執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

「このまま日本に預けていて、本当に資産は増えるのだろうか?」
多くの人が抱える資産運用の悩み。その背景には、長引く低金利、円安、そして先行き不透明な経済情勢があります。特に銀行預金においては、普通預金の金利が年0.001%程度という“ほぼゼロ”の状態が続いており、資産を「守る」ことすら難しい時代です。
そんな中、静かに注目を集めているのが「カンボジアの銀行口座による資産運用」です。
意外に思われるかもしれませんが、カンボジアは近年、安定した経済成長と米ドル建ての高金利商品を武器に、海外からの預金を積極的に受け入れている国の一つです。特に定期預金においては、年利4〜5%という高水準が珍しくなく、インフレや為替リスクに対する“実践的な備え”として検討する価値があります。
この記事では、会社経営者や医師、会社員、主婦、投資家など、あらゆる立場の方に向けて、カンボジアの銀行口座開設・資産運用の実態とメリット・リスクを、専門的かつわかりやすく解説していきます。
これからの資産戦略において、“日本以外”の選択肢を持つことは、あなたの経済的自由を大きく後押しするはずです。
カンボジアがなぜ選ばれるのか、その理由を一緒に探っていきましょう。
なぜ今「カンボジア」なのか?
資産運用の目的は「お金を増やす」だけではありません。「守ること」「分散させること」も、今の時代には重要な要素です。
これまで日本に資産を預けてきた多くの人々が、いま新たな選択肢としてカンボジアに注目し始めています。
それはなぜなのでしょうか?背景には、3つの大きな理由があります。
日本国内における“ゼロ金利”と“通貨リスク”
日本の銀行にお金を預けていても、資産はほとんど増えません。2025年現在、大手銀行の普通預金金利は年0.001%〜0.02%、定期預金でも年0.01%〜0.2%が一般的です。これは、100万円を1年間預けても、利息はわずか10円〜2,000円程度に過ぎません。
加えて、近年の円安傾向も見逃せません。たとえば、1ドル=110円だった数年前に比べ、現在は1ドル=140円を超える場面も珍しくなく、円の価値が下がること自体がリスクとなっています。
つまり、資産を「日本円で日本の銀行に預けるだけ」では、インフレにも為替にも弱い脆弱な資産構成となり得るのです。
カンボジアは“米ドル経済”+“高金利”
カンボジアの大きな魅力の一つが、米ドルが流通通貨として使われていることです。実際、カンボジア国内の流通通貨の8割以上が米ドル建て(※)で、現地の銀行でも米ドル預金がスタンダードです。
※参考:IMF Cambodia Staff Report (2023)
さらに、カンボジアの主要銀行では、米ドル建て定期預金で年利4%前後という高金利が一般的です。
以下は2025年3月時点の代表的な利率です
銀行名 | 預金期間 | 年利(USD建て) |
ACLEDA Bank | 1年 | 3.95% |
ABA Bank | 1年 | 2.75% |
Canadia Bank | 1年 | 4.25% |
この利率は、日本の銀行と比較して20倍以上の利息を得られることを意味します。
さらに、米ドルで資産を持つという選択肢は、円安に対するヘッジにもなります。
カンボジア経済は“高成長・安定路線”へ
新興国=リスクが高い、というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、カンボジアの経済成長は、アジアでも際立っています。世界銀行・アジア開発銀行のデータによると、近年の実質GDP成長率は年6〜7%前後を維持しており、ポスト・チャイナ投資先としても注目が集まっています。
また、外国人資本の流入やインフラ整備(高速道路、空港、特別経済区など)が進み、政治的にも比較的安定しています。ASEAN加盟国としての信用や、国際通貨基金(IMF)・世界銀行との協調体制も、外資にとっての安心材料です。
日本と“異なる軸”を持つということ
日本とは異なる経済軸に資産を置くこと。それが「カンボジア口座の価値」です。
- 米ドル建ての高金利定期預金
- 新興国でありながらも安定した成長
- 日本の金融環境と違う通貨・制度環境
今、資産の一部をカンボジアに移すことは、単なる利回り目的だけでなく、「通貨」「国」「リスク分散」という資産防衛の観点からも、非常に理にかなった選択肢なのです。
次章では、具体的にどのような商品や銀行があるのか、その「利回りと実態」に迫っていきます。
カンボジアの銀行の特徴と利回り
カンボジアは米ドル建ての高金利預金と成長経済を併せ持つ、新たな資産運用先として注目されています。
では、具体的にどのような銀行があり、どんな預金商品が提供されているのでしょうか?
