マレーシア不動産投資はおすすめ?メリット・デメリットや購入方法を解説

執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

マレーシアの不動産市場への投資は、多くの人にとって魅力的な選択肢となっていますが、同時にさまざまな疑問や不安を持っている方も多いでしょう

特に、マレーシアの不動産市場で実際に利益を得ることができるのか、また投資に伴うリスクはどの程度なのかという点は、初めて海外不動産投資を考える方にとって重要な懸念事項です。

さらに、海外での不動産投資には法律や税制、手続きの複雑さが伴うこともあり、これが投資の障壁となることもあります
本記事では、これらの悩みを解決するために、マレーシア不動産投資のメリットとデメリット具体的な購入方法について詳細に解説します。

マレーシアはどんな国

マレーシアは、東南アジアに位置する多民族国家です。
首都クアラルンプールをはじめ、多様な文化と経済の発展が見られる国で、2023年現在、経済成長率は安定しています。

マレーシアは、マレー系、中国系、インド系の人々が主な住民で、それぞれの文化が融合して独自の社会を形成しています。
国内では英語が広く使われており、外国人にとっても生活しやすい環境が整っています
また、自然の豊かさも特徴で、美しいビーチや熱帯雨林が観光の魅力となっています。

経済面では、製造業やサービス業が盛んで、外国からの投資も活発です。
マレーシア政府は、外国人投資家に対しても比較的開放的な政策を取っており、不動産市場も含めて多くのビジネスチャンスがあります。
ただし、政治的な安定性や法律の運用には注意が必要です。

物価は日本と比較して低く、生活コストの面でも魅力的です。
しかし、一部の地域では治安の問題も指摘されているため、移住や長期滞在を考える際には、事前の情報収集と準備を怠らないようにご注意ください

マレーシア不動産投資するメリット

マレーシアの不動産市場は、その魅力的な価格設定と経済成長により、多くの投資家に注目されています。
この国では、他の先進国や東南アジアの一部国々と比較しても、不動産価格が比較的安価であるため、投資の初期コストを抑えることが可能です。

さらに、経済成長が著しいため、不動産価格の上昇という形でキャピタルゲインを狙うこともできるでしょう。
また、外国人投資家にとっても、比較的容易に不動産の所有権を取得できる点は大きなメリットです。

しかし、これらのメリットを最大限に活かすためには、適切な知識と戦略が必要です。
ここでは、マレーシア不動産投資の具体的なメリットについて、詳しく解説していきます。

不動産価格は安い

マレーシアの不動産価格は、他の先進国や東南アジアの一部国々と比較しても比較的安価です。
特に、マレーシアリンギット(RM)での取引が主流であるため、米ドルなどの強い通貨を持つ投資家にとっては、有利な為替レートが利用可能です。

例えば、クアラルンプールの中心部に位置する高級コンドミニアムでも、100万リンギット以下で購入可能な物件が見つかることがあります。
これは、東京やニューヨークの同等の物件と比較すると、非常に魅力的な価格設定です。

また、新築物件や開発途上のプロジェクトも多く、初期投資額を抑えつつ将来の価値上昇を期待できます
ただし、物件価格はエリアや物件の種類によって大きく異なるため、購入前には市場価格をしっかりと調査し、適切な価格での取引を心がけてください。

経済成長が著しくキャピタルゲインが狙える

マレーシアは、近年経済成長が著しく、不動産市場においてもキャピタルゲイン(資産価値の上昇)を狙うことが可能です。
特に、クアラルンプールやペナン、ジョホールバルなどの都市部では、経済の発展に伴い不動産価格が上昇しています。

これは、新しいビジネスの進出や人口増加による住宅需要の高まりが背景にあります。
例えば、クアラルンプールの中心部では、過去数年間で不動産価格が平均で3%程度上昇している地域もあります

また、政府による都市開発プロジェクトや外国人投資家向けのインセンティブも、市場の活性化に寄与しています。
投資家は、これらの経済動向を見極めることで、中長期的な資産価値の増加を期待できるでしょう。

参照:Press Release Malaysia Property Market Report 2022

外国人でも不動産の所有権が持てる

マレーシアでは、外国人でも比較的容易に不動産の所有権を取得することができます
これは、マレーシア政府が推進する外国人投資家向けの政策の一環で、不動産市場への参入障壁を低く設定しています。

外国人が不動産を購入する際には、一定の最低購入価格が設定されていることが一般的ですが、これは州によって異なります
例えば、クアラルンプールやセランゴール州では、外国人が購入できる物件の最低価格は通常100万リンギット(約3,000万円)程度です。

また、外国人はフリーホールド(永久所有権)またはリースホールド(一定期間の所有権)の物件を選ぶことができ、これにより長期的な資産としての不動産投資が可能になります。
ただし、購入プロセスや法律には特有の複雑さがあるため、現地の不動産エージェントや法律専門家と協力しながら進めることが推奨されます。

