カンボジアに新空港が開業!今後の投資家への影響を徹底考察

執筆者:荒木 杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

2025年9月9日、カンボジアの新空港となる「テチョ国際空港」が開業しました。
アジアでも最大規模の空港で、カンボジアの観光・ビジネスの新拠点となることが期待されています。
テチョ国際空港を起点とした都市開発も進行しており、カンボジアの投資環境に大きな変化をもたらす可能性も高いです

今回は、テチョ国際空港がカンボジア国内の投資環境や、外国人投資家に与える影響について詳しく解説しています。
2030年ごろまでの投資環境の変化なども予想していますので、ぜひ最後までお付き合いください。
なお、記事中の表やデータなどの参照先・出典については、記事末尾に記載しています。

テチョ国際空港の概要と特徴

タクマウ・テチョ国際空港(以下、テチョ国際空港)は2018年に建設が決定し、およそ7年の歳月をかけて2025年9月9日に開業しました。
ここでは、テチョ国際空港の概要と特徴について解説します。

プノンペン市内から車で約30分という好アクセス

テチョ国際空港は、カンボジア南部に位置する約2,600haもの大規模な空港です。
カンボジアの経済発展に伴う航空需要の拡大を受け、プノンペン国際空港の拡張工事の代替として現在地での建設が決定されました。

テチョ国際空港はカンボジアの新空港として計画段階からアクセスの利便性が重視されており、プノンペン市内から約19kmという好立地です。
自動車では約30分以内にプノンペン市内にアクセス可能で、観光・ビジネス・物流の新たな拠点として注目を集めています。

なお、従来のプノンペン国際空港はすべての発着便がテチョ国際空港に移管され、2025年9月8日をもって閉鎖となりました。

年間旅客5,000万人を想定した大規模空港

テチョ国際空港はカンボジアの新たな玄関口として、最終的な年間旅客数の目標を5,000万人として開業しました。
カンボジアでは初となる自動チェックイン機能が導入されており、チェックインカウンターの数はプノンペン国際空港の42から100以上と大幅に増設されています。
従来よりもさらに大型の旅客機の発着が可能で、現在は1本の滑走路で運行されていますが、今後は滑走路を3本まで増設する予定です。

実際にテチョ国際空港が完成した反響は大きく、カンボジア観光庁の発表によれば2025年1〜8月の外国人旅客者数は、前年比22%増の188万人となりました。
カンボジアの代表的な航空会社の「エア・カンボジア」は、成田国際空港とテチョ国際空港の直行便を就航させており、日本からの旅客数の増加も期待されています。

なお、エア・カンボジアの成田〜プノンペン直行便については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

開放感あふれるフロア構造

テチョ国際空港はカンボジアの伝統彫刻を取り入れたデザインなどが高い評価を受け、「世界を形作る11の建築プロジェクト」に選出されました。
空港内部を木製のアーチが彩っており、カンボジアの伝統的な建造物を彷彿とさせる美しいデザインが特徴です。

格子状の鉄骨からは効率的に日光が取り入れられ、吹き抜け式のフロア構造には開放感があります。
洗練されたデザインや快適性の高いフロア構造からも、カンボジアがテチョ国際空港を重大プロジェクトとして進行させていたことがうかがえます。

テチョ国際空港の開業がもたらす3つの構造変化

テチョ国際空港の開業は、カンボジア国内の経済や投資環境に大きな変化を与えると予想されています。
ここでは、テチョ国際空港の開業がカンボジア国内に与える影響について解説します。

経済圏の重心移動 |都市機能が南へシフト

これまでプノンペンの経済活動は、プノンペン国際空港周辺(ポチェントン地区)を中心に展開してきました。
しかし、テチョ国際空港の開業によって物流・交通の流れが南部へ移動し、都市機能の南下現象が見受けられます。

実際に、テチョ国際空港の建設に伴って以下のような事象が発生しています。

  • 高速道路・外環状線の整備により、空港〜港湾〜工業団地を結ぶ物流動線が強化
  • 政府系デベロッパー「OCIC」が主導する新行政地区構想(タクマウ開発計画)が進行中
  • 外資系ホテルチェーン・商業施設の用地取得が活発

