資産形成とは?20代〜50代年代別におすすめの運用方法も紹介

執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

銀行の預金金利が低迷し続ける現代、多くの方が「ただ貯金していても、お金の価値は増えないのでは?」と感じているのではないでしょうか?
特に、令和時代のインフレの影響で円の価値が目減りしていく中、効率的に資産を増やす方法を模索することは、私たちのライフプランにとって非常に重要です。

この記事では、家計調査報告や人生100年といった現代の家計収支の変化を踏まえ、20代から50代までの幅広い年代に向けて、資産形成の基本から、おすすめの運用方法までを紹介します。

資産形成とは、本来、単にお金を貯めること以上の意味を持ち、生活保障や老後生活の安心を提供します
資産運用におけるリスクの理解と、年代別の資産形成戦略を通じて、ゆとりのある未来の安定と豊かさを実現するための一歩を踏み出しましょう。

また、65歳の平均寿命を超えるセカンドライフを念頭に置き、少額投資や平均的な支出を考慮しながら、日本の経済状況に合わせた計画的な資産運用を目指しましょう。

資産形成とは

資産形成とは、単なる貯蓄を超えた、将来の安定と豊かな生活を目指すための戦略的なプロセスです。
これは、元本割れのリスクを回避しつつ、積立額を増やすことを目的としています。
資産形成には、銘柄選びやレバレッジの活用、そして預貯金や保険料の適切な管理が含まれます。

資産形成の第一歩は、取引口座の開設と、毎月の1万円からの小額投資を始めることです。
長期投資を通じて、現金や学資保険などの出費を賢く管理し、積立金額を時間をかけて増やしていきます

口座開設後は、非課税制度を活用して、金融資産を効率的に増やすことが可能です。
資産形成においては、ファンド選びや解約返戻金の理解も重要です。
積立定期預金や100万円以上の大きな投資を行う場合、世帯の経済状況や結婚、FP(ファイナンシャルプランナー)との相談を通じて、夫婦や家族の将来に合わせた計画を立てることが求められます。

また、運用利回りを最大化するためには、個人年金保険や子供のための厚生年金、さらには年齢や非課税期間を考慮した投資戦略が必要です。
節約や割合の計算、用意する資金の管理、そして毎年の月額投資額の見直しは、資産形成の基本となります。

為替相場や為替変動リスクを理解し、運用管理費用や目論見書を確認することで、余剰資金をハイリターンな運用実績に結びつけることにもなります。
しかし、ハイリスクな投資には注意が必要で、教育費や長期運用の計画、教育費用の確保、そして余裕資金の適切な管理が資産形成の鍵となります。

貯金より資産形成をおすすめする理由

現代社会において、単に銀行にお金を預けるだけの貯金では、資産を守るどころか、その価値が目減りしてしまう可能性が高まっています。
特に、低迷する預金金利とインフレの進行は、私たちの貯蓄にとって大きな課題です。

では、どうすれば資産を効率的に増やし、将来の安定を確保できるのでしょうか?
ここでは、

  • 銀行預金の限界
  • インフレによる円資産の目減り
  • 資産形成の優位性

の観点から具体的に解説していきます。

銀行の預金金利が非常に低い

現在の銀行の預金金利は非常に低く、インフレの影響を受けやすいです。
これは、預金による資産増加が期待できない状況を意味します
例えば、2023年の普通預金の金利は0.001%程度であり、これでは資産の実質的な増加はほとんど見込めません

また、インフレが進むと、預金されたお金の実質価値はさらに低下します。
このため、単に銀行にお金を預けておくだけでは、資産を守るどころか、むしろ価値が目減りするリスクが高まるのです。

インフレにより円の価値が下がる

インフレが進行すると、円の購買力は低下し、同じ金額でも以前より少ない商品やサービスしか購入できなくなります。
例えば、物価上昇率が年2%の場合、10年後には約18%の価値の低下が見込まれます

これは、貯金をしていても、その資産の実質価値が減少してしまうことを意味します。
特に、老後の生活資金や教育資金など、長期的な資金計画を立てている場合、インフレの影響を受けやすく、将来の資金不足に直面する可能性があります。

効率よく資産を増やすことができる

資産形成の方法として、投資や資産運用は効率的に資産を増やす手段です。
例えば、株式や投資信託などの金融商品は、長期的に見るとインフレ率を上回るリターンを期待できます。

また、NISAやiDeCoなどの税制優遇措置を利用することで、税負担を軽減しながら資産を増やすことが可能です。

さらに、分散投資を行うことでリスクを抑えつつ、資産の成長を目指すことができます。
これらの方法は、単にお金を貯めるだけではなく、積極的に資産を増やすための有効な手段と言えるでしょう。

資産運用するときのシミュレーション

資産運用を始める際、具体的なシミュレーションを行うことは非常に重要です。
例えば、毎月3万円を20年間積み立て、年間利回り5%で運用した場合の結果を考えてみましょう。

このシナリオでは、20年間で総投資額は720万円になりますが、複利の効果を考慮すると、最終的な資産額はそれを大きく上回ることが期待できます。
複利効果を計算すると、20年後の資産額は約1,200万円に達する可能性があります。