参照:海外建設・不動産市場データベース|国土交通省

マレーシア不動産投資するデメリット・リスク

マレーシアでの不動産投資は、多くのメリットを提供する一方で、投資家が直面するいくつかのデメリットやリスクも存在します。
例えば、以下のとおりです。

  • 外国人投資家に設けられた最低投資価格
  • 新築物件の竣工遅延
  • 州政府からの許認可
  • 過剰供給による売却の困難さや空室リスク
  • 税金の支払い義務

ここでは、投資家が考慮すべきデメリットとリスクについて、詳しく解説していきます。

外国人には最低投資価格が設けられている

マレーシアで不動産を購入する際、外国人投資家には最低投資価格の制限が設けられています。
この制限は州によって異なり、例えばクアラルンプールやセランゴール州では、外国人が購入できる不動産の最低価格は通常100万リンギット(約3,000万円)からとなっています。

これは、外国人による不動産市場の過熱を防ぐための措置ですが、初めて海外不動産投資を行う方や小規模投資を希望する方にとっては、高いハードルとなる可能性があります。

また、この最低価格は時々変更されるため、投資を検討する際には最新の情報を確認することが重要です。
この制限により、投資家はより高価な物件に投資することを余儀なくされ、それに伴うリスクも高まります

参照:海外建設・不動産市場データベース|国土交通省

竣工が遅れるケースがある

マレーシアの不動産投資においては、新築物件の竣工が予定より遅れるケースがあります。
これは、デベロッパーの資金繰りの問題、建設資材の遅延、労働力の不足など、さまざまな理由によって発生する可能性があります。

竣工の遅れは、投資家にとって収益の遅延や追加の経費発生というリスクをもたらします。
特に、賃貸収入を目的としている場合、入居の遅れは直接的な収益損失につながります。
したがって、新築物件に投資する際には、デベロッパーの信頼性や過去の実績をしっかりと確認し、竣工遅延のリスクを事前に把握しておくことが重要です。

また、契約時には竣工遅延に関する条項を確認し、遅延が発生した場合の補償や対処法についても検討する必要があります。

州政府に許認可を得る必要がある

マレーシアで不動産を購入する際には、州政府からの許認可が必要なケースがあります
これは特に外国人投資家にとって重要なプロセスで、不動産の購入が州政府の定める基準に適合しているかどうかを確認するためのものです。
許認可プロセスには時間がかかることがあり、これが投資の進行に遅れをもたらすこともあります。

また、州によっては外国人の不動産購入に対する規制が厳しい場合もあり、これらの規制を理解し、適切に対応することが求められます。
許認可プロセスをスムーズに進めるためには、現地の不動産エージェントや法律専門家と密接に協力し、必要な書類の準備や手続きの進行を適切に管理することが重要です。

高利回りが狙いにくい

マレーシアの不動産投資において、高利回りを狙うことは比較的困難です。
これは、市場の成熟度や競争の激化により、利回りが抑えられる傾向にあるためです。
特に、人気の高いエリアでは、物件価格の上昇が家賃収入の増加を上回ることが多く、結果として利回りが低下します。

投資家は、利回りの高い物件を見つけるために、市場の詳細な分析や、未開発エリアへの投資など、より緻密な戦略が必要となります。
また、物件の選定に際しては、将来的な価値上昇の可能性や、賃貸市場の動向を慎重に考慮することが求められます。

不動産が過剰供給しているためなかなか売れない

マレーシアの不動産市場では、特定のエリアで過剰供給の問題が発生しており、これが物件の売却を困難にしています。
新築物件の急速な開発により、供給が需要を上回る状況が生じているのです。

このような市場環境では、物件の売却時に期待通りの価格が得られない可能性が高く、投資家にとっては大きなリスクとなります。
売却を検討する際には、市場の供給状況を十分に調査し、適切なタイミングでの売却戦略を立てるようにしましょう

供給は需要を上回ったため空室リスクも高い

マレーシアの不動産市場における過剰供給は、空室リスクの増加にもつながっています。
新しい物件が市場に続々と登場する一方で、それらを埋めるだけの需要が追いついていないのが現状です。

このため、投資物件が長期間空室のままとなるリスクが高まり、投資家の収益に影響を及ぼす可能性があります。
賃貸物件を所有する投資家は、物件の魅力を高めるための戦略や、適切な賃料設定、効果的なマーケティングが必要となります。

税金を支払わなければならない

マレーシアで不動産を所有する際には、さまざまな税金が発生します。
これには、物件の取得時にかかる印紙税や、年間の固定資産税、賃貸収入に対する所得税などが含まれます。