この章では、カンボジアの主要銀行とその金利、そして選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
カンボジアの主要銀行:信頼性と実績を持つ3行
まず、カンボジアには数多くの銀行がありますが、特に以下の3つの銀行が、外国人投資家や資産家から高い評価を得ています。
- ACLEDA Bank(アクレダ銀行)
- カンボジア最大の商業銀行
- 上場企業であり、財務の透明性が高い
- 地方にも多くの支店を展開している
- ABA Bank(Advanced Bank of Asia)
- 親会社はカナダのNational Bank of Canada
- モバイルバンキングが非常に発達しており、日本人にも人気
- ジャパンデスクがある
- Canadia Bank(カナディア銀行)
- 設立30年以上の老舗銀行
- 政府関連の資金も扱う信頼性の高い銀行
- 預金金利が高水準で、ドル建てに特化
どの銀行も「カンボジア中央銀行(NBC)」の監督下にあり、一定の信頼性と実績を備えています。
定期預金の利回り:年利4%前後が主流
カンボジアの銀行で最も注目されているのが米ドル建て定期預金の高利回りです。
以下は、主要銀行における1年定期の金利比較です(2025年3月調査時点)。
銀行名 | 預金期間 | 年利(USD建て) |
ACLEDA Bank | 1年 | 3.95% |
ABA Bank | 1年 | 2.75% |
Canadia Bank | 1年 | 4.25% |
※金利は時期や預金額、口座タイプによって異なる場合があります。最新情報は各銀行の公式HPをご確認ください。
利息は「米ドル」で受け取り可能
カンボジアの最大の魅力は、「利息が米ドルで支払われる」という点です。
これにより、円安局面でも為替差損を回避しつつ、外貨資産を増やせるのが大きなメリットとなります。
また、利息は現地銀行の米ドル口座に入金され、海外送金も可能です(送金手数料あり)。
■ 米ドル建てのメリットまとめ
比較項目 | 円預金(日本) | 米ドル建て定期預金(カンボジア) |
金利 | 0.01〜0.2% | 4.0〜4.5% |
通貨の安定性 | 円安の影響大 | 米ドルの国際的安定性 |
利息の受取通貨 | 円 | 米ドル |
為替リスク対策 | 難しい | ヘッジ手段として有効 |
預金保護制度はどうなっている?