これは、単純な貯金と比較して、約480万円もの差が生まれることを意味します。
このように、長期的な視点で資産運用を行うことで、資産の増加効果を最大限に引き出すことが可能です。

しかし、投資にはリスクも伴います。
市場の変動により、予想されるリターンが得られない場合もあります。
そのため、分散投資を行い、リスクを分散させることが重要です。

また、定期的に投資ポートフォリオを見直し、ライフステージや市場状況に応じて調整することも資産運用の成功には欠かせません
このシミュレーションは、資産運用の可能性を示していますが、実際の投資成果は市場状況や運用方法によって異なります。

資産運用は、このように適切な知識と戦略に基づいて行うため、容易ではありません。
資産運用を始める前には、専門家のアドバイスをぜひご検討ください。

資産運用するときのリスクも理解する

資産運用を行う際には、市場リスクやインフレリスクを理解し、適切に対処することが重要です。
市場の状況によって株式や債券などの価格が変動し、投資した資金が減少する可能性が常にあるからです。

また、インフレが進行すると、投資した資産の実質的な価値が低下する恐れがあります。
これは、特に長期間にわたる投資で顕著になり得るため、インフレ率を上回るリターンを目指すことが重要です。

さらに、特定の投資先に集中することによるリスクや、流動性リスクも考慮する必要があります。
分散投資を行ってリスクを分散させること、資金の流動性を考慮して投資商品を選ぶようにしましょう。

また、外貨建ての投資商品を選んだ場合、為替レートの変動によって損益が影響を受ける可能性があるため、為替リスクの管理も忘れてはいけません。
資産運用はリスクとリターンが常に伴うため、これらのリスクを適切に理解し、管理することが資産運用の成功には不可欠です。

資産形成の種類10選

資産形成の方法は多岐にわたり、各人のライフスタイルや目標に応じて選択肢が異なります
現代では、単に銀行にお金を預けるだけの貯蓄では、インフレの影響や低金利の環境下で資産の実質価値が減少するリスクがあります。

そこで、ここでは、資産を効率的に増やすための10種類の資産形成方法を紹介します。
各方法の特徴、メリット、リスクを理解し、自分に合った資産運用戦略を立てることにお役立てください。

つみたてNISA

つみたてNISAは、少額から始められる非課税の投資制度です。
毎月一定額を投資信託などに積み立てることで、長期的な資産形成を目指します。
この制度の最大のメリットは、得られた利益に対する税金が非課税である点です。

また、分散投資が可能な投資信託を選ぶことで、リスクを抑えつつ資産を増やすことができます。
ただし、市場の変動によるリスクもあるため、投資対象や期間を慎重に選ぶことが重要です。

長期的な視点でコツコツと資産を積み上げることが、この制度の魅力を最大限に活かす方法です。

iDeCo(イデコ)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資金準備を目的とした自己責任の年金制度です。
掛金は所得控除の対象となり、運用益も非課税です。

運用商品は株式や債券、投資信託など多岐にわたり、自分のリスク許容度に合わせて選択できます。
ただし、運用商品によっては価格変動リスクが伴うため、長期的な視点での運用が求められます。

また、60歳まで原則引き出しはできないため、資金の流動性には注意が必要です。
iDeCoは、税制優遇を受けながら、将来の安定した資金源を確保するための有効な手段です。

投資信託

投資信託は、複数の投資家から資金を集め、専門家が株式や債券などに投資する仕組みです。
分散投資によりリスクを抑えつつ、中長期的な資産増加を目指すことができます。

運用成果は市場の状況に左右されるため、価格変動リスクを理解した上で投資することが重要です。
また、信託報酬などの費用がかかる点も考慮する必要があります。

投資信託は、多様な商品が存在するため、自分の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。
初心者にも扱いやすい投資方法の一つとして、多くの投資家に選ばれています。

債券

債券は、政府や企業が資金調達のために発行する証券で、一定期間後に元本と利息が支払われます
債券投資のメリットは、比較的安定した収益が見込める点です。

しかし、発行体の信用状況によってはデフォルト(債務不履行)のリスクがあります。

また、市場金利の変動により債券価格が変動する利率リスクも考慮する必要があります。
債券投資は、リスクを抑えつつ安定した収益を求める投資家に適しています
特に、インフレや市場の不安定な時期には、安全な避難先としての役割を果たすことがあります。

外貨預金

外貨預金は、円ではなく外貨で預金を行うことで、為替変動による利益を狙う投資方法です。
為替レートの変動により、高いリターンが期待できる一方で、為替リスクも伴います
特に短期間での為替変動は予測が難しく、注意が必要です。

また、外貨預金は金利が高いことが特徴ですが、通貨によってはインフレリスクも考慮する必要があります。
外貨預金は、為替市場に精通している投資家や、為替リスクを適切に管理できる投資家に適しています。
通貨の選択や投資期間の設定には特に注意が必要です。

金投資

金投資は、経済の不安定さやインフレに対するヘッジとして人気です。
金は長期間にわたり価値を保持する傾向があり、市場の変動が激しい時でも安定した投資先とされています。