テチョ国際空港開業に伴う都市機能の変化は、バンコクのスワンナプーム開港期や、ホーチミン南部のロンタイン空港周辺都市の構造と似ているのが特徴です。

地価相場の変化 |空港周辺5〜10km圏の値上がりが顕著

テチョ国際空港周辺部には、地価上昇の兆候が数年前より現れています。
現地の不動産データによると、2019〜2024年の5年間で空港半径10km圏の平均地価は約1.3〜1.5倍に上昇したとのことです。
特にテチョ国際空港に近いタケオ州北端・カンダール州南部では、物流・商業用地が活発に取引されています。

以下の表は、テチョ国際空港周辺部の地価の上昇率を示したものです。

地域用途平均価格(USD/m²)上昇率(2019→2024)
タクマウ地区
(空港直近)
物流・商業180〜250+48%
カンダール州南部住宅・商業80〜120+32%
プノンペン郊外北西部農地・住宅転用40〜60+20%

新空港の建設にあたってインフラが整備されたことで、地価が上昇したと考えられます。
早期参入した投資家にとっては、地価上昇によるキャピタルゲインを期待しやすい状況です。

外資誘致の加速 |国家プロジェクト化する「空港都市構想」

テチョ国際空港の建設は、カンボジア国内企業OCIC(Overseas Cambodian Investment Corporation)と国営の通信企業テレコムカンボジアなど、複数のパートナーによる官民共同事業で進行中です。
さらに、中国建設工程総公司が主要施工を担当し、AIIB(アジアインフラ投資銀行)などが融資支援を実施しています。
外資の導入によって、インフラ整備に留まらない経済圏形成を目的としているのが特徴です。

カンボジア政府は今後、空港周辺に特別経済区を設置し、区域内の企業には以下のような優遇措置を適用する予定です。

  • 外資企業の法人税免除(5〜9年)
  • 設備輸入関税の減免
  • 現地人材雇用への補助制度

政府主導の外資誘致政策により、テチョ国際空港を主軸とした経済活動を促進する「空港都市」構想が進行しています。
テチョ国際空港の開業に伴って、不動産・建設・物流・観光など各種産業で外資系企業の参入が活発化していくと予想されています。

不動産投資家が注目すべきエリアを距離別にチェック

テチョ国際空港の開業に伴って、空港周辺部の不動産物件にも変化が生じると予想されています。
ここでは、不動産投資家がテチョ国際空港周辺部でチェックしておきたい不動産物件の特徴を距離ごとに解説します。

なお、カンボジア不動産投資のおすすめエリアについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

物流ゾーン(0〜3km圏) | 倉庫・配送センター需要が急拡大

空港直近エリアは、現在最も商業取引の活発化が見られるゾーンです。
南部環状道路・国道2号線との接続が強化されたことで、物流・倉庫・配送センターが増設されています。

空港直近の物流ゾーンの不動産には、以下のような特徴があります。

  • 平均地価:180〜250 USD/m²
  • 主な用途:倉庫・配送センター・トラック基地・冷凍施設
  • 投資タイプ:法人リース・短期転売向け

OCIC傘下の開発会社が主導する物流施設の構想も進行しており、外資系製造業・輸出業者が進出中です。

短期でリターンを得たい投資家にとって、即効性の高いエリアといえます。
ただし、初期投資額の高さと競争率の高さによる物件取得の難しさには注意が必要です。
早期に用地を確保した企業が、今後の価格上昇を牽引するでしょう。

住宅ゾーン(3〜7km圏) | 住宅の増加によるベッドタウン化が進行

テチョ国際空港周辺に勤務する従業員や物流・サービス産業の雇用増加により、住宅需要が急増しています。
なかでもタクマウ市北部〜カンダール州南部は、戸建て・低層コンドミニアムの開発が相次ぐ注目地域です。

