カンボジア不動産の利回の相場は?実例比較と高利回り・利回り保証のリスクを解説

執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

カンボジア不動産は周辺国より物件の価格相場が比較的低く、高い利回りが期待できることから、投資家からの注目を集めています。なかでも、さまざまタイプがあり建物数も多い首都プノンペンのコンドミニアムは、日本人投資家にとって有力な選択肢です。

一方で、空室の発生や管理費の負担を考慮すると、不動産サイトなどに記載された高利回りが必ず実現するとは限りません。利回り保証付き物件でも、一定期間を経過すると保証賃料が支払われなくなるリスクが存在します。

カンボジア不動産投資を検討する際は、表面利回りだけでなく実質的な収益やリスクの確認が重要です。本記事では、カンボジア不動産投資の利回り相場やプノンペン周辺の物件実例、利回り保証の注意点などを詳しく解説します。カンボジア不動産利回りの相場やリスクを正しく理解するための参考としてください。

カンボジア不動産の利回り相場は何%? 

カンボジア不動産の賃貸利回りは、物件の立地や築年数・購入価格・賃貸需要などによって大きく異なります。

プノンペンのコンドミニアムでは、表面利回り5〜10%程度が提示されている物件もみられます。ただし、提示された利回りは市場全体の平均値ではなく、物件ごとの販売価格や募集賃料などから計算した目安です。

実際の利回りは、入居率や管理費・税金・修繕費などを考慮すると低くなる場合があります。

カンボジア不動産の平均的な表面利回りの目安 

不動産投資における表面利回りとは、物件購入価格に対する年間家賃収入の割合です。

例えば、10万ドルで購入した物件から年間8,000ドルの家賃収入を得る場合、表面利回りは8%となります。

ただし、表面利回りには管理費などの運用コストや空室による損失は反映されていません。

カンボジア不動産の利回りを比較する際は、以下の違いを理解しておく必要があります。

利回りの種類内容
想定表面利回り満室時の想定年間家賃を購入価格で割った割合
実績表面利回り実際に受け取った年間家賃を購入価格で割った割合
実質利回り家賃収入から運用費用を差し引いて計算する割合
保証利回り契約に基づき一定期間の賃料などが保証される仕組みにおける利回り

特に注意すべきポイントは、投資を検討する物件の利回りが「実績」か「想定」かという点です。例えば、入居者が未定の物件でも周辺相場を参考に高額な想定利回りが提示されるケースがあります。

プノンペンのエリア別利回りの違い

プノンペンはエリアごとに物件価格や入居者の属性・賃貸需要が大きく異なります。例えば、外国人駐在員・富裕層から特に人気にあるBKK1(ボンケンコンワン)は高額家賃を期待できますが、購入価格も高くなりやすいです。

一方、トゥールコックやトンレバサックは住宅需要が相対的に高く、物件価格と賃料のバランス次第ではBKK1以上の利回りも見込めます。

プノンペンの賃貸物件は、エリアごとに大まかに以下のような特徴があります。

エリア不動産市場の特徴利回りを判断するポイント
BKK1(ボンケンコン ワン)外国人向け高級住宅が多く、カフェやレストランも多い、プノンペン中心エリア購入価格と高額賃料のバランス
Toul Kork(トゥールコーク)住宅地としての需要が高いエリア購入価格と長期入居の需要
Tonle Bassac (トンレバサック)大使館、商業施設や高級住宅が集まるエリア高級物件の賃料水準と競合供給
Koh Pich(コーピッチ/ダイヤモンドアイランド)新しい開発が進むエリア将来の供給量と入居需要

ただし同じエリア内であっても、実際の利回りは物件によって異なります。

エリアの知名度のみで選ぶのではなく、周辺物件の成約賃料や空室状況の確認が重要です。

日本とカンボジアの不動産利回りを比較 

カンボジア不動産は、日本の都市部にある投資用マンションより高い表面利回りを期待できる場合があります。ただし、法制度・管理環境・融資条件・為替リスクなどの条件が異なるため、カンボジア不動産と国内不動産の利回りを単純に比較するのは適切ではありません。