しかし、金価格は供給と需要、世界的な経済状況によって変動するため、価格変動リスクを理解した上で取引するようにしましょう。
ちなみに金投資は、物理的な金を購入する方法と、金関連の株式や投資信託を通じて行う方法があります。

不動産投資

不動産投資は、賃貸収入や資産価値の上昇を目指す長期的な投資です。
安定した収入源としての魅力がありますが、物件の選定、管理、市場の変動など、考慮すべき要素が多く、「簡単」とは言えません

また、大きな初期投資が必要で、流動性が低い点も留意すべきです。
不動産投資は、市場状況をしっかりと分析し、適切な物件を選ぶこと、時には専門家の力を借りることも重要でしょう。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは、インターネットを通じて不動産プロジェクトに少額から投資できる方法です。
直接不動産を購入するよりも少ない資金で参加でき、分散投資が容易です。

しかし、プロジェクトの選定や運用会社の信頼性が重要で、失敗するリスクも伴います。
また、流動性が低く、投資期間中は資金を引き出すことが難しい場合が多いです。

株式投資

株式投資は、企業の成長に伴う株価の上昇や配当金を目指す投資方法です。
高いリターンが期待できますが、市場の変動によるリスクも大きいです。

株式投資は、企業の財務状況や業界の動向を理解し、適切な売買タイミングの見極めが重要です。
また、分散投資を行うことでリスクを軽減することができます。

定期預金

定期預金は、一定期間、金融機関にお金を預けることで利息を得る安全な投資方法です。
元本保証があり、リスクが非常に低いですが、その分利回りも低めです。

インフレ率が高い時期には、実質的な資産価値の減少を招く可能性があります。
定期預金は、リスクを避けつつ確実に資産を保全したい場合に適しています

年代別!おすすめしたい資産形成

20代から50代まで、各年代において最適な資産形成方法は異なります。
若い世代ではリスクを取る余裕があり、成長性の高い投資が適しています。
一方、年齢を重ねるにつれて、家族の将来や老後の資金計画が重要になり、安定した投資が求められ、いくつも条件が変わります。

ここでは、20代〜50代までの年代別におすすめの資産形成方法を紹介し、現在のライフステージに合わせた資産運用のヒントを提供します。

20代

20代は資産形成の基礎を築く絶好の時期です。
この年代では、リスクを取る余裕があるため、株式や投資信託などの成長性の高い投資に挑戦するのがおすすめです。

また、つみたてNISAを利用して、長期的な分散投資を始めるのも良いでしょう。
この時期にリスク管理と投資の基礎知識を身につけることが、将来の資産形成に大きく影響します。

しかし、投資はリスクも伴うため、自己の財務状況をよく理解し、無理のない範囲で行うことが重要です。
また、若いうちからの積立投資は、複利の効果を最大限に活用できるため、長期的な視点で資産を増やすことが可能です。

30代

30代はキャリアが安定し、収入が増える時期です。
この年代では、家族の将来や子どもの教育資金など、中長期的な資金計画を考え始めることが多いです。

そのため、iDeCoや個人型確定拠出年金など、税制優遇を受けられる退職後の資産形成に注目すると良いでしょう。

また、不動産投資や海外投資など、多様な投資先を検討するのもこの時期の特徴です。
ただし、投資は家計に与える影響を考慮し、バランス良く行うことが大切です。
この時期には、特に教育資金や住宅購入などの大きなライフイベントに備えて、資産運用の計画を立てることが重要です。

40代

40代は資産形成の加速期と言えます。
この年代では、教育資金や老後資金の準備がより具体的になります。
安定した収入を背景に、リスクを抑えつつも効果的な資産運用を目指すことが重要です。

不動産投資や定期預金、国債など、比較的安定した投資が適しています

また、既存の投資ポートフォリオの見直しや、子どもの教育資金のための積立など、家族全体の資産計画を考えることが求められます。
この時期は、特に老後の資金計画を見直し、必要に応じて投資戦略を調整することが重要です。

50代

50代は資産形成の見直しと老後に向けた準備の時期です。
この年代では、リタイアメント後の生活資金の確保が最優先事項となります。
リスクの低い投資にシフトし、定期預金や債券、国内外の安定した配当株への投資を考えると良いでしょう。

また、老後の生活費に備えて、年金や保険の見直しも重要です。
投資のリスクを避けつつ、安定した収入源を確保することが、この年代の資産形成の鍵となります。

さらに、この時期には、相続計画や資産の分配について考慮することも必要となってくるでしょう。

まとめ

本記事では、20代から50代までの年代別におすすめの資産形成方法について紹介してきました。
また、つみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を利用した投資、リスクを抑えた債券や外貨預金、さらには不動産投資や株式投資など、多様な選択肢を紹介しました。

低迷する銀行の預金金利やインフレの影響を受けやすい現代において、資産を効率的に増やすためのさまざまな運用方法を知ることは大きな強みです。

資産形成のことで専門家をお探しの際は、ぜひお声掛けいただければと思います
この記事が、あなたの資産形成の一助となれば幸いです。

一覧に戻る

記事をシェア:

荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資