【2023年カンボジア総選挙】人民党の圧勝と新政権の誕生

執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

第7期国民議会議員選挙(総選挙)の投開票が2023年7月23日に行われ、人民党が96%議席獲得し圧勝しました。

そして、8月22日にフン・セン氏(71)は、後継として長男のフン・マネット氏(45)を選任。
世襲による新内閣を承認しました。

2023年カンボジア総選挙

カンボジアの選挙管理委員会は、7月23日に投開票された下院総選挙の確定結果を発表しました。

与党・人民党が125議席中120を獲得。
投票率は84.59%で、前回の投票率を83.02%上回りました。

現地メディアのプノンペン・ポストによると、フン・セン氏は発表前の演説で長男フン・マネット氏に首相職を譲ることを表明おり、この時期に退任する理由を、自分が死んだ際に権力をめぐる混乱を避けるためだと述べ、選挙結果後には人民党への支持が強まった結果だと主張し「国民がフン・マネットを支持していることが証明された。安定した状態で政権移行できる」と述べました。

世襲新内閣 フン・マネット新首相

カンボジア下院は8月22日に、フン・セン氏の後継として長男で軍司令官のフン・マネット氏を選任
世襲による新内閣を承認し、カンボジア王国ノロドム・シハモニ国王陛下の最高議長の下で、王宮裁判官が第7期王政政府関係者の宣誓式を行いました。

38年以上続いたフン・セン体制ですが、フン・セン氏は記者会見で「政治的引退ではない」経験を生かして指導に当たると述べています。
施政方針はまだ示されていませんが、フン・セン氏の影響力は強く残ると思われます。

フン・マネット氏の経歴
1995年に陸軍に入隊。その後、米国の陸軍士官学校を卒業し、米英の大学院へ。
帰国後は軍に戻り、2018年から陸軍司令官を務めた。

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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

宅地建物取引士 / 1984年生まれ、東京都出身。
大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。
2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。

著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資