仮にカンボジアの表面利回り8%に対して日本が5%だとしても、数字のみで良し悪しは判断できません。

カンボジア不動産投資は米ドル建てで収益を得られる反面、円換算した場合の収益は為替レートに左右されます。さらに、売却時に希望価格で買い手が見つかる保証もありません。海外不動産の収益を正確に予測するためには、賃貸利回りだけでなく物件価格の変動や売却時の回収額まで含めた総合的な判断が必要です。

カンボジア不動産の利回りを実例比較

カンボジア不動産の利回りを具体的に把握するには、実際の販売価格と想定家賃を比較する方法が有効です。ここでは、プノンペンのコンドミニアムについて、アンナアドバイザーズの取り扱い物件をもとに表面利回りを算出しました。

物件名エリア階層間取り専有面積(㎡)購入価格(USD)賃料(USD/月)表面利回り
J-Tower 2(ジェイタワー ツー)BKK1高層階2BR65.00225,0001,5008.0%
Casa by Meridian(カーサ バイ メリディアン)コーピッチ(ダイヤモンドアイランド)低層階1BR39.2575,5345007.9%
Skylar By Meridian (スカイラー バイ メリディアン)トンレバサック高層階2BR83.88185,0001,2007.8%
De Castle Royal(デ キャッスル ロイヤル)BKK1高層階1BR74.24100,0006007.2%
Embassy Residences(エンバシー レジデンス)トンレバサック低層階1BR50.00121,8775004.9%

※本表は、アンナアドバイザーズが実際に取り扱った売買契約・賃貸契約・管理実績に基づく事例です(2026年11月時点)。

※表面利回りは「年間賃料 ÷ 購入価格」で計算しています。管理費・税金・空室期間などの費用は含んでいません。

※物件により、価格と賃料の契約時期が異なる場合があります。

不動産の価格や賃料は、市場の動向により常に変動します。表中の数値は過去の契約事例に基づく参考値であり、現在の価格や将来の利回りを保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。また、管理費・税金などの運用コストや空室期間を加味すると、実質利回りは表面利回りと異なる可能性がございます。

最新の価格・販売状況については、お気軽にお問い合わせください。

BKK1のコンドミニアム利回り

プノンペン中心部に位置するBKK1は、外国人駐在員や富裕層向けの高級物件の需要が高いエリアです。BKK1には飲食店や商業施設も集積しており、外国人向けの賃貸物件も多く存在します。

例えば、上の表の「J-Tower2」の募集事例では、販売価格22万5,000ドル・想定月額家賃1,500ドルで表面利回りは約8.0%です。一方、同エリアの「De Castle Royal」では販売価格10万ドル・月額家賃600ドルの事例では、表面利回りは約7.2%です。

同じエリア内であっても、購入価格や部屋条件によって利回りに差が生じます。BKK1で物件を選ぶ際は、エリアの相場に加えて部屋ごとの条件まで比較することが大切です。

トンレバサックのコンドミニアム利回り

BKK1に隣接するトンレバサックは、高級住宅や商業施設が立ち並んでおり、BKK1と同様に外国人富裕層からも人気が高いエリアです。BKK1より落ち着いた雰囲気があり、ファミリー向け物件も多くあります。

先に示した「Skylar」の募集事例では、利回りは以下のように計算できます。

  • 販売価格:18万5,000ドル
  • 想定月額家賃:1,200ドル
  • 表面利回り:約7.8%

BKK1と比較しても、物件によっては高い利回りを維持しつつ、少ない予算で投資できる点が大きなメリットです。ただし、価格の安さだけで購入を決めるのは禁物です。エリア周辺の競合物件や需要状況を確認し、想定した家賃で安定的に運用できるかを見極める必要があります。

物件価格・家賃・利回りを比較する際の注意点

上に示した物件を見ると表面利回りには約5〜8%の幅が存在しますが、利回りが高い物件ほど投資先として優れているとは限りません。

例えば、表面利回り8%の物件であっても、空室期間が長いほど家賃収入は大幅に減少します。反対に、表面利回り5%の物件でも長期間の入居者確保と低い維持費を実現できれば、安定収益を得られる可能性があります。