カンボジアには、日本の「預金保険制度(1,000万円まで保証)」のようなスキームはありません。
しかし、近年ではDeposit Insurance of Cambodia(DIC)が設立され、一定の預金者保護が制度化されつつあります。
また、先に紹介した大手3行は国際監査を受けており、健全な財務管理と自己資本比率の維持が確認されています。
加えて、外資系の親会社(例:ABA Bankはカナダ資本)を持つことで、一定の安全性が担保されています。
カンボジアの銀行を選ぶポイント
初めて海外口座を開設する場合、以下のポイントを基準に銀行を選びましょう。
チェック項目 | 解説 |
英語・日本語のサポート体制 | 外国人対応スタッフや日本語対応代理店があるか |
オンラインバンキングの利便性 | スマホアプリの有無、海外からの操作性 |
最低預入額・手数料の明確さ | 条件が透明でわかりやすいか |
実績と親会社の信頼性 | 国際的な親会社を持っているか |
定期預金商品と金利の選択肢 | 利息支払い方法・期間などの柔軟性があるか |
資産を「外貨で守り、増やす」ための現実解
カンボジアの銀行における資産運用は、日本では得られない高金利・米ドル・成長国の恩恵を一度に享受できる選択肢です。
もちろん、預金保護制度の未成熟や渡航の手間など、デメリットも存在しますが、情報を正しく理解し、信頼できる銀行を選べば、極めて有効な運用手段となります。
次章では、実際にカンボジア銀行口座を使って資産運用するメリット・デメリットについて、さらに深掘りしていきましょう。


メリット・デメリットを徹底比較
資産運用において重要なのは、「利回りの高さ」だけではありません。安全性・利便性・リスクとのバランスを見極め、納得のいく選択をすることが鍵です。
ここでは、カンボジアの銀行を活用した資産運用のメリットとデメリットを公平に比較し、より正確に判断できるよう導いていきます。
カンボジア口座の主なメリット
- 高金利の定期預金
何といっても最大の魅力は、米ドル建て定期預金で年利約4%という高い利回りです。
例えば、1万ドル(約150万円)を年利4%で1年間預けると、税引前で約400ドル(約6万円)の利息が得られます。これは、日本のメガバンクに預けた場合の250倍以上の利息に相当します。 - 米ドルによる資産形成
カンボジアでは米ドルが広く流通しており、預金・利息もすべて米ドルで管理されます。これにより、円安や国内インフレへの実質的なヘッジが可能です。
特に「将来、子どもを留学させたい」「海外で不動産投資をしたい」といったニーズがある方にとって、ドル建て資産の蓄積は極めて有利です。 - 少額からスタートできる
口座開設に必要な最低預金額は、100ドル〜と、比較的ハードルが低く設定されています。
また、手数料も日本に比べて良心的なケースが多く、海外資産運用の入門編としても適しています。 - 外国人でも口座開設が可能
現地に居住していなくても、観光ビザでの滞在中に口座開設が可能です。
さらに、日本語対応のサポートを行っている銀行やエージェントもあり、手続きは思ったよりもスムーズに進められます。
また、カンボジアに渡航しなくても日本から開設できる銀行もあります。
カンボジア口座のデメリットと注意点
- 預金保護制度が未成熟
日本のように「預金保険制度(1,000万円まで保護)」が完備されているわけではありません。
近年設立されたDIC(Deposit Insurance of Cambodia)により制度整備は進んでいますが、まだ発展途上であり、預金者の完全な保護が保証されているとは言えません。 - 渡航が必要な銀行がある
初回の口座開設時に現地での対面手続きが必要な銀行があります。
オンラインだけで開設が完結する銀行はアクレダ銀行、フィリップ銀行、ABA銀行に限られているため、その他の銀行は航空券や宿泊費なども考慮しなければなりません。
ただし、一度開設すれば、ほとんどの銀行がオンラインバンキングや海外送金での運用が可能になります。 - 日本語サポートは限定的
銀行窓口やコールセンターでは英語対応が基本です。