空港から近い住宅ゾーンには、以下のような特徴があります。

  • 平均地価:80〜120 USD/m²
  • 想定利回り:6〜8%/年
  • 投資タイプ:中長期保有+賃貸運用型

このゾーンは、価格がまだ割安である点が狙い目といえます。
プノンペン中心部の住宅地(300〜400 USD/m²)と比較すると、3分の1以下のコストで参入可能です。
空港従業員だけでなく、首都通勤圏としての住宅需要も見込まれており、将来的にはプノンペンのベッドタウン化が進むと予測されます。

商業ゾーン(7〜10km圏) | ホテル・複合施設への投資が活況

空港から自動車で20分圏内のエリアでは、観光・宿泊・小売を中心とした複合施設の開発が急ピッチで進行しています。
プリンス・リアル・エステートやチップモングループなど国内大手デベロッパーも、商業モールやホテル計画を進行中です。

商業ゾーンには、以下のような特徴があります。

  • 平均地価:100〜180 USD/m²
  • 投資タイプ:ホテル・商業複合施設開発(共同出資型)
  • 需要ドライバー:国際線旅客の増加+観光業の回復基調

観光・ビジネス両面の需要が高まりつつあるため、空港利用者を想定した短期滞在型ホテルや、小売店・飲食店などを一体化した複合施設が注目されています。
このゾーンは投資額が大きくなりがちで、個人よりも企業・ファンド単位の参入が主流になっています。
ただし、共同出資や区分所有を活用すれば、個人投資家でも十分に参入可能です。

観光ゾーン(10km以遠) | 文化・エコ観光の活性化

空港から10kmほど離れたタケオ州南部やカンダール州周辺部では、エコリゾート型の開発計画が注目されています。
自然環境を活かした滞在型施設やゴルフ場・農園型宿泊施設など、観光と体験を組み合わせた複合型ビジネスが増加中です。

観光ゾーンには、以下のような特徴があります。

  • 平均地価:30〜60 USD/m²
  • 投資タイプ:中長期型/共同開発/農地リース活用
  • 想定投資回収期間:7〜10年

カンボジア観光省の統計によると、2025年以降の観光客数は年平均10〜12%の増加が見込まれており、リゾート地整備は政府主導で推進中とのことです。
短期的なリターンは期待しづらいものの、将来的な外資観光資本の流入を見越した戦略投資が有効なエリアといえます。

投資判断への影響が大きい3つの注意点

カンボジア不動産投資には、法規制や建設業者の特徴など、いくつかの注意点があります。
ここでは、カンボジア不動産投資における注意点を3つ解説します。

土地購入の制限 |外国人は直接所有不可

カンボジアでは、外国人が土地を直接所有することは禁止されています。
そのほか、外国人の不動産取得については、主に以下のような制限があります。

  • 一般的な土地使用期間:15〜99年(条件によって異なる)
  • 条件により法人設立による名義保有が可能なケースあり(カンボジア籍パートナー51%以上が原則)
  • コンドミニアムについては2階以上のフロアに限り外国人の直接所有が可能
  • 外国人が購入できる建築物件の割合は、全外国人の合計で建物全体の70%以内
  • 外国人が購入できる物件は2010年以降に建設された物件に限定

テチョ国際空港周辺の物件にも、同じ規制があるので注意が必要です。
カンボジア不動産を購入する際は、信頼できる現地パートナー(弁護士事務所・法人登記代行)を活用し、法規制に抵触しない物件を選ぶことが重要です。

建設・インフラリスク |遅延・コスト超過・アクセス面の不備

新空港を中心とした再開発は急速に進んでいますが、カンボジアでは工事の遅延や中止が発生しやすい点に注意が必要です。
テチョ国際空港に関連するインフラ整備に関しては、以下のような問題点が指摘されています。

  • 鉄道アクセス(プノンペン中心部〜空港間の鉄道計画)は2028年以降に延期見込み
  • 一部の幹線道路は未舗装区間が残り、物流コスト上昇リスクあり
  • 建設資材の多くを輸入に依存しており、為替変動や関税変更の影響が懸念材料