また、賃貸利回りには物件の売却価格が含まれていません。購入時より安い価格でしか売却できない場合、運用中の家賃収入を含めてもトータルで損失が生じる恐れがあります。カンボジア不動産投資で物件を比較する際は、利回りだけでなく入居率や管理費・建物の状態や管理体制・将来の売却益まで確認しましょう。

カンボジア不動産の表面利回りと実質利回りの違い

不動産投資で特に注意したいのが、表面利回りと実質利回りの違いです。インターネットやパンフレットに記載された物件の利回りは、管理費や空室期間などを考慮していない場合があります。実際の収益を正確に把握するには、購入後に発生する費用まで計算に含める必要があります。

表面利回りの計算方法

表面利回りは、以下のように年間の家賃収入を物件購入価格で割って算出します。

  • 表面利回り(%)= 年間想定家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100

例えば購入価格10万ドル、月額家賃約667ドルの物件を考えてみましょう。年間想定家賃収入を8,000ドルと仮定した場合、8,000÷100,000=0.08となり、表面利回りは8%です。

ただし、表面利回りの計算は、年間を通じて常に入居者が確保されている満室状態に基づいている点に注意が必要です。

実質利回りの計算方法

実質利回りは、家賃収入から必要経費や税金を差し引いて算出するもので、一般的には、以下の計算式を使用します。

  • 実質利回り(%)=(年間家賃収入 - 年間運用経費)÷(物件購入価格 + 購入時諸費用)× 100

カンボジア不動産投資にかかる経費や税金には、主に次のようなものがあります。

  • 賃貸管理費: 家賃の約10%
  • 共益費・管理費: 月額50〜100ドル程度
  • 固定資産税: 評価額1億リエル(約2.5万ドル)超の物件が課税対象で、税率は0.1%程度
  • 源泉徴収税(賃貸収入への課税): 居住者10%、非居住者14%

例えば、物件の購入価格が一定額を超えると固定資産税が発生するなど、実質利回りに影響があります。詳細な計算方法は評価基準により異なりますので、専門家にご確認ください。なお、カンボジア人が所有する都心部の更地などには未利用地税(評価額の2%)が課される場合がありますが、外国人が取得するコンドミニアム区分所有には適用されません。

カンボジア非居住者が賃貸収入を得る場合、居住者よりも高額な源泉徴収税が発生するため、税引後の実質利回りは表面利回りより低くなりやすいです。税務については制度が複雑で変更も多いため、詳細は専門家にご確認ください。

アンナアドバイザーズでは、固定資産税の納付代行や税務に関する最新情報のご提供も行っております。税制面でのご不安があれば、ぜひお問い合わせください。

表面利回り8%の物件で手元に残る収益をシミュレーション

購入価格10万ドル、年間想定家賃8,000ドルのコンドミニアムを例に考えてみましょう。満室時の表面利回りは8%ですが、空室期間や運用コストによって実際の収益は変動します。以下の表では、運用費用を家賃収入の20%と仮定して試算しました。

年間空室月数実際の年間家賃収入運用費用年間概算収益概算利回り
0か月$8,000$1,600$6,4006.40%
1か月$7,333$1,467$5,8675.87%
2か月$6,667$1,333$5,3335.33%
3か月$6,000$1,200$4,8004.80%
6か月$4,000$800$3,2003.20%

※端数は四捨五入しています。

※購入時諸費用や固定管理費・税金・修繕費は別途考慮が必要です。

年間を通して空室がない場合でも、運用費用の発生により利回りは6.4%へ低下します。さらに、年間で3か月の空室が発生すると、概算利回りは4.8%まで下がります。実際には空室時も固定費が発生するため、満室時だけでなく年間1〜3か月の空室想定が不可欠です。

カンボジア不動産投資で高利回りを期待できる3つの理由

Global Property Guideが公表した2026年第3四半期の調査では、カンボジア全体の住宅賃貸表面利回りの平均は7.81%、プノンペンのアパートメントでは平均6.64%となっています。カンボジア不動産の高い想定利回りは、海外投資家から注目を集めている大きな理由です。ここでは、カンボジア不動産投資が高い利回りを期待できる理由を3つ解説します。