一部の銀行や代理サービスでは日本語サポートがありますが、トラブル対応時などに英語力が求められるケースもあります。サポート体制の質は銀行ごとに異なるため、事前確認が重要です。 - 為替手数料・送金コストの発生
米ドルでの送金には為替手数料や海外送金手数料がかかります。送金方法によっては1回あたり20〜50ドルのコストが発生するため、運用額や回数を考慮した計画が求められます。
メリット・デメリット早見表
項目 | メリット | デメリット |
金利 | 年利4〜4.5%と高水準 | 変動の可能性あり |
通貨 | 米ドル建てでインフレ・円安に強い | 為替手数料がかかる |
口座開設条件 | 外国人でも簡単に開設可能 | 現地でしか開設できない銀行がある |
最低預金額 | 100〜ドルから始められる | 銀行により条件が異なる |
預金保護制度 | 国際監査あり(大手銀行) | 日本のような完全な預金保護はない |
利用サポート | 一部銀行・代理業者で日本語対応あり | 基本は英語。緊急時の対応に不安が残る |
リスクを知り、リスクを管理する
すべての資産運用にはリスクが伴います。カンボジア口座のように高利回りが見込める選択肢には、それなりのデメリットや不確実性が存在することも事実です。
だからこそ、重要なのは「情報収集と分散戦略」です。
- 預金先を複数に分ける
- 運用額を自分の許容リスク内に収める
- 信頼性の高い銀行・エージェントを選ぶ
これらの対策を講じることで、リスクを最小限に抑え、カンボジアの高金利を賢く活用する道が拓けるのです。
メリットの“最大化”とデメリットの“最小化”がカギ
カンボジアの銀行口座は、高金利 × 米ドル × 新興国成長の果実を取り込める、非常に魅力的な資産運用ツールです。
ただし、それは「情報と選択を間違えなければ」という前提があってこそ。
本章で挙げたメリットとデメリットを天秤にかけ、自分にとって「どの程度の割合で資産を移すべきか?」という視点で判断することが大切です。
実際に運用している人の声
どんなに利回りが魅力的でも、海外の銀行に資産を預けることに対しては、誰しも「本当に大丈夫なのか?」「うまく活用できるのか?」という不安を抱くものです。
そこで本章では、実際にカンボジアの銀行口座を開設し、資産運用を行っている日本人たちのリアルな声をご紹介します。
それぞれの立場や目的に応じた活用法を知ることで、「自分に合った使い方」のヒントがきっと見つかるはずです。
ケース①|40代男性・医師:退職後の備えとしてドル資産を構築
円の価値が下がる中、資産の一部を海外に逃がす必要性を感じていました。
カンボジアの銀行は金利が高く、しかもドル建て。
3年前にカンボジアに口座を開設し、年間5%の利息。利息はそのまま再投資していて、国内のどんな定期預金よりも有利ですね。
・米ドル建てでインフレ耐性を確保
・利息を再投資
・目的は「将来の退職後資産の分散」
ケース②|30代女性・主婦:教育資金の外貨運用として
娘を将来アメリカの大学に行かせたいという夢があり、数年前から米ドルで資産を貯めておきたいと思っていました。
でも外貨建て保険は手数料が高くて…そんな時に知ったのがカンボジアの銀行。
100ドルから始められて、ドルのまま利息が付くのは魅力です。教育資金の一部をドルで育てるという安心感があります。
・少額からスタートできる安心感
・為替差益やインフレ対策も期待
・長期的な教育費計画としてのドル運用
ケース③|50代男性・経営者:事業のリスク分散と将来の備えに
会社経営者は、日本の景気・為替の影響をもろに受けます。だからこそ、個人資産だけは“通貨を分散”しておきたい。
私の場合、ASEAN圏の成長性を信じてカンボジアに口座を持ちました。
定期預金に一部資金を入れつつ、残りは現地での不動産購入も検討中。資産防衛と投資のバランスが取りやすいです。
・通貨分散による経済リスクのヘッジ
・定期預金+現地投資の組み合わせ
・ASEAN経済の成長を見越した戦略的行動
ケース④|20代男性・会社員:副収入として利息を活用
「まだ年収もそこまで高くないですが、『資産運用は若いうちから』と考えて、旅行を兼ねてカンボジアで口座を作りました。
1,000ドルを1年間預けるだけで約40ドルの利息。小さな金額でも“お金が働いてくれる”実感が持てました。