ただし、政府の優先開発プロジェクトに指定されたインフラは、中国など海外機関の資金で支援されているため、中断リスクは限定的なものと考えられています。

地政学リスク |中国資本への依存と政権の安定性

カンボジア経済は、中国資本への依存度が高いのが特徴です。
テチョ国際空港も建設や運営に多くの中国資本が投入されており、今後の政治情勢や米中関係によって運営体制に変化が生じる可能性があります。

テチョ国際空港の建設や運営と中国との関係性は、主に以下のようなものです。

  • 総投資額15億ドルのうち、約7割が中国系企業・金融機関からの資金
  • 政権が親中姿勢を維持する一方、対ASEAN・欧米とのバランス調整を模索中
  • 中国資本への依存が高まりすぎると、政策転換時の不透明感が増す懸念あり

ただし、フン・マネット政権は投資環境の透明化や国際分散化を進めており、法制度の整備と外資誘致の両立を明確に打ち出しています。
フン・マネット首相の政策は、中国資本に依存しすぎず、さまざまな国家から外資を誘致しているのが特徴です。

ASEAN主要空港と比較した際の優位性

ASEAN諸国にも大規模な国際空港が建設中または建設済みですが、テチョ国際空港にはほかの空港と比較した際の優位性があります。
ここでは、テチョ国際空港を周辺国の空港と比較した際の優位性について解説します。

初期取得コストがASEAN諸国と比較して割安

テチョ国際空港周辺の土地価格は、プノンペン中心部に比べて依然として割安です。
以下の表は、ASEAN主要空港の周辺地価や空港ごとの特徴を比較したものです。

空港名所在国平均地価
(USD/m²)
特徴
テチョ国際空港カンボジア80〜180開発初期段階 上昇余地大
ロンタイン国際空港ベトナム250〜400工業団地・住宅地進行中 既に高騰
スワンナプーム空港タイ300〜450商業・ホテル開発進行 地価安定期
KLIA2(クアラルンプール)マレーシア220〜350交通網発達 成熟市場

表からは、テチョ国際空港周辺の地価はASEAN主要国の半分以下と読み取れます。
今後のインフラ拡張計画や開発を考慮すれば、現在よりも不動産価格が上昇する可能性が高い点も見逃せません。
テチョ国際空港周辺の物件は、周辺国よりも安価に購入しやすく、今後の発展による値上がりへの期待感が高い状況です。

長期的な投資効果への高い期待感

通常、空港インフラの完成後は旅客数の増加とともに周辺地価が上昇します。
しかしテチョ国際空港の場合、旅客・物流需要が先行し、地価がまだ割安という特徴があります。

以下の表は、テチョ国際空港とスワンナプーム空港(タイ)・ロンタイン国際空港(ベトナム)の見込み旅客数および平均地価上昇率を比較したものです。

テチョ国際空港スワンナプーム空港ロンタイン国際空港
開港年202520062027(予定)
初年度旅客数見込み約400万人約4,500万人約500万人
年間成長率予測(旅客)+15〜18%+5%+12%
平均地価上昇率(2023→2024)+10〜12%+3%+25%

需要(見込み旅客数)が価格の上昇から先行しているため、テチョ国際空港に関連した投資は実需にもとづいた堅実性の高さが特徴です。
今後5年で旅客数が倍増すれば、地価も平均20〜30%の上昇が想定されます。
空港周辺には自由貿易区の設立が検討されており、物流・製造・輸出系企業の進出が加速することで、不動産価格の中長期的な価格上昇も期待できます。

2030年までに起こり得る5段階の投資環境の変化

テチョ国際空港の開業に伴って、カンボジアの投資環境に変化が生じることが予想されています。
ここでは、2030年までに起こり得るカンボジア国内の投資環境の変化や、外国人投資家に推奨される行動について解説します。

2025年 | 開業・第1期稼働

2025年9月の開業によって、まずは物流・観光の実需が動き始めるでしょう。

開業直後の段階では地価が上昇し始める一方で、投資家の多くはまだ様子見の傾向にあると考えられ、想定される環境の変化は以下の通りです。

  • 旅客数:約400万人(初年度見込み)
  • 稼働範囲:国際線+貨物ターミナルの部分開業
  • 市場特徴:地価上昇率10〜12%/年(短期転売が成立)