①物件価格と賃貸需要の関係

不動産の利回りは、購入価格に対する家賃収入の割合によって決まります。例えば、月額家賃600ドルの物件を10万ドルで購入した場合、表面利回りは7.2%です。同一の家賃であっても、8万ドルで購入できれば利回りは9%へ上昇するため、物件の購入価格が安価なほど高い利回りを期待できます。

カンボジア不動産は物件価格が周辺国よりも比較的安価なので、高い利回りを期待しやすい状況です。

ただし、販売価格が安い物件には、相応の理由があるかもしれない点に注意が必要です。建物の老朽化や管理状態の問題・空室率の高さ・将来的な売却需要への不透明性などが価格に反映されている可能性もあります。

物件の価格のみで判断するのではなく、実際の賃貸需要と物件の質・管理体制までしっかり確認しましょう。

②米ドル建てで家賃収入を得られる

カンボジアの不動産取引では、米ドルが広く使用されています。米ドル建ての賃貸契約を結べば、多くの通貨と互換性がある米ドルで家賃収入を得られる点がメリットです。日本円以外の通貨で資産を保有したい投資家にとって、カンボジア不動産投資は資産分散の有効な選択肢となるでしょう。

一方、米ドルを用いた運用であっても為替リスク自体は消えません。例えば年間8,000ドルの家賃収入を円換算した場合、レート変動で以下のように変化します。

為替レート年間8,000ドルの円換算額
1ドル=140円112万円
1ドル=150円120万円
1ドル=160円128万円

円安下では円換算の収入は増える一方、円高になれば目減りします。さらに、物件価格の下落リスクもあるため、外資保有と不動産投資のリスクは分けて考えることが不可欠です。

③中古・完成済み物件による利回りの違い

カンボジア不動産には、大きく分けてプレビルド物件と完成済みの物件が存在します。

プレビルド物件では契約時に小額の頭金を支払い、物件の完成に応じて残金を段階的に支払うという決済方法が採られます。プレビルド物件は初期費用を抑えやすい反面、建設遅延や未竣工リスクに加えて、物件完成まで実際の賃貸運用を開始できない点にも注意が必要です。

一方の完成済み物件は建物の状態や周辺環境を確認でき、運用実績があれば実際の家賃収入を参考にした投資判断も可能です。中古物件は購入価格を抑えられるケースもあるものの、修繕費の増加や設備の老朽化を考慮する必要があります。

カンボジア不動産投資で物件を選定する際は、表面利回りだけで判断せず、運用開始時期や発生する費用まで含めて検討しましょう。

カンボジア不動産の利回り保証物件とは?

カンボジア不動産の高利回り物件を検討する際、特に注意したいのが利回り保証の仕組みです。

利回り保証の物件はGRR(Guaranteed Rental Return)ともいわれており、一般的に一定期間の賃料収入を保証する販売スキームを指します。一方、GBB(Guaranteed Buy Back) は契約によって買戻し保証などを指す場合がありますが、略称だけで保証内容を判断することはできません。利回り保証の具体的な意味や条件は、契約書で確認する必要があります。

ここでは、カンボジア不動産における利回り保証物件の特徴を解説します。

保証利回り・家賃保証の仕組み

利回り保証付き物件では、一定期間、物件価格に対する所定割合を賃料収入として支払う契約が設けられるケースがあります。例えば、購入価格10万ドルの物件に年8%の賃料保証が付く場合、年間8,000ドルの支払いが想定されます。

保証の内容は、物件ごとに異なる点に注意が必要です。実際の入居状況にかかわらず一定額を支払う契約もあれば、管理費などを差し引いた額が支払われる契約も存在します。

保証の仕組みを正しく理解せずに購入すると、想定収益と実際の受取額に差が生じるリスクがあります。

利回り保証があっても収益が確実とは限らない理由

利回り保証は、保証を提供するデベロッパーや仲介業者が確実に契約を履行できる前提に基づいて成り立つものです。保証を提供する企業の資金繰りが悪化すれば、保証額の支払いが遅延したり停止したりするほか、保証用の費用が事前に物件価格へ上乗せされているケースも考えられます。