これらの税金は、投資の総コストに影響を与え、収益性を低下させる要因となり得ます。
したがって、投資計画を立てる際には、これらの税金を含めた総コストの計算が不可欠です。

また、税金の支払いを怠ると、罰金や法的な問題に直面するリスクもあるため、適切な税務管理が求められる点にもご注意ください。

マレーシア不動産投資でおすすめなエリア

マレーシアで不動産投資を考える際、特に注目すべきエリアは首都クアラルンプール(KL)、その中心部であるKLCC、および高級住宅地のモントキアラです。
これらの地域は、経済の中心であり、外国人駐在員や富裕層が多く住むため、賃貸需要が高く安定しています。

特にKLCCは、世界的に有名なペトロナスツインタワーがある一等地で、高級コンドミニアムやオフィスビルが集中しています。
モントキアラは、国際学校や大使館が多く、外国人ファミリーに人気の住宅地です。
これらの地域では、物件価格が比較的高いものの、賃料収入やキャピタルゲインの期待が大きいです。

また、ペナンやジョホールバルも、観光や産業が盛んで、不動産投資の機会が増えています。
ペナンは、美しいビーチと歴史的な町並みが魅力で、リゾート物件の需要があります。
ジョホールバルは、シンガポールに近く、経済的な連携が進んでいるため、将来的な成長が期待されています

マレーシア不動産投資におすすめな人

マレーシア不動産投資は、中長期的な資産形成を目指す投資家に特におすすめです。
特に、海外不動産投資に興味があり、現地の市場動向や法律に精通している人に適しています。

また、自己資金を有効に活用し、リスク管理をしっかりと行いたい方にも向いています。
マレーシアの不動産市場は、比較的安定した利回りが見込める一方で、為替リスクや法律の変更などのリスクも伴います

したがって、これらのリスクを理解し、適切に対応できる知識と経験を持つ投資家には良い機会となるでしょう。
また、マレーシアには外国人が不動産を購入しやすい環境がありますが、購入プロセスや税金、管理の面での注意点も多いため、事前の情報収集と専門家との相談が不可欠です。

不動産投資に関するセミナーや視察ツアーに参加することで、現地の状況をより深く理解することができます
また、現地の不動産会社やエージェントとの良好な関係を築くことも、成功の鍵となります。

これらの条件を満たす方であれば、マレーシア不動産投資は魅力的な選択肢となるでしょう。

実際にマレーシア不動産を購入するときの手順は?

マレーシアで不動産を購入する際の手順は、まず物件の選定から始まります。
物件選びでは、立地、価格、将来性を考慮し、自分の投資目的に合った物件を見つけることが重要です。

次に、不動産会社やエージェントを通じて物件情報を詳しく確認し、現地視察を行います。
物件が決まったら、購入意向を示すために予約金を支払い、売買契約書を締結します。
この際、契約内容の確認と法的な手続きが必要となります。

契約後は、残金の支払いと物件の登記手続きを行います。
マレーシアでは、外国人が不動産を購入する際には、一定の金額以上の物件であることが求められることが多いです。
また、購入時には印紙税や法務費用などの追加費用が発生するため、予算計画に含める必要があります。

購入後は、物件の管理や賃貸経営に関する計画を立て、必要に応じて管理会社に委託することも一つの選択肢です。
不動産購入は大きな投資であり、リスクも伴いますので、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることをおすすめします

同じく東南アジアのカンボジア不動産投資との違い

マレーシアとカンボジアの不動産投資にはいくつかの違いがあります。
まず、マレーシアは政治的に比較的安定しており、経済成長も着実に進んでいるため、不動産市場も安定しています。

一方、カンボジアは急速な経済成長を遂げているものの、政治的なリスクや法律の不透明さが懸念点でしょう。
マレーシアでは外国人が不動産を購入する際の最低価格が設定されているのに対し、カンボジアではそのような制限は少ないですが、土地の所有権に関する規制が厳しいです。

また、マレーシアの不動産市場は成熟しており、賃貸需要が高いエリアでは安定した収益が見込めますが、カンボジアでは市場が発展途上であり、高いリターンを期待できる一方でリスクも大きいです。

カンボジアの不動産投資は、新興市場への投資としての魅力がありますが、市場の変動や法律の変更リスクを理解し、十分なリサーチと専門家の意見を参考にすることが重要です。
両国ともに不動産投資の機会は豊富ですが、投資目的やリスク許容度に応じて適切な選択を心がけてください

まとめ

本記事では、マレーシア不動産投資のメリットとデメリット、購入方法について詳細に解説してきました。
マレーシアは多民族国家で、経済成長が安定しており、外国人にも不動産投資がしやすい環境が整っています。

しかし、外国人には最低投資価格の制限があり、竣工遅延や州政府の許認可が必要な場合もあるため、投資には慎重な検討が求められます。

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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資