最近はリピートして複数の定期預金を作っています。
・若年層でも実践できる資産運用の第一歩
・小額から始めて「運用の感覚」を体得
・渡航をきっかけに金融リテラシーが向上
ケース⑤|40代女性・フリーランス:資産保全と将来の移住準備
老後は物価の安い東南アジアで過ごしたいと考えていて、現地通貨よりも信頼性のあるドル資産をカンボジアで持っておくことにしました。口座を作り、現地不動産や医療事情も調査中。
定期預金で年4%の利息が得られる上、将来的な移住プランとの相性も抜群です。
・海外移住と資産形成のダブル準備
・米ドルで運用しつつ生活シミュレーションも
・将来設計に合わせた地に足のついた選択
利用者の声から見える「5つの共通点」
実際の声を振り返ると、運用方法やライフスタイルは多様であっても、共通して以下のようなニーズや意識が見えてきます。
共通点 | 説明 |
米ドルによる資産分散 | 円の下落やインフレから資産を守りたいという意識が高い |
高金利を“受動収入”に変える工夫 | 少額でも再投資運用を意識 |
教育・退職・移住など長期目線 | 長期戦略の一部として口座活用 |
金融リテラシーの向上 | 自ら学び行動することで資産に対する理解も深まる |
安全性を意識した銀行選び | 信頼性の高い大手銀行を選ぶ傾向が強い |
生の声が「次の一歩」を後押しする
情報や理論だけでは決断できないことも、実際に運用している人たちの具体的な体験は強い説得力を持ちます。
年齢や目的は違えど、皆それぞれのライフプランの中で、カンボジア銀行口座を「戦略的に活用」していることがわかります。


Q&Aで不安を解消!
「海外の銀行口座って本当に安全なの?」「手続きが難しそう…」「税金はどうなる?」——
カンボジアの銀行口座に興味を持ちながらも、不安や疑問から一歩を踏み出せない方は少なくありません。
この章では、お客様からよく寄せられる質問をQ&A形式で解説し、不安を“安心”に変えるお手伝いをします。
Q1. カンボジアの銀行は本当に安全ですか?
A. はい、大手銀行を選べば十分な安全性が確保されています。
たとえば、ACLEDA Bankはカンボジア証券取引所に上場しており、財務内容も公開されています。
ABA Bankはカナダの大手金融グループ「National Bank of Canada」が親会社で、国際的な監査も受けています。
また、2022年に「カンボジア預金保険制度(DIC)」が正式に導入され、預金者保護の基盤も整備が進んでいます。
Q2. 渡航しないと口座開設はできませんか?
A. 渡航しなくても開設できる銀行もあります。
弊社の開設サポートサービスをご利用いただければ、アクレダ銀行、フィリップ銀行、ABA銀行、Jトラストロイヤル銀行の開設が可能です。その他の銀行は渡航して手続きを行う必要があります。
最近では日本語対応の現地エージェントを通して、手続きがスムーズに進められるケースも増えています。もちろん弊社も現地でのサポートを行っております。旅行を兼ねて渡航する人も多く、「ついでに開設」というスタイルも現実的です。
Q3. 口座維持費や手数料はどのくらいかかりますか?
A. 多くの銀行では年間10〜20ドル程度の口座維持費がかかります。
ABA BankやCanadia Bankなどでは、口座タイプによって月額1〜2ドルの維持手数料が発生する場合があります。
ただし、一定額以上を預金していれば手数料が無料になることも。
海外送金手数料やATM引き出し手数料も確認しておくと安心です。例えば、国際送金は1回20〜40ドル程度が目安です。
Q4. 英語ができないと運用は難しいですか?
A. 基本的には英語対応ですが、日本語サポートも増えてきています。
カンボジアの銀行では、窓口・書類・ネットバンキングともに英語が基本です。
しかし、日本語を話せるスタッフや、日本人顧客向けのサポートデスクを設置している銀行・代理店も増えています。
また、ほとんどの銀行がスマホアプリの操作が直感的でわかりやすく、英語が苦手でも最低限の操作には困らないとの声も多数あります。
Q5. 日本から送金・引き出しはできますか?