カンボジア現地の大手ポータルサイト「realestate.com.kh」でも、利回り保証に関する契約書での権利の明確化や管理費・税金といった追加負担の確認が重要視されています。保証率の高さだけに惹かれて、安易に投資を決断することは避けましょう。

保証期間終了後の賃料と利回りに注意

利回り保証付き物件で見落としやすいポイントが、保証期間終了後の収益性です。

仮に、購入価格10万ドルで年8%の利回り保証が3年間付帯する物件Aのケースを考えてみましょう。保証期間中は年間8,000ドルを受け取れても、保証終了後の実際の家賃が月額500ドルなら年間家賃収入は6,000ドルに低下します。

仮定した収支では、物件Aの保証期間終了後の表面利回りは6%まで落ち込みます。管理費や空室期間による損失などが発生すれば実質利回りはより低くなるため、保証期間中の収益だけでなく、終了後の家賃相場や賃貸需要まで確認することが重要です。

契約前に確認したい保証条件と支払い原資

利回り保証付き物件を購入する場合、以下の表に示すような内容の事前チェックが重要です。

確認項目チェックする内容
保証主体デベロッパー・管理会社など、誰が支払いを保証するのか
保証期間何年間保証されるのか
保証利回り購入価格の何%が支払われるのか
支払い条件毎月・四半期・年払いなど支払い時期はいつか
費用負担管理費や税金などが保証額から差し引かれるか
支払い原資賃貸収入なのか、事業者の自己資金なのか
契約解除条件どのような場合に保証が終了するのか
保証終了後一般賃貸へ移行する際の管理体制と想定家賃

特に重要なポイントは、保証主体の財務状況と支払い原資です。利回り保証契約書が存在しても保証企業に支払い能力がなければ、予定収益を回収できない可能性があります。

必要に応じて、現地の仲介業者や弁護士などに契約内容の確認を依頼することも検討しましょう。アンナアドバイザーズでも「Vue Aston(ビュー アストン)」などの物件に利回り保証がございます。利回り保証物件について、より詳しい条件を知りたい方はぜひお問い合わせください。

カンボジア不動産の高利回り物件に潜む5つのリスク

カンボジア不動産には高い利回りを期待できる物件がある一方、投資前に理解しておきたいリスクも存在します。特に注意したいのは、提示された想定利回りと、実際の収益が一致するとは限らない点です。ここでは、利回りに直接影響する5つのリスクを解説します。

①保証された利回りが途中で支払われなくなるリスク

カンボジア不動産には、一定期間の家賃収入を保証する「利回り保証付き物件」があります。利回り保証物件は、「購入後3年間は年利8%を保証」というような魅力的な条件が示されていることが多いです。

ただし、不動産の利回り保証は銀行預金の元本保証とは異なり、デベロッパーや運営会社の経営状態が悪化すると契約どおりに支払われない可能性があります。さらに、保証期間終了後は収益が実際の賃貸需要に応じた金額になるため、物件によっては収益が大幅に減少するかもしれません。

利回り保証付き物件を検討する場合は、利回りの保証率だけでなくデベロッパーや管理会社の信用力・契約内容・実際の賃貸需要の精査が不可欠です。

②想定家賃より実際の賃料が低くなるリスク

インターネットやパンフレットに記載された不動産の想定家賃は、必ずしも実際の成約賃料と一致しません。

仮に、月額800ドルの賃料を想定していた物件が、実際は600ドルでしか入居者を確保できなかったケースを考えてみましょう。購入価格10万ドルの物件では、表面利回りが以下のように変化します。

月額家賃年間家賃収入表面利回り
$800$9,6009.6%
$700$8,4008.4%
$600$7,2007.2%
$500$6,0006.0%

想定家賃が200ドル下がるだけで、表面利回りは9.6%から7.2%まで下落してしまいます。物件を選定する際は、周辺の類似物件で提示されている賃料だけでなく、実際の成約賃料まで確認することが重要です。

③空室や供給過多によって収益が減少するリスク

近年のプノンペンでは、不動産市場の過熱を受けて新築コンドミニアムの供給が急速に進んできました。賃貸物件の需要量に対して供給量が多くなると、入居者確保のため家賃値下げや家具の追加・一定期間の家賃を無料にするフリーレントなどの対応が必要になりやすいです。

