もあります。
一般的なオフィスよりも賃料を安く抑えやすいのが大きなメリットですが、館内設備は基本的に第三者と共有する点に注意が必要です。
バーチャルオフィス | 標準的なサービスが1万円程度で利用可能
プノンペンのバーチャルオフィスは月額1万円台が平均価格で、バーチャルオフィスの住所を用いて会社登記できるのが大きな特徴です。
また、バーチャルオフィスのドメインでビジネス用のメールアドレスを取得することも可能です。
そのほかにオプション料金を支払うことで、電話応対サービスや郵便物の転送、会議室の利用などもできます。
リアル物件よりも安価に会社登記ができるメリットがありますが、実際のオフィススペースは別個に確保する必要があります。
カンボジアのオフィス用物件はプノンペンがおすすめ
外国企業がカンボジアに進出する際のエリアは、オフィス・住宅の物件数が充実しているプノンペンがおすすめです。
プノンペン周辺はカンボジアの経済発展に伴って都市機能が拡大しており、ビジネスにおいても利便性の高い環境が整えられています。
また、プノンペン周辺の物件を重点的に扱っている仲介業者が多く、物件の選択肢が豊富になりやすいです。
地方は物件自体が少ないか存在しないかで、プノンペンよりも設備関連が整備されていない可能性があるので、初めての現地進出には不向きといえます。
プノンペンのおすすめ事業用物件5選
ここでは、プノンペンでおすすめの物件を5つご紹介します。
いずれの物件もハイグレードで設備も充実しており、入居することで自社のブランディングも期待できます。
フラットアイアン | 金融街に位置するホテル併設型オフィス
フラットアイアンはプノンペンシティセンターに立地するホテル併設型オフィスです。
プノンペンシティセンターは東京の霞ヶ関のような街区で、官公庁や銀行などが集中するビジネスの重要拠点です。
地上42階建ての高層物件で、ホテル・会議室・レストラン・ジム・キッズルームなどが完備されており、さまざまビジネスシーンへの配慮がなされています。
居住用区画もあり、自宅と職場の近接や出張、ゲストへの宿泊先手配など多彩な用途に対応できます。
エクスチェンジスクエア | 最新システムを導入した店舗併設型オフィス
エクスチェンジスクエアは16階建てのオフィススペースと4階建ての店舗スペースが併設されており、総面積が約18,000㎡という広大な物件です。
プノンペンの中心街に立地しており、プノンペン国際空港から約45分とアクセス面も快適です。
オフィススペースには独自の発電システムが導入されているため、停電時にもパフォーマンスを維持できるほか、セキュリティ面も充実しています。
ランドマークとなるような大型物件であるため、店舗の集客力にも大いに期待できるでしょう。
バタナックキャピタルタワー | 観光スポットとしても人気の複合型オフィス
バタナックキャピタルタワーは地上39階・高さ188mという規模を誇り、観光スポットとしても人気を集めるランドマークタワーです。
オフィススペースのほかにホテルやショッピングモールも併設されており、「ペンギン」などと形容される独特の外観も目を惹きつけます。
特にオフィススペースには欧米系や日系企業の入居が多く、ショッピングモールには高級ブランド店が並ぶなど富裕層のニーズにも対応しています。
コワーキングスペースや電気代込みのプランも導入されており、ビジネスにおいても多彩なシチュエーションで利用可能です。
サタパナ銀行タワー | 日系企業と関連性の深い銀行併設型オフィス
サタパナ銀行タワーは、地上22階・地下4階建てという規模が特徴で、カンボジア国内大手のサタパナ銀行が所有するオフィスビルです。
サタパナ銀行の前身は日系企業が筆頭株主のマルハンジャパン銀行で、2016年にカンボジアの大手金融機関と合併し、現体制が発足しました。
オフィススペースに加えてサタパナ銀行本店が設置されており、館内で銀行取引ができるため資金繰りの利便性が非常に高い点も見逃せません。
マルハングループと韓国ロッテ系列企業が合同で開発しており、世界基準Aグレードに認定されたビルです。
ビュー・アストン | 個人事業主に適したシェアオフィス併設型コンドミニアム
ビュー・アストンは地上38階建てで、居住スペースのほかに多彩な設備が併設された高級コンドミニアムです。
ホテル・シェアオフィス・会議室・レストラン・ラウンジなどさまざまな設備が付帯しており、幅広いニーズにマッチした多機能性が特徴です。
住居兼オフィスとしても利用しやすく、個人事業主・フリーランスにも適したフロア構造といえるでしょう。
メコン川・バサック川に面したロケーションや、5つのガーデンが備えられた美しい館内は住み心地も抜群です。
カンボジア進出時には法人口座・個人口座の両方を開設するのがベスト
カンボジアで会社を設立する際は、事業用口座をカンボジア国内の公認銀行で開設する必要があります。
事業でカンボジア銀行の口座が必要になりますが、カンボジアの銀行には以下のように多くのメリットがあり、弊社でも口座開設を推奨しています。
- 預金額はドル建てで保有できる
- 非居住者でも口座を開設できる(カンボジア国外に移住してもそのまま口座を保有できる)
- 定期預金の平均金利が4〜5%と非常に高い
- 海外送金に制限がない
- 日本人デスクがあるなど日本語への対応が手厚い
カンボジア移住前でも口座を開設できるため、余裕を持って準備を進めやすい点も大きなメリットです。
弊社ではカンボジア銀行口座の開設をサポートしており、現地ツアーのほかオンラインでも口座開設手続きを承ります。
カンボジアでおすすめの銀行はこちらの記事で詳しく解説しています。
アンナアドバイザーズは企業の現地進出をトータルコーディネート
弊社はカンボジアに根付いた事業を展開しており、企業の現地進出も積極的に支援しております。
事業や生活の基盤となるオフィス・住宅を仲介するほか、ご要望に応じてオフィス用品類の調達や内装工事の手配も承ります。
弁護士・税理士の紹介も可能で、言語の問題で難航しがちな登記書類の作成や、登記費用の会計処理などもカバーできるのが強みです。
カンボジアの銀行口座開設のサポート実績が豊富で、口座開設後のアフターサポートも充実しているのが特徴です。
不動産視察と銀行口座開設をセットにした現地ツアーを積極的に開催するほか、オンラインでの契約にも対応しております。
弊社自体がカンボジアで登記している経験からも、初めての海外進出や現地での起業をトータルコーディネートいたします。
まとめ
カンボジアは経済発展が著しく、外国企業の進出先やビジネスの拠点としても注目を集めています。
カンボジアのオフィス物件の価格相場は比較的安く、賃貸では約10〜20万円、購入では1,000〜2,000万円台が価格の目安です。
事業規模や資金状況によっては、コワーキングスペースやバーチャルオフィスを利用することでコストの適正化を図れる可能性があります。
カンボジアでの会社設立は初期費用が安いのが魅力的ですが、手続きの一部で対面が必須だったり、一部の書類は英語で作成する必要があったりするなど負担が大きい面もあります。
弊社では、オフィス・住宅の仲介に加えて、オフィス用品の調達や弁護士・税理士のご紹介など、企業の海外進出や現地での起業を総合的にサポート可能です。
事業で必要になるカンボジアの銀行口座開設もアフターサポート付きで承っております。
カンボジアでの会社設立のトータルコーディネートは、ぜひ弊社にご用命ください。




荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資