この段階においては、外国人投資家は小口区画を中心に購入するほか、建設中の物件から信頼性の高いデベロッパーを選定しておくのがおすすめです。

2026〜2027年 | 周辺道路・住宅開発の本格化

テチョ国際空港開業から2年ほどで、空港従業員・物流スタッフの雇用や外資企業の進出が進み、実需型の住宅・商業開発が本格化するでしょう。

タクマウ市〜ケンダール州南部を中心に、中間層住宅と賃貸物件の需要が顕著になると予想され、想定される環境の変化は以下の通りです。

  • 主な動向:住宅供給の急増、商業施設(モール・ホテル)開業ラッシュ
  • 開発企業:Chip Mong・Prince Group・OCICなど
  • 地価変動:2025年比+20〜25%
  • 利回り:賃貸で平均6〜8%/年

この段階においては、外国人投資家は賃貸住宅を購入するほか、大型施設の共同出資型プロジェクトに参入するのもおすすめです。

2028年 | 鉄道アクセス着工・外資系企業進出期

政府はプノンペン中心部と新空港を結ぶ鉄道の整備を進めており、2028年には部分的に開通する見込みです。
また、交通網の整備によって外資系の企業の進出が加速していくと考えられています。

同時期に外環状道路も完成予定で、空港〜港湾〜工業団地の物流動線が完成すると予想されており、想定される環境の変化は以下の通りです。

  • 経済波及:物流効率化による輸出コストが約15%削減
  • 外資参入:製造業・物流企業の現地法人の設立が増加
  • 地価変動:+30〜35%(空港3〜7km圏)

この段階においては、外国人投資家は空港・港湾・鉄道がトライアングル状になったエリアの物件を剪定するなど、立地を重視して物件を取得するのがおすすめです。

2029年 | 経済特区指定と外資誘致の加速

カンボジア政府は、テチョ国際空港の南部エリアを経済特区に指定する予定です。

2029年ごろから、税制優遇・投資保護制度が具体的に実施されると考えられており、想定される環境の変化は以下の通りです。

  • 経済特区内企業の法人税免除:最大9年間
  • 経済特区内企業の輸入関税優遇:主要設備免税
  • 外貨送金自由化:外国人投資家の出口戦略の容易化
  • 外資系ホテル・物流企業の進出ピーク期

この段階においては、外国人投資家は経済特区のメリットを活かして法人を設立するのがおすすめです。
法人を設立することで条件により土地の長期所有が可能となるため、カンボジア国内企業との共同出資も有力な選択肢となるでしょう。

2030年 | 旅客数1,300万人突破予測

2030年には、テチョ国際空港の第2期工事(滑走路拡張・貨物ターミナル増設)が完了予定です。
年間旅客数は1,200〜1,300万人規模に達すると予測されており、テチョ国際空港を中心とした経済圏が成熟すると考えられています。

2030年ごろに想定される環境の変化は以下の通りです。

  • 空港旅客数:+200%(2025年比)
  • 空港半径10km圏:平均地価+50〜60%
  • 商業施設・住宅・観光複合の都市化完了
  • 外資再投資・第2波の参入開始

この段階においては、外国人投資家は保有資産を一部売却するのがおすすめです。
売却後の残余資産で長期運用を想定した賃貸物件を購入するほか、リゾート用の物件などに再投資するのも良いでしょう。
現地デベロッパーとの共同出資によって、安定性の高い収益を得ることも期待できます。

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なお、カンボジアの銀行についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

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まとめ

テチョ国際空港は、プノンペン国際空港に代わる新空港で2025年9月より開業しました。
日本との直行便も就航しており、従来よりもスムーズなアクセスが可能になりました。

空港周辺部には、住宅街やホテル・商業施設・物流センターなどさまざまな物件が建設予定で、不動産投資の活発化が期待されています。
経済特区も設置予定で、ビジネスの新拠点としても期待されており、テチョ国際空港を中心とした経済圏が形成される可能性大です。