特に、同一エリアに類似した間取りの物件が集中的に供給された場合、賃貸物件の競合は激化しやすい傾向にあります。競合物件に入居者が流れてしまった際の空室の長期化は損失が大きく、賃料収入が途絶えても管理費などの固定費は発生し続けます。

不動産投資では想定利回りだけを重視せず、物件ごとの入居実績や周囲の競合状況を見極めることが非常に重要です。

④管理費・修繕費などで実質利回りが低下するリスク

不動産の保有期間中は、建物の維持管理費や修繕積立金・賃貸管理手数料などの維持コストが発生します。エアコンや給湯設備・家具家電などの故障時には、通常の維持コストとは別に修繕・交換費用を負担しなくてはなりません。

プールやジム・24時間警備などを完備する高級物件は入居者からの人気が高くなりやすい一方で、維持管理費が高額化しやすい傾向にあります。維持コストが高い物件は実質利回りが減少しやすく、実際の収益も予想より少なくなってしまうかもしれません。

物件の購入前に管理費の金額と負担範囲・修繕費の負担者・賃貸管理契約の条件などを細かく精査しておきましょう。

⑤売却価格の下落による損失リスク

賃貸利回りが高くても物件売却価格が下落すれば、トータルで計算した場合に損失が発生するリスクがあります。

一例として、10万ドルで購入した物件Bを5年間保有し、毎年6,000ドルの純収益を得たケースを想定してみましょう。物件Bでの5年間の累計収益は3万ドルですが、売却価格が7万ドルまで下落した場合、購入価格との差額はマイナス3万ドルです。

家賃収入と売却損益を単純合算すると収支はゼロとなり、購入・売却時の諸費用や税金を加味すればトータル収支で損失となってしまいます。不動産投資の成否は運用中の利回りにとどまらず、最終的な売却価格によって左右される点に注意しましょう。

カンボジア不動産で収益性の高い物件を選ぶ5つのポイント 

カンボジア不動産投資で安定的な収益を得るには、利回りの高さだけでなく、物件の質や賃貸需要・管理体制などを総合的に判断する必要があります。 ここでは、カンボジア不動産投資で収益性の高い物件を選ぶためのポイントを5つ解説します。

①周辺の実際の賃貸相場を確認する

物件周辺における実際の賃貸相場は、早い段階で確認しておきたい重要ポイントです。購入を検討している物件の想定家賃だけでなく、同じ物件のほかの階層や近隣で類似した物件の実際の賃貸価格まで確認しましょう。

可能であれば購入したい物件の直近の成約賃料に加え、平均入居期間や空室期間なども把握したいところです。募集賃料と成約賃料に乖離がある場合は、成約家賃を優先して収益を試算することが賢明です。

②デベロッパーの開発実績と財務状況を調べる

新築やプレビルド物件を購入する際は、デベロッパーの過去実績の確認が不可欠です。特に、カンボジアのプレビルド物件は未竣工・竣工遅延が決して珍しくないので、デベロッパーの調査は欠かせません。過去に開発した物件の完成状況や引き渡し実績・管理状態などを精査しましょう。

デベロッパーの資金調達状況や財務健全性も重要な判断基準です。購入した物件の建設が中断した場合、引き渡しの遅延だけでなく予定していた家賃収入が途絶えるリスクに直結します。

アンナアドバイザーズではプレビルド物件の仲介においてもデベロッパーの経営状態・実績を厳選にチェックして、未竣工・竣工遅延リスクに万全の対策を講じております。

③管理会社の入居者募集・運用実績を確認する

不動産投資では、購入した物件の賃貸管理の質も収益性を大きく左右します。

管理を委託する会社の入居者募集能力が低い場合、空室期間が長期化するリスクがあります。設備の故障や入居者からの問い合わせへの対応の遅れも、トラブルを引き起こす要因となりやすいです。

管理会社の質を見極めるには、募集実績や賃料回収の方法・修繕対応・物件オーナーへの連絡体制の確認が重要ポイントとなります。

【記事】日本企業の管理会社が救世主?カンボジアで「賃貸管理の質」が物件価値を決める時代へ

④利回り保証ではなく実質収益を重視する

利回り保証が付く物件であっても、詳細な保証条件によって実際の収益は変動します。保証利回りだけでなく、保証期間終了後を見据えた賃貸需要や実質利回りの確認が不可欠です。