A. はい、できます。送金はSWIFTコードを使って対応可能です。
カンボジアの銀行は国際送金ネットワーク(SWIFT)に対応しており、日本の銀行口座からの海外送金が可能です。
送金手続きには以下の情報が必要です:
- 銀行名(英文表記)
- 口座番号
- SWIFTコード
- 受取人名(パスポート記載名と一致)
引き出しに関しては、現地ATMやデビットカードで対応可能。デビットカードは、世界中のATMから米ドルで引き出しができます。
Q6. カンボジアの政治や治安は大丈夫ですか?
A. はい、首都プノンペンは比較的安定しています。
近年のカンボジアは、ASEAN諸国の中でも政治的安定が続いており、外国人観光客やビジネスマンも多く訪れています。
首都プノンペンには国際ホテルや日本料理店も多く、治安も比較的良好です。
もちろん海外である以上、最低限の安全意識(深夜の外出を避ける、多額の現金を持ち歩かないなど)は必要です。
疑問をクリアにして、第一歩を踏み出そう
カンボジアの銀行口座は「海外」「外貨」「高金利」といった要素から、初めは不安がつきものです。
しかし、ひとつひとつの疑問をクリアにしていけば、想像よりもシンプルで現実的な選択肢であることが見えてきます。
「知らないから不安」は、「知ることで安心」に変えられる。
あなたの資産を未来へつなぐために、今がその第一歩かもしれません。
資産分散の一環としての「カンボジア口座」
資産運用における最も重要な原則のひとつが「分散」です。
どんなに安全だと思える資産でも、ひとつの国・通貨・商品に偏った資産構成は、大きなリスクを内包しています。
カンボジアの銀行口座は、高金利という魅力だけでなく、資産の「分散」という観点からも非常に意義のある選択肢です。
この章では、グローバルな資産形成を考える上での「カンボジア口座の役割」と「分散投資における具体的な活用方法」についてご紹介します。
日本に資産を集中させるリスクとは?
まず知っておきたいのが、日本国内にのみ資産を置くことのリスクです。
リスク項目 | 説明 |
為替リスク | 円安が進行すると、実質的な購買力が下がる |
インフレリスク | 物価上昇により、預金の実質価値が目減りする |
地政学的リスク | 災害・経済政策・政治の不安定さが資産に影響する可能性がある |
金利リスク | 日本は長年の低金利政策により、預金による運用メリットが極めて低い |
このように、日本国内だけに資産を集中させることは、リスクの「一極集中」と言っても過言ではありません。
通貨・地域の分散=リスクを抑え、チャンスを広げる
資産分散とは、資産の一部を異なる通貨、地域、資産タイプに振り分けることで、「何かが下がっても、別の何かが支えてくれる」構造を作ることです。
たとえば、以下のような資産配分を考えてみましょう。
資産分類 | 割合の例 | 備考 |
日本円預金 | 40% | 日常生活・緊急時の備えとして保持 |
株式・投資信託 | 30% | 国内外の株式やファンドなどによる資産増加を狙う |
外貨預金(米ドル) | 20% | 為替ヘッジと外貨資産の形成 |
カンボジア口座(USD) | 10% | 高金利定期預金でドル資産を安定運用 |
カンボジア口座はこのように、外貨資産の一部として位置づけることで、全体のバランスを取りながら運用益も確保できるのです。
「資産防衛」と「資産増加」を両立させる選択肢
カンボジアの口座は、ただ利息が高いというだけでなく、「守り」と「攻め」の中間的なポジションを担うことができます。
運用タイプ | 目的 | カンボジア口座が担う役割 |
守りの資産 | 元本確保・安定性 | 米ドル建てでインフレ耐性+高金利 |
攻めの資産 | 値上がり益の追求 | 株式・仮想通貨などとバランスを取る |
分散戦略の軸 | 通貨・地域の分散 | 東南アジアという新興市場への分散 |
高金利による“資産の増加”と、米ドルによる“通貨分散”を両立させる点で、カンボジア口座はまさに「使える海外口座」と言えるでしょう。
米ドルの国際的信頼性を活かす
特に注目すべきは、カンボジアが実質的な「米ドル経済」であるという点です。