空港周辺部の開発フェーズごとに投資環境が変動していくと予想されるため、投資においてはタイミングに合わせた物件の選定が重要です。
また、外国人は個人で土地が取得できないなど、投資に関する制限にも要注意です。

弊社はカンボジア不動産の仲介を得意としており、テチョ国際空港周辺の投資環境の推移にも注視してまいります。
カンボジア不動産投資で物件をお探しの方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。

参考・出典

  1. Airport Technology
    “Techo Takhmao International Airport, Cambodia – Project Overview and Specifications.”
    (参照日:2025年10月)
    URL:https://www.airport-technology.com/projects/techo-takhmao-international-airport-cambodia
    カンボジア政府とOCIC(Overseas Cambodian Investment Corporation)が共同開発する新空港プロジェクト。敷地面積2,600 ヘクタール、建設費約15 億ドル。
    旅客処理能力はフェーズ1で約1,300〜1,500 万人、2030 年に約3,000 万人を計画。
  2. CGTN News (2025911
    “Cambodia’s Techo International Airport Opens, Emphasizes Green Design.”
    URL:https://news.cgtn.com/news/2025-09-11/Cambodia-s-Techo-Int-l-Airport-opens-emphasizes-green-design-1GAkwSNiDbW/p.html
    テチョ国際空港が2025年9月9日に正式開業。環境配慮型設計・グリーン認証を導入し、首都南部の経済圏形成を目指すことが報じられている。
  3. Council for the Development of Cambodia (CDC)
    Sub-Decree No.148 ANKR.BK on the Establishment and Management of Special Economic Zones (2015).
    URL:https://cdc.gov.kh/wp-content/uploads/2022/05/SUB-DECREE-148-ANKR.BK-ON-THE-ESTABLISHMENT-AND-MANAGEMENT-OF-THE-SPECIAL-ECONOMIC-ZONE-FINAL_060314-.pdf
    カンボジア政府による特別経済区(SEZ)制度の公式根拠法。
    外資企業への法人税免除(最長9年)、設備輸入免税、長期リース認可などの優遇措置を規定。
  4. JETRO(日本貿易振興機構)プノンペン事務所レポート
    「カンボジアにおけるインフラ開発動向と外資投資環境」
    (2024年版)
    政府主導の南部経済回廊計画、タクマウ周辺の都市インフラ整備計画を解説。空港周辺地域が新たな物流拠点として注目されていることを指摘。
  5. World Bank – Cambodia Economic Update (2024 June)
    URL:https://www.worldbank.org/en/country/cambodia/publication
    カンボジアのGDP成長率・FDI流入・建設セクターの動向。インフラ投資が2025〜2030年の経済成長を牽引するとの見通しを示す。
  6. Local Market Report(OCIC / Prince Real Estate / Chip Mong Group 資料)
    現地デベロッパーが発表した土地取引データを基に、2020〜2024年の平均地価上昇率(+20〜30%)を参考値として引用。
    特にタクマウ市北部・カンダール州南部で上昇傾向が顕著。
  7. ASEAN Regional Comparison Sources
    ベトナム・タイ・マレーシアの空港経済圏比較データ(政府統計局およびADB報告書)。
    地価水準・旅客数・外資導入フェーズの差異をもとに、カンボジアの相対的優位性を算出。

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荒木杏奈 / アンナアドバイザーズ株式会社

代表取締役 / 宅地建物取引士 / 宅地建物取引業 東京都知事免許(2)第99967号
所属団体:一般社団法人RE AGENT 理事長 / 一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC) / 公益社団法人全日本不動産協会
1984年生まれ、東京都出身。大手広告代理店セプテーニ(株)入社、その後SBIグループを経て2012年よりカンボジアの首都プノンペンの金融機関に勤務。2013年に独立し日本とカンボジアに拠点を持ち、国内・海外の国際不動産サービスを展開。
著書:東南アジア投資のラストリゾート カンボジア (黄金律新書) 新書 幻冬舎
   はじめての海外不動産投資