物件を購入する前に管理費や税金・空室損失まで含めた収益シミュレーションを実施しておくことが重要です。想定より収益が低下した場合も投資を継続できるか、事前に十分検討しておきましょう。

⑤購入前に売却価格と出口戦略を検討する

不動産投資では、購入当初から将来の出口戦略を視野に入れておく必要があります。投資用物件を数十年にわたって保有し続けるといった運用方法は現実的ではないため、長期保有を前提としている場合でも、売却を想定しておきましょう。

ただし、物件自体のスペックや集客力・管理体制に問題があると買い手が見つからず、想定を下回る価格での売却を余儀なくされるリスクも存在します。物件の購入前には中古販売・成約事例に加え、売却までの所要期間や税金・手数料などの事前確認が重要です。

カンボジア不動産の利回りに関するよくある質問

カンボジア不動産の利回りで発生しやすい疑問をFAQ形式でまとめました。物件を選ぶ際の参考にしてください。

カンボジア不動産で利回り10%は実現できる?

物件の購入価格や家賃水準によっては、表面利回が10%を超えるケースも考えられます。

ただし、利回り10%が市場全体の一般的な水準とはいえません。高利回り物件ほど、割安な理由や賃料設定の妥当性・空室リスクなどの慎重な確認が不可欠です。

表面利回りが10%であっても、運用費用や空室発生により実質利回りが大きく低下するリスクがあります。不動産価格の安さだけに惑わされず、収支のバランスを多角的に検証しましょう。

利回り保証付き物件は購入しても大丈夫?

利回り保証付き物件が必ずしも危険というわけではありません。保証内容や保証を提供する会社の信用力によって、抱えるリスクは大きく異なります。契約書に記載された保証期間・支払い条件・保証期間終了後の賃貸条件などの精査が不可欠です。

利回り保証期間中の収益性にとどまらず、保証終了後も継続して賃貸需要を確保できるか見極めましょう。

新築と中古ではどちらの利回りが高い?

新築と中古のどちらが高利回りになるかは、購入価格や賃料設定・建物の管理状態によって異なります。

中古物件は取得費用を抑えやすく、結果として表面利回りが高く算出されるケースが多いです。ただし築年数の経過に伴い、将来的な修繕費用の増大や設備老朽化リスクへの配慮を要します。

新築物件は設備面での訴求力が魅力ですが、購入価格が高額化すると利回りは低下しやすい傾向にあります。

利回りが高くても売却できないことはある?

賃貸利回りが高い物件であっても、売却時に買い手が見つからないリスクは存在します。

建物の管理状態が不十分な物件や、周辺に競合物件が乱立するエリアでは売却価格が下落しやすいです。さらに、高利回りの要因が購入価格の下落や賃貸需要の衰退に由来するケースも考えられます。

物件を購入する際は表面的な家賃収入のみならず、将来的な売却のしやすさまで見極めることが大切です。

まとめ|カンボジア不動産は表面利回りだけで判断しないことが重要

カンボジア不動産には、比較的高い賃貸利回りを期待できる物件が複数存在します。プノンペンでは立地や購入価格・賃貸需要により利率が異なり、個別の募集事例では表面利回り5〜10%程度の物件も散見されます。

ただし、提示された利回りの高さを確実に実現できる保証はありません。空室の発生や管理費・修繕費を算入すると実質利回りが低下するほか、保証付き物件では保証を提供する会社の経営状況や契約条件にも注意が必要です。実際の不動産運用では保有期間中の家賃収入だけでなく、将来の売却価格も成否の重要な要素になります。

高利回りの追求にとどまらず、実際の賃貸需要と費用・リスクを踏まえて継続的な収益が見込める物件選びを心がけましょう。

アンナアドバイザーズでは、カンボジア不動産購入を検討中の方への国内セミナーや現地視察・購入後の賃貸管理まで幅広いサポート体制を構築しております。物件ごとの利回りや購入費用・賃貸運用について個別に確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。

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皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC)
公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
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