米ドルは世界で最も流通している基軸通貨であり、政治・経済情勢が不安定な時代においても、一定の信頼性があります。
カンボジアの銀行に米ドルで預金しておくということは、資産を「信用通貨」で保管するという国際的な通貨防衛のひとつなのです。
「もしものとき」の資金確保にも強い
自然災害、政治リスク、経済崩壊……。どんなに安全に見える国でも、100%の保証はありません。
万が一、国内金融機関が一時停止した場合、日本の銀行口座にアクセスできなくなるリスクも否定できません。
その点、海外にあるカンボジア口座を“別拠点”として保有しておくことで、緊急時の資金確保手段が増えるというのは、大きな安心材料になります。
カンボジア口座は“戦略的資産運用”の一手
カンボジアの銀行口座は、高金利や米ドル運用といった直接的なメリットだけでなく、資産全体の安全性・安定性を高める「分散投資のピース」としても大きな役割を果たします。
- 円だけに依存しない通貨戦略
- アジア成長国への投資的なアプローチ
- 世界的に評価される米ドル資産の保有
- もしもの備えとしての海外資金拠点の確保
これらをすべて兼ね備えたカンボジア口座は、保守的かつ合理的な資産防衛手段でありながら、中長期の資産形成にも効果的です。
カンボジア口座は“次世代型”の資産運用
世界が変化している今、あなたの資産運用もまた“次のステージ”へ進むべき時かもしれません。
これまで日本人にとって「海外口座」はどこか遠い存在でした。
しかし、円安・インフレ・低金利という三重苦の時代に突入した今、資産を守り増やすための“地理的・通貨的な分散”は、すでに多くの人にとって「現実的な選択肢」となっています。
その中で、カンボジアの銀行口座は、次のような価値を提供してくれます
カンボジア口座が持つ5つの魅力
- 高金利(年利4〜4.5%):米ドル建て定期預金としては世界トップクラス
- 米ドルで資産運用:円安・インフレに対する強力なヘッジ手段
- 少額からスタート可能:100ドル〜で実行可能、ハードルが低い
- 非居住者でも開設可:現地在住や法人設立は不要、日本人でも簡単に口座開設
- 資産分散の一翼を担う:通貨・地域・目的の多様化に貢献
こんな方に最適です
- 円建ての資産運用だけでは不安を感じている方
- 子どもの留学や老後の海外移住を見据えて外貨を持ちたい方
- 利息で“お金を働かせる”感覚を実感したい方
- 海外投資に興味があるが、まずは手堅く始めたい方
資産運用は「攻め」だけではなく「守り」も重要
ハイリスク・ハイリターンの投資だけが資産運用ではありません。
むしろ、確実に資産を「守りながら育てる」手段こそ、今後の時代において主流になっていくと考えられます。
カンボジアの銀行口座はその意味で、“守りながら増やす”という次世代型資産運用を象徴する存在です。通貨リスクに晒されず、地政学的にも安定したASEAN地域で、かつ米ドルで着実に資産を育てられる。
このようなバランスの良い海外口座は、世界的に見ても稀有な存在です。
最後に:未来の選択肢を、今から用意する
カンボジア口座は、すべての資産を預ける場所ではありません。
しかし、あなたのポートフォリオの中に「もう一つの軸」を加えるという意味で、非常に有効で柔軟な手段です。
将来の不確実性が増す中で、いま一歩を踏み出すかどうかで、5年後・10年後のあなたの資産構造は大きく変わるでしょう。
情報を知るだけでは資産は増えません。
行動に移すことが、すべてのはじまりです。
参考
■カンボジア国立銀行(NBC:National Bank of Cambodia)
■世界銀行(World Bank)
■IMF(国際通貨基金)
■ACLEDA Bank(アクレダ銀行)公式サイト
■ABA Bank(Advanced Bank of Asia)公式サイト
■Canadia Bank(カナディア銀行)公式サイト




荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社
代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
はじめての海外